内定通知のお礼状の書き方と例文

内定通知のお礼状の書き方と例文

就職活動をし、見事内定をもらったときは嬉しさでいっぱいになります。そのため、社会人として必要な「お礼状」の存在をつい忘れてしまいがちです。

内定通知のお礼状は必要

内定をもらったからと言って、ビジネスマナーの基本であるお礼状を送り忘れてしまうと、相手によっては「マナーのなっていない人だ」と感じてしまうかもしれません。

内定を受けるのであれば、内定通知のお礼状は必要です。

内定通知のお礼状は迅速に

内定通知のお礼状はできるだけ早く、迅速に送るようにしてください。ビジネスマナーの基本として「お礼とお詫びは一刻も早く」と認識している人は多くいます。

内定をもらったら、その瞬間に書き始める、くらいの気持ちで迅速にお礼状を書き始めましょう。

もしもお礼状を書くのが遅れたらお詫びする

何らかの事情で内定通知のお礼状をすぐに遅れなかった場合は、お礼状の中でそのことについて簡潔にお詫びをしましょう。

「お礼が遅くなり大変失礼をいたしました」「諸事情によりお礼が遅くなりましたこと、深くお詫び申し上げます」などと書き添えておけば、少し印象が良いかもしれません。

内定通知のお礼状の書き方

内定通知のお礼状は、普段友人とやりとりするような気軽な手紙ではありません。自分がこれから働く企業の担当者宛であることと、自分を採用すると決めてくれた企業へのお礼状であるということを念頭に置いて書くようにしましょう。

内定通知は基本的には縦書き

内定通知のお礼状は、基本的には「縦書き」です。これは日本の慣習であり、横書きがいけないということではありません。

しかし、ビジネスシーンではお礼状と言えば縦書き、という概念が広く浸透しているので特別な事情がない限りは縦書きの方が良いでしょう。

内定通知はパソコンで作成しても良い

普段字をあまり書かない人にとって、手書きのお礼状を企業宛に書くというのは大変なプレッシャーかもしれません。結論から言えば、内定通知のお礼状を、パソコンで書いても問題はないようです

しかし、お礼状は言葉通り、お礼を伝える手紙です。書いた人の感情が見える手書きの方が喜ばれる、という意見も一定数あります。

手書きで書く場合は、黒ボールペンで丁寧に書くことを意識しましょう。字の上手い下手よりも、一文字一文字丁寧に書かれたお礼状の方が存在感があるものです。

内定通知のお礼状の内容

内定通知のお礼状を書こうとしても、何をどのように書けば良いのかわからないという人がほとんどかもしれません。内定通知のお礼状に決まった書き方はありませんが、ある程度何をどのように書けば良いのかということがわかれば、少し書きやすくなるでしょう。

①頭語と結語を使う

内定通知のお礼状はビジネスレターのひとつです。そのため「頭語」と「結語」を使います

頭語と結語とは、手紙の最初と最後に来る挨拶のようなものです。頭語と結語を使うことで手紙の最初と最後で頭を下げて挨拶をする様子を伝えることができます。

頭語と結語は「前略・草々」「拝啓・敬具」などさまざまありますが、内定通知のお礼状に使うのは主に「謹啓・敬白」または「謹啓・謹白」です。

 

「謹啓」を使った挨拶は、手紙の中でも特に丁寧な手紙に使われます。結語は「敬白」でも「謹白」でも構いません。

②時候の挨拶

頭語の次の行には「時候の挨拶」を書きます。時候の挨拶は季節によってさまざまありますが、内定通知のお礼状の場合は「時下ますますご盛栄のことと心よりお喜び申し上げます」などが一般的です。

この挨拶は決まり文句ですが、意味は「今このときも御社はますます栄えていることでしょう」というもので、ビジネスシーンでは頻繁に使われる定型文です。

他にも企業向けの時候の挨拶としては「時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます」「貴社ご隆盛のこととお喜び申し上げます」なども使うことができます。

③採用のお礼

ここから本題の「内定通知のお礼」に入ります。この部分は定型文にとらわれすぎると形式的な手紙となってしまうため、ある程度は自分の言葉で書いた方が良いかもしれません。

