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ご指導ご鞭撻のほど の意味と使い方・例文
「ご指導ご鞭撻のほど」とは、「指導や激励など」という意味合いです。このフレーズは、普通、「ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます」という形で用います。
目上の人や顧客に対して引き続き変わらないお付き合いを望むときの常套句です。
「指導」は文字通り「教え導く」という意味。「鞭撻」は「鞭打つ」という意味です。
ただし、古めかしