お車代・御膳料の書き方と相場

お車代・御膳料の封筒と書き方

お通夜や葬儀、法事法要の「お車代(おくるまだい)」とは、葬儀や通夜・法要に来た僧侶や神官へ渡す交通費のことです。

御膳料(おぜんりょう)」とは、「通夜ぶるまい(通夜の際、弔問客へ振る舞う食事)」や「法要の後の会食」を喪家の事情でしない場合、もしくは多忙などの理由で僧侶が辞退した場合に、僧侶へ渡す食事代のことを指します。

お車代・御膳料はどちらも宗教家へのお礼として渡す金銭です。

白い無地封筒に入れて渡す

僧侶や神官へ渡すお車代・御膳料は、白無地の封筒に入れて渡します。「お布施」と同様に、水引やのしは不要です。

封筒の表には「お車代」または「御車代」と黒い筆文字で書きます。「お車代」「御膳料」と書いた下には、喪主や代表者の名前を書きます。

複数の書籍では「お布施は喪主・代表者のフルネームを記載」とありますが、「お車代」「御膳料」については細かい記載が見当たりません。そのため、表書きは「お車代 山田」「御膳料 山田」など、名字だけでも良いようです。

しかし法要が多いシーズンは、同じ名字の檀家と間違えられる可能性もあるでしょう。念のためと考えて、フルネームを書いた方が無難と思います。

お車代・御膳料の相場は5,000円~10,000円

お車代・御膳料は厳密な交通費・食事代ではなく、おおよその金額です。
書籍「冠婚葬祭お金とマナー(主婦の友社)」によると、お車代・御膳料ともに目安は5,000円~10,000円でした。

できるだけ新札で、5千円札・1万円札を使うようにしましょう。

ただし、僧侶や神官が遠方から来る場合のお車代は、5,000円や10,000円では足りない可能性があります。僧侶や神官に直接必要な金額を聞いた方が良いでしょう。

お車代・御膳料はお布施と別封筒で一緒に渡す

お車代・御膳料は、それぞれお布施とは別の封筒に入れて用意します。別の封筒に入れたお車代・御膳料はお布施と一緒に渡します。お布施を渡すときに、お布施の下にお車代と御膳料が来るように重ねて置くと良いでしょう。

書籍(三越伊勢丹の儀式110番(誠文堂新光社))には、「お布施の封筒とお車代・御膳料の封筒を並べたときに、「お布施」に比べて目立たない封筒(大きさや紙の素材)を使うと良い」と記載があります。

極端に小さくて地味な封筒を使う必要はありませんが、少なくとも「お布施」よりも目立つ封筒は使わないようにしましょう。

宗教家の元で行う葬儀や法要にお車代は要らない

葬儀や法要を寺や神社・教会で行うのであれば「お車代」は要りません。宗教家に交通費が発生しないためです。

「お車代」は文字通り、宗教家が檀家の家や会場を訪れるまでに必要な車代(交通費)のことです。宗教家がもともと居るところへ、檀家が出向くのであればお車代は不要です。

「三越伊勢丹の儀式110番(誠文堂新光社)」にも「わざわざ来ていただいた場合には「お車代」を」と記載があります。宗教家の元で執り行うのであれば、これには該当しないため「お車代」は要りません。

檀家が宗教家の送迎をする場合もお車代は不要

書籍では、葬儀や法要を執り行う場所まで、檀家が宗教家を送迎する場合も「お車代」は要らないとされています。檀家やその関係者が、僧侶や神官を車で送り迎えをするのであれば、宗教家が出す交通費は発生しないからです。

ただし「宗教家が遠方から電車などで来て、駅まで檀家が送迎する」などであれば、宗教家には電車の交通費が発生していますので、お車代を渡す必要があります。

僧侶も通夜ぶるまいを食べた場合は御膳料は不要

御膳料は、先にお伝えした通り「通夜ぶるまい(通夜の際、弔問客へ振る舞う食事)」を喪家の事情でしない場合、もしくは通夜ぶるまいを僧侶が辞退した場合に、僧侶へ渡す食事代」です。

そのため、喪家が通夜ぶるまいを用意しており、僧侶も通夜ぶるまいを一緒に食べた場合は「御膳料」は要りません。

あくまでも、何らかの事情によって僧侶が食べずに帰る場合にのみ渡すお礼、と覚えておきましょう。

お車代・御膳料の裏書はしない

お車代・御膳料は、お布施と同様に「相手からのお返しを想定しないお礼・支払い」です。そのため、封筒の裏書(氏名や住所・電話番号など)はしません。

香典には「香典返し」というお礼がありますし、お祝いにも「お祝い返し」というお返しがあります。そのため香典やお祝いを入れた封筒の裏には、裏書をするのが一般的です。
お車代やお布施・御膳料は、宗教家への「お礼」または必要な交通費・食事代の「支払い」であるため、封筒の裏には何も書きません(冠婚葬祭お金とマナー(主婦の友社))。

お札の入れ方は封筒の口に肖像画が来るように

封筒に入れるお金は、お布施と同様に「封筒の口の方に肖像画が来る」「向かって封筒の左側に肖像画が向く」が正しい入れ方です。
複数枚の紙幣を入れる場合は、お札の向きを揃えてすべてのお札が同じ方向を向くようにしましょう。