知らないとヤバイ「比喩・暗喩」の意味と例文

比喩・暗喩の意味とは

比喩は、元来、「譬喩」(ひゆ)と表記されてきました。「譬」も「喩」も「たとえ」と訓読みし、どちらも異なる物事を引き合いに出して分かりやすく説明することを意味します。

現在の比喩は、「譬」に代えて同音の「比」を使用して表記したものですが、その意味は同じです。すなわち、ある物事に言及するとき、異なる物事の類似点を引き合いに出して分かりやすく表現することです。

比喩表現には、直喩と暗喩の2種類があります。

比喩(直喩)の例文

直喩(ちょくゆ)は、古くは「肌の白きこと雪の如し」や「白昼の如き天空」(夜空の場合)などと表現されましたが、現代ではそれが「雪のように白い肌」や「昼間みたいな空」と表現されます。

「のような」や「みたいな」(または、「のように」・「みたいに」)によって比喩表現であることを明らかに示している点が直喩の特徴であり、明喩とも呼ばれます
緑の絨毯みたいな芝生の庭に憧れて、思い切って高麗芝を植えました。きれいに保つために手入れがけっこう大変ですが、楽しい日課が増えました。裸足で芝生の庭に出ると、気持ちいいですよ。
その生徒は、子猫が飼い主を仰ぎ見るように私をじっと見つめ続けた。不安そうに真剣なまなざしで、いつまでも視線をそらそうとしない。息苦しいほど強い視線だったが、私が笑顔を見せると同じ笑顔で返してくれるのが救いだった。
火炎のような夕雲が大平原の西の空に湧き立っていました。北米インディアンの偉大な戦士シッティング・ブルも見たという雷鳴神の化身「サンダーバード」とは、このような光景だったのかもしれません。
私たちは監視の目がないことを確かめてから岸辺の小さなボートに乗り込み、私がオールを握って漕ぎはじめました。仕事帰りの漁師を装って、鏡のような湖面を波立てないように、静かにゆっくりと進みました。中立国のスウェーデンはもう目の前でした。
普段の彼は修道僧のように敬虔な祈りを捧げ、罪人たちに対しても慈悲深い正教徒だった。しかし、いったん怒りを露わにすると雷のような声を宮殿中に轟かせ、野蛮なルス族の暴君へと変貌した。その恐ろしさから、彼は「雷帝」と呼ばれた。

比喩(暗喩)の例文

一方、暗喩(あんゆ)は隠喩(いんゆ)とも呼ばれ、例える名詞と例えられる名詞を助詞の「の」で接続するだけの比喩表現です。

たとえる言葉の後に「のような」や「みたいな」を置かず、比喩表現であることを強調しない点が特徴的です。

ただし、前記の直喩の説明で使用したフレーズの中の「のような」や「みたいな」を「の」に代えれば暗喩になるとは限りません。

例えば、「雪の肌」は暗喩として通用しそうですが、「昼間の空」では暗喩になりません。暗喩を使うときは、よく古くからの慣用表現が用いられます。オリジナルで暗喩を考える場合は、読む人に意味が正確に伝わるよう配慮することと、センスの良い言葉の組み合わせが必要です。

残暑もようやく一段落して、いよいよ錦繍の秋到来ですね。去年は日光へ行きましたから、今年は白いロマンスカーで箱根に行きませんか。皆さんのご都合の良い時期を教えてください。
このテキサス男は20世紀のアメリカが生んだ最大の資本家であり、「資本主義の巨人」と呼ばれた。実際、活動的なスポーツマンでもあった彼は、長身で鋼の肉体をもつ大男だった。しかし、見かけにそぐわないガラスの心の持ち主でもあった。
ハワイでの大勝利の報道に誰もが不安を覚え、大変なことになったと思ったに違いない。その夜の銀座は人影もまばらだった。宵の口だというのに灯火管制で明かりの見えない商店や食堂が多かった。私は、用事を早々に済ませると、鉛の空の下を暗澹たる気分で家路についた。
冷戦時代に鉄の結束を誇ったワルシャワ条約機構だったが、まず、1968年に当時のチェコスロバキア、現在のチェコ共和国で体制のほころびが顕著になる。チェコ人が広範な自治と自由で豊かな生活を求め、ソ連支配と汎スラブ主義の政府に反対する「プラハの春」を実現した。
エリザベスは、ローリー卿の帆船に同乗して新天地への航海をしたいと密かに望んだ。しかし、ローリー卿は女をけっして船に乗せない航海者であり探検家であった。エリザベスの女官を勤めた女性を愛し、彼の帰りを港で待っていてくれるその女性と結婚した。