「望外の嬉しい知らせに家族ともども大変喜んでおります」「面接を思い返しては自分の意思を人に伝える難しさと楽しさを実感しておりました」「貴社からの採用通知をいただき、より一層気を引き締めた次第です」など、自分がこれまでどのように過ごしていたか、どんな風に喜んでいるか、などを言葉にするのも良いでしょう。

ただし、言葉には注意をしてください。「すごくうれしい」ではなく「大変嬉しく」、「頑張ります」ではなく「精一杯努力いたします」など、ビジネスマンらしい文章で綴ることが大切です。

④必要に応じた連絡事項

特になければ書く必要はありませんが、提出書類を一緒に送る場合や、必要書類提出の時期などについて伝えたいことがあればここで書きます。

「つきましては早速必要書類をお送りいたします。何卒ご査収のほどお願い申し上げます」「必要書類につきましては、現在準備中でございます。〇月〇日にはお送りできますので、今しばらくお待ちくださいますようお願い申し上げます」など、状況にあわせて書きましょう。

なお、この部分はあくまでも「書き添える程度」の内容であることが大切です。込み入った事情や、細かく伝えておかなければならないことが他にもある場合は、電話で直接伝えるか、別の手紙として送るようにしてください。

⑤締めのお礼

内定通知のお礼状の最後は、改めてお礼を伝えて終わります。

「略儀ながら書中にて御礼申し上げます」「まずはお礼を申し上げたくお便りいたしました」など、もちろん会ってお礼を言いたいけれど、そのときが待ちきれず手紙を送りました、ということが伝わる文章で手紙を締めましょう。

なお、「取り急ぎ」という言葉は実際のビジネスシーンでは頻繁に使われる言葉ですが、内定通知のお礼など改まった場ではあまり使いません。

⑥日付と自分の名前

本文が終わり、結語を入れたら、その次の行に上から2文字分ほど空けて手紙を書いた日付を入れます。日付は和暦で書いてください。

その次の行には、自分の名前を書きます。所属している学校名や学部名があれば一緒に書きましょう。

なお、自分の名前や大学名は便箋の一番下、横書きなら一番右端に来るように書きます。

⑦相手の会社名と名前

最後に、このお礼状を宛てる人の会社名と名前を書きましょう。この部分は自分の名前とは逆で、便箋の一番上、横書きなら一番左端に書きます。

「〇〇株式会社 〇〇部 〇〇××様」「〇〇株式会社 採用担当者様」など、「様」を使って書くようにしてください。一般的に部や課に宛てて書くときは「〇〇部御中」など御中を使いますが、お礼状は名前がわからなくても「採用担当者様」とすることができます。

「様」があれば「御中」は不要です。この辺りはビジネスマナーの基本ですので、きちんと守って書きましょう。

内定通知のお礼状例文

謹啓
時下ますますご盛栄のこととお喜び申し上げます。
この度は、採用内定のご通知を頂きまして、誠にありがとうございます。
来春より貴社の社員として仕事ができると思いますと、期待に胸が高鳴り、また身の引き締まる思いがいたします。
今後とも何卒ご指導のほどお願い申し上げます。つきましては、早速、提出書類を送らせて頂きますのでご査収ください。
略儀ながらまずは書中にて御礼申し上げます。

謹白

令和元年7月5日

□□大学□□学部 □□学科4年 吉野次郎

株式会社□□□ 人事部
採用課長 坂東太郎様

謹啓
貴社ご盛栄のこととお喜び申し上げます。
この度は、採用内定のご通知を頂きまして、誠にありがとうございます。
お蔭様で、両親にも祝福してもらい、良い親孝行になりました。
また、これで落ち着いて卒論の作成に打ち込むことができます。
採用内定を頂きましたことに重ねて御礼申し上げます。なお、早速に提出書類を送らせて頂きますのでご査収ください。
まずはお礼を申し上げたくお便りいたしました。

敬白

令和元年7月15日

□□大学□□学部 □□学科4年 吉野次郎

株式会社□□□ 人事部
採用課長 坂東太郎様
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