「了承」 の意味と使い方!了解・承知・承諾との違いや例文

「了承」の意味とは

「了承(りょうしょう)」とは、物事を受け入れて、引き受けるという意味です。主には相手からもらった連絡や指示に対しての、返事として使われます。

「了」は了解・納得することを意味し、「承」は「承(うけたまわ)る」という意味で、2つを合わせて「納得して承る」です。

この「承る」とは「引き受ける」と言い換えることもできます。つまり、相手からの依頼などに対して「了承」という返事をすると、依頼を引き受けたということになることを知っておきましょう。

「了承」の使い方

「了承」という言葉は、自分や相手が、その内容を理解して引き受ける場面などで使います。自分について使う場合と、相手について使う場合では、言い回しが変わることを知っておきましょう。

自分が「了承」したことを伝える場合

相手からの依頼や相談などに、自分が納得して承る場合には「了承いたしました」と、丁寧語と組み合わせて使います。

「ご依頼の件につきましては了承いたしました」「先日ご連絡いただいた内容で了承しました」「詳細が分かり次第、問題がなければ了承いたします」など、時制によって語尾を変えると良いでしょう。

「了承」は「承る」というへりくだった意味が含まれていますので、「了承」「了承した」など丁寧語が付かない状態では使いません。

相手の「了承」を意味する場合

自分が相手に何かを依頼する場合、多く使われるのが「ご了承ください」という表現です。「ご了承ください」とは、「納得して受け入れてください」という意味で、相手へ理解してもらうことを促す言い方です。

「受付は午後8時までですのでご了承ください」であれば、受付時間が午後8時までであり、その現実を受け入れてくださいという意味です。「ご連絡は電話にて行いますので、ご了承いただければ幸いです」なども、「了承」より前の文章についての理解を求めています。

相手の了承を意味する場合の「了承」は「ご了承」とすることが通常です。これは「了承」が本来謙譲語であることを鑑みて、丁寧語の「ご」を付けることでバランスを取っています。

「了承」の例文

はい、了承致しました。
ご提案の件、確かに了承致しました。
概ね了承致しましたが、第3項の内容には賛同致しかねます。
協会の了承を得ずに決定されたことは甚だ遺憾であります。
変更点は以上ですが、ご了承頂けますようお願い申し上げます。
期日までにご返答なき場合は、ご了承頂いたものとして手続きを進めさせて頂きます。

「了承」の言い換えに使える類語

「了承」には、似た意味を持つ言葉がいくつかあります。相手との関係性や状況などによって、適した言葉を選ぶようにしましょう。

「了解」

「了解」とは「理解しました」という意味です。相手からの指示などについて「了解です」と返事をした場合は、その事について理解をしました、という意味になります。

今日、佐藤さんは風邪でお休みです→了解しました

明日のご予約は5組です、各自にお願いしたい仕事をメールで送っているので見ておいてください→了解しました(この場合、メールの内容についてはまだ了解はしていない)

「了解」には了承のような「承る」という意味までは含まれていないので、指示を受け入れたかどうかまでは表すことができません。

また「了解」は、基本的には目上の人に向けては使わない言葉です。目上の人に返事をするときは、相手からの指示などを受け入れたのかどうかまで含めたものにすることがマナーです。

「承知」

「承知」とは「わかりました」という意味です。相手からの指示などについて「承知しました」と返事をした場合は、その指示の内容を理解したという意味になります。

今日は佐藤さんが風邪でお休みなので、田中さんが代理をしてください→承知しました

明日のご予約は5組です、佐藤さんにはお客様のお迎えをお願いします→承知しました

意味は「了解」とほぼ同じですが、了承と同じように「承」という文字を含んでいるため、謙譲語表現として機能します。そのため、敬語としても使えます。

目上の人の言うことを理解できた、と伝えたい場合は「承知しました」または「承知いたしました」と応えると良いでしょう。

「かしこまりました」

日常で頻繁に使われる「かしこまりました」は、「わかりました」という意味と「受け入れました」という意味を併せ持っています。

今日は佐藤さんが風邪でお休みなので、田中さんに代理をお願いしてもいいですか→かしこまりました、では佐藤さんの業務内容を教えてください
(代理をする=佐藤さんの仕事内容を把握して行うところまで受け入れている)

目上の人からの指示などに対して「かしこまりました」と返事をすれば、理解をした上でその指示に従うというところまで伝えることができます。とても丁寧な了承を意味する表現です。

ビジネスシーンでは、相手からの指示などについて、特に疑問や異論がなければ「かしこまりました」と返事をすることが推奨されています。

「承諾」

「承諾(しょうだく)」は、「了承」と非常に似た意味を持つ言葉です。「承(受けて)諾(承知する)」と書くように、相手の言うことを聞き入れて理解し、受け入れるところまでを表します。

契約内容に問題がなければ、この内容でご承諾のサインをお願いいたします

次回の会長選挙に立候補いただくことは、院長にはすでに承諾いただいています

「承諾」は口頭での会話でも使うことができますが、どちらかと言えば文章で使う言葉です。「承諾書」など、文書の題名になることもあります。

「承諾」を目上の人へ向けて使う場合は、丁寧語の「ご」をつけて「ご承諾」とします。「ご承諾」は敬語ではないため、「ご承諾いただく」など、後に敬語をつけて使わなければなりません。

「快諾」

「快諾(かいだく)」とは、「承諾」と基本的には同じ意味です。違いは「快(く)諾(受け入れる)」という点です。

先方に例の件をご提案したところ、快諾していただきました

今回はご快諾いただき、誠にありがとうございます

この「快諾」が持つ言葉のイメージは人によって異なる場合があります。少なくとも、相手が熟考を重ねて受け入れた場合や、特に快く引き受けられた印象がない場合は「承諾」を使った方が無難です。

 

相手が「受けて承知する」という意味自体は「快諾」も同じです。その引き受け方が「気持ちよく、速やかに、問題なく」であり、その様子を言葉にしたい場合に「快諾」を使います。