手紙での贈り物の呼び方 種類と例文

手紙での贈り物の呼び方の種類

礼状、祝い状、見舞状などで贈り物について書くときの贈り物の呼び方を説明します。なお、お中元とお歳暮はそのままの名称で書きます。

「お礼」「お礼の品」

相手からの厚意に対する感謝の贈り物について書くとき、ごく一般的に用いられている呼び方です。相手の気持ちや行動に対してのお礼の印として、物を贈る場合に使われる呼び方で、日常的に用いることができます。

自分や自分の身内のことを気遣ってくれたお礼や、お祝いをしてくれたお礼、弔問をしてくれたお礼、日頃からの感謝の気持ちを表すお礼など、お礼に定義はありません。

自分が「先方の言葉や行動がありがたい」と感じたときであれば、自由に使うことができる呼び方です。

「お礼」という言葉を「御礼」と漢字で書くこともできます。漢字とひらがなで、どちらが正しいということはありません。しかし、一般的には「お礼」よりも「御礼」の方が、フォーマルな印象を持ってもらいやすいようです。

先日は事務所の移転作業でお力添えをいただき、誠にありがとうございました。加藤様にはいつも何かとご支援を賜り、心より感謝いたしております。お口に合うかわかりませんが(気に入っていただけるかわかりませんが)お礼の品を宅配便でお送りしましたので、どうぞお納めください。

「お祝い」「お祝いの品」

お祝い事があった人に祝福の気持ちで贈る品物のことを書くとき、もっとも一般的に使われている呼び方です。相手に訪れた幸運を祝う気持ちを、物にして贈ります。

自分がお世話になっている人や、日頃から付き合いのある人が結婚をしたり、出産をしたり、家を建てたり、昇進をしたりと、お祝いできることであれば「お祝い」「お祝いの品」を使うことができます。

もちろん「ご結婚祝い」「ご出産祝い」などを使っても構いませんが、あまり仰々しくお祝いの品を渡したくない(相手に気を使わせたくない)のであれば、「お祝い」などが良いでしょう。

この「お祝い」の場合も、漢字で「御祝い」または「御祝」とすることができます。やはり、ひらがなよりも漢字の方がフォーマルな印象で受け取ってもらえるでしょう。

この度は、ご就職おめでとうございます。第一志望の会社に入ることが出来て、本当に良かったですね。
勉君が気に入っていた腕時計をお祝いの品として贈ります。大切に使ってください。

「内祝い」「内祝いの品」

内祝いとは、結婚や出産、入学など慶事のときに親族や親しい知人に振る舞う品物のことです。基本的には、金銭や品物でお祝いをしてくれた人に対して贈ります。

結婚の内祝いは「披露宴をしておらず、個人的にお祝いをくれた人」「披露宴をしたが、当日都合がつかず出席できなかった人で、お祝いをしてくれた人」へ、結婚や披露宴の後に贈ります。出産や入学については、個人的に金銭や品物で祝ってくれた人について贈ります。

注意
「内祝い」という言葉から、慶事を知らせていない人や、お祝いをしていない人に勝手に贈って良い、と誤解をすることがあります。しかし、それはお祝いの催促ととられかねませんし、そもそもの意味が異なります。

「内祝い(の品)」は「お祝いをしてくれた人へのお返し」と認識しておきましょう。

この度は、私たちの婚儀に際してお心のこもったご祝詞とお品を頂戴し、誠にありがとうございます。感謝のおしるしも兼ねてささやかながら内祝いの品をお贈りします。どうぞお納めくださいませ。

「お見舞い」「お見舞いの品」

暑中・残暑・寒中など季節のお見舞いで贈る品物や、病気・入院・災害などのお見舞いとして贈る金品のことです。「お見舞い」は、こちらが相手を気遣って贈るものなので、基本的にはどのように書いても問題はありません。

「お見舞い」という言葉を使わず、「よろしければ召し上がってください」「お役立ていただければ幸いです」など、自分が相手にどのように受け取ってほしいか、ということをそのまま文章にすることも可能です。

しかし、自分が相手からお見舞いをされた側である場合は「お見舞いの品をいただき、誠にありがとうございました」など、「お見舞い」という言葉を使うようにしましょう。

一日も早いご本復を心よりお祈り申し上げます。なお、気持ちばかりですが、お見舞いの品を別便にてお贈り致しました。どうぞお納めください。

「志」「寸志」

「志(こころざし)」は、相手への厚意や感謝の気持ちを意味する言葉です。そこから、そのような気持ちで贈る金品のことも「志」と呼ぶようになりました。相手から贈り物を受け取ったときのお礼状の中では、「お志」と書きます。

「志」を日常で使うシーンはさまざまありますが、法要に参加してくれた人へのお礼や、葬儀後に贈るお礼なども「志」が用いられることがあります。

「寸志(すんし)」は自分の「志」をへりくだって言うときの呼び方です。「心ばかりの贈り物」「ささやかな贈り物」という意味を持って居ます。へりくだった謙譲語であるため、本来、目上か自分と対等の相手に贈るときの言葉です。

目下に贈る場合は「寸志」ではなく具体的な呼び名を使います。自分が相手から受け取った贈り物に「寸志」と書かれていたとしても「お気遣いをいただき」「大変ありがたく頂戴いたしました」など、他の言葉を使うようにします。

絵画展を無事開催できましたのは、ひとえに皆様のご協力のお蔭でございます。心より御礼を申し上げます。
つきましては、ほんのですが、感謝のしるしとして当地の銘菓をお送り致しましたので、どうぞ皆様でお召し上がりください。

この度は大変お世話になりました。お送りした品は寸志ですが、どうぞお納めください。

「餞」「餞別」

「餞(はなむけ)」「餞別(せんべつ)」は、いずれも別れの挨拶に贈る金品のことです。

昔は親しい人が遠くへ旅立つときや二度と戻らない別れをするときに、永の別れのしるしとして金品を贈る習慣があり、これを「餞」または「餞別」と言っていました。現在では、引越し・転勤・転職・退職などでお別れする人への贈り物です。

注意
基本的には「餞」「餞別」は、贈る側が使う言葉です。受け取った側は「餞」「餞別」という言葉は使いません。

「お別れの品までいただきありがとうございました」など、別の言葉で表すようにしましょう。

転勤先での活躍を期待しているよ、これは餞別代りです。良かったら使ってください。

「お返し」「お返しの品」

贈り物を受け取ったときの返礼品全般に使用できる言葉です。相手から厚意を受けたお返しに、お礼の品を贈るときに使います。「お返し」「お返しの品」は、特に使ってはならない場面はありません。

極力は「お礼の品」「お祝いの品」「お見舞い」「志」など、これまでに出てきた呼び方を使った方が丁寧です。

反対に気心の知れた友人や、身内へのちょっとしたお礼などであれば、あまり仰々しくならないように「お返しの品」などと簡単にすることもあります。

翠ちゃんの可愛い笑顔や成長の様子を見るのが楽しみです。次回のフォトブックも、よろしくお願いします。
気持ちだけですが、お返しに大好きなお菓子を宅急便で送りました。ご笑納ください。