ご高覧 の意味と使い方・例文

ご高覧 の意味と使い方・例文

ご高覧とは、相手を敬って使う「見る」の敬語表現です。「ご高覧ください」、「ご高覧いただく」という丁寧な表現のほかに、「ご高覧に供する」(ご覧いただくの意)という定型句的な表現もよく用いられます。

ご高覧の例文

旅の思い出に写真集を作りました。ご高覧くださいませ。
モノクロ写真のみの展示ですが、ご高覧いただければ幸いと存じます。
詳細につきましては、同封の資料をご高覧頂きたく存じます。
ご高覧いただきました皆様には、カフェルームでの新作メニューの試食もお楽しみ頂きます。
この度ご高覧に供します作品は、作者がパリ留学の際に制作した未発表の秀作です。

「ご高覧」を使う時の注意点

「ご高覧」という言葉は、目上の人へ「見てください」と動作を促す敬語です。

主に文章内で使われる言葉で、口頭では「ご覧ください」とされることが多いでしょう。

また「ご高覧」という言葉は、主には何かしら「完成したもの」について使われます。たとえば、自社の新しいパンフレットが完成した時や、社員旅行の写真ができあがった時などです。

「ご高覧」にはあくまでも「見る」という意味しかありませんので、「見た上で確認をして欲しい」「見た上で意見が欲しい」という時には「ご査収」「ご精査」など別の言葉を使うことになります。

ちなみに「ご高覧」も「ご覧」も「見て」という意味は同じですが、自分と同等や下の人へは「ご高覧」は使いません。同僚や部下などへは「ご覧ください」「ご確認ください」などに留めます。

「ご高覧」の類語

「ご高覧」と似た言葉に「ご笑覧」という言葉があります。文字の通り「笑って見てください」という意味です。

主には自分の作成物などについて使われます。この「笑」という文字には「つまらないものですが、ぜひ笑ってやってください」というニュアンスが含まれており、謙遜の気持ちを表します。

自分で描いた絵や、自分で作った焼き物、自分のブログなど、どちらかと言えば趣味の領域にあるものを相手へ見てもらいたい時に使われる言葉ですので、笑うことが相応しくない場面では使うことはできません

たとえば、自分が思いついて作成した企画書などは、自社の業績に関わるものですし、仕事上のことですので、笑って見ていられるようなものではないでしょう。その場合は「ご検討いただければ幸いです」など、別の言葉を添えます。

「ご高覧」の言い換え

「ご高覧」と同じ意味で使われる言葉に「ご清覧」があります。この「ご清覧」も「見てください」を目上の人へ向けた敬語表現です。

相手へ敬意を持って「見て欲しい」という気持ちを伝える言葉ですので、状況にあっていれば、どちらを使っても構いません。

しかし、この「ご清覧」という言葉は使われる頻度が低く、同じ状況であれば「ご高覧」が使われることがほとんどです。そのため、自分で使うことはなくても、相手が「ご清覧」という言葉を文章内に使っていた場合に、その意味を理解できれば問題ありません。

また「ご清覧」の延長で「ご精読」という言葉もあります。

この「ご精読」は「読む」という言葉の敬語です。相手に何か読んで欲しい本などを送るときに使われることがあります。注意したいのは「精」という文字です。

「ご清覧」は「清」ですが「ご精読」は「精」ですので、間違いのないようにしましょう。

さらには「精」は「精密」という言葉もあるように「実に細かく、注意深く」という意味を持つ言葉です。

場合によっては「ご精読」と書くことで、押しつけがましい印象になることもありますので、判断が難しい場合は「お納めください」などに留めておいた方が良いでしょう。