インターンシップのお礼状の例文と書き方

インターンシップのお礼状の例文と書き方

インターンシップは就活には欠かせない体験です。そのため就活生にとっては、インターンに参加することは当たり前となっていますが、企業にとっては不慣れな学生に仕事を体験させる準備をしたり、インターン中の面倒を見たり、さらには給料まで支払わなければならず、学生に自社を知ってもらうというメリットだけで終わる話ではありません。

つまりインターンで得るメリットは学生の方がずっと多く、それを考えれば「インターンシップのお礼状」を書くことは当然と言えるのではないでしょうか。

インターンシップのお礼状の書き方

インターンシップは、志望希望・職種を選んで応募できる制度ですので、就職活動に直接役立てることができます。さらには採用側にインターンシップの情報が保存されている場合、良くも悪くも就職活動のときに応募者の参考資料として活用される可能性があります。

従って、お礼状を書く場合も、その可能性を考慮して書くべきでしょう。

お礼状は手書きまたはメール

インターンシップのお礼状は手書きの手紙、またはメールで送ります。最近ではSNSを使ってお礼状を送るという学生も増えているようですが、企業カラーによっては歓迎されない可能性があることも知っておきましょう。

基本的にお礼状は「メール<手紙」です。さらには手紙の中でも「パソコン作成<手書き」という順で印象が良くなるとも言われています。

可能な限りお礼状は手書きで書き、一文字一文字に気持ちを込めるように心がけましょう。

お礼状が遅れるならメールでも可

お礼状は鮮度が重要です。インターンシップが終わって何週間も経ってから手書きのお礼状が来るよりも、インターンシップが終わって数日のうちに届くメールでのお礼の方が鮮度は高くなります。

もっとも望ましいのは鮮度の高い手書きですが、学校の予定やその他のスケジュールの都合でどうしても手書きだと遅くなるということがわかっている場合は、メールでお礼状を送るのもひとつの方法です。

ビジネスマナーを心がける

インターンシップは学生が行うものなので、完璧なビジネスマナーを身につけている人から届く手紙とは別の意識で読んでくれると期待できます。ビジネスマナーに欠ける部分があったとしても、これから学んでいくことだと好意的に受け取ってもらいやすいでしょう。

しかし、その気持ちに甘えて学生気分丸出しの手紙を送ることはとても失礼です。

ビジネスマナーを知らないなりに、調べて学びながら書く姿勢を先方は期待しています。

便箋と封筒は白地を用意する

インターンシップのお礼状を書く便箋と封筒は「白地」のものを選んでください。色付きや柄付きの便箋・封筒は望ましくありません。イラスト入りの便箋や封筒も避けるべきです。

また、ペンは黒のボールペンを用意してください。カラーペンで書くことはマナー違反です。

縦書きが望ましい

便箋・封筒のスタイルは「縦書き」が望ましいとされています。横書きでも失礼というわけではありませんが、お礼状は基本的に縦書きで、ということもビジネスマナーのひとつです。

縦書きに慣れていない学生は多いため、書きにくさを感じるかもしれませんが、せっかく書くのであれば縦書きを選ぶようにしましょう。

インターンシップのお礼状に書く内容

インターンシップのお礼状は、端的にいえば「ありがとうございました」という気持ちが伝われば良いものです。しかし、相手はビジネスシーンにいる人ですので、ある程度の形式が守られていなければ、それだけで「お礼状としては足りない」と判断されてしまいます。

①頭語と結語を使う

手紙のマナーの中に「頭語・結語」があります。頭語は手紙の始まりに頭を下げて挨拶をするを様を表す言葉、結語は手紙の終わりに頭を下げて挨拶をする様を表す言葉です。

インターンシップのお礼状には「拝啓・敬具」の組み合わせ、もしくは「謹啓・謹白(または敬白)」の組み合わせを使います。違いは言葉の格式です。拝啓・敬具よりも謹啓・謹白の方が格式が高く、より丁寧な印象となります。

なお、頭語・結語として有名な「前略・草々」は目上の人には使わない組み合わせですので、お礼状には使いません。

②挨拶

次に「時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます」などの挨拶を入れます。この部分は手紙の挨拶文として、ある程度定型化されているため、あまり深く考えずに書いても問題はありません。

「貴社ご盛栄のこととお喜び申し上げます」「時下ますますご隆盛のことと存じます」などは、どれもほぼ同じ意味で「きっと御社は今この瞬間も繁盛なさっていることでしょう」というものです。

ちなみに、企業そのものや企業の担当者に送るお礼状での挨拶文では、基本的には「会社の繁栄」について書きます。「ご健勝」など、個人の健康を表す言葉はあまり使いません。

③名乗り

次は名乗りです。「私は〇月〇日から〇月〇日まで御社〇〇部のインターンシップに参加させていただきました、〇〇大学〇〇学部の〇〇××(フルネーム)と申します」など、相手がこちらを思い出しやすいように書きましょう。

インターンを終えてすぐに届けたお礼状でも、先方は毎日多くの人とかかわっています。名前だけなどでは思い出せないことも多々ありますので、できるだけ詳しく書くこともマナーです。

④お礼

ここからお礼状の本文が始まります。「この度は〇日間に渡り大変貴重な体験をさせていただき、誠にありがとうございました」などの文章から始めると良いでしょう。

続けて「皆様の貴重なお時間をいただき、仕事内容だけでなく社会のこともたくさん教えていただき、私にとってかけがえのない大変有意義な日々となりました。」など、どんなことに感謝をしていて、自分にとってそれがどんなに貴重なものだったか、ということも書くと良いかもしれません。

なお、この後具体的なエピソードに入っていきますので、そのことを意識して簡潔な文章を心がけてください。

⑤具体的なエピソード

インターンシップのお礼状に限らず、お礼状はいかに具体的かという点がポイントになります。ただ「ありがとうございました」を繰り返すのではなく、特に印象に残っている教えや出来事を添えると良いでしょう。

「御社で過ごした〇日間は毎日勉強でしたが、特に印象に残っているのは〇日目の〇〇です。〇〇を教えていただいたことで、私がこれまで学校で学んできたこととは別に、違う概念を持つことが必要であると気が付くことができました。」

「また、ご担当くださった〇〇さんのお仕事をそばで拝見し、私もいつか〇〇さんのようにさまざまなところへ気を配ることのできる社会人になりたい、と志を強くいたいました」

これらは一例ですが、読んだ人ができるだけ想像しやすいようなエピソードを入れた方が良いとされています。

または「インターンシップを終えて、自分に欠けていると感じた〇〇を勉強することにしました」など、インターンを経験したことで新しい学びを得た、という内容を添えても喜ばれます。

⑥改めてのお礼

お礼状は最初から最後までお礼で埋め尽くされます。そのため、エピソードが一段落したら改めてお礼を伝えることになります。

「まずはご指導を賜りましたお礼をお伝えしたく、お手紙をお送りすることにいたしました。本当にありがとうございました」など、一区切りつくようなお礼文を添えてください。

このときに「取り急ぎお礼」という表現はあまり使いません。「略儀ではありますが、文中より御礼申し上げます」など別の言葉を使ってお礼を伝えてください。

⑦最後の挨拶

本文の締めには「貴社のご発展とご担当者様のますますのご活躍をお祈り申し上げます」などの一文を入れます。この部分は冒頭の挨拶と同じで、定型化されている文言で問題ありません

あまり「お元気で」などフランクな言葉は使いませんので、ある程度手紙全体の雰囲気と合う言葉で締めくくりましょう。

⑧日付と名前

締め文の後には手紙を書いた日付と名前を書きます。日付は和暦、名前は大学名から続けて書くようにしてください。

日付は上から2文字分空けて書き、大学名・名前は便箋の一番下(横書きの場合は左端)に寄せて書きます。

また、同姓同名の人がいないとも限らないので、大学名や名前は略すことなく、正式名称で書くようにしてください。

⑨宛先の会社名と担当者名

最後に宛先となる会社名と担当者名を書きます。相手の会社名と名前は、便箋の一番上(横書きならもっとも左)から書き始めることを忘れないようにしましょう。

会社名や担当者の部署名も略すことなく、正式名称で書いてください。「(株)」などは使いません。

担当者名がわからない場合は「人事課ご担当者様」などとし、「様」という敬称と一緒に書きます。

インターンシップのお礼状例文

謹啓
時下益々ご盛栄のこととお慶び申し上げます。
この度は、2週間のインターンシップに参加させていただき、誠にありがとうございました。
進路を選択する上で大変有益な体験をさせて頂きました。特に、社員の方々と親しくお話をする機会に恵まれたことで、会社案内などでは知りえない仕事と職場のディテールに触れることができましたことは、本当に貴重な体験であったと思います。
また、平穏から緊張へ、職場の空気が一変するという意外な状況にも遭遇し、ビジネスの最前線の空気を肌で感じることができました。このような貴重な体験を与えて頂きました職場の皆様、そして有益なアドバイスを頂戴した採用課長の坂東様に心より御礼申し上げます。
末筆ながら貴社のご発展と皆様のご健勝をお祈り申し上げます。

敬白

令和元年10月15日

□□大学□□学部 □□学科3年 吉野次郎

株式会社□□□ 人事部
採用課長 坂東太郎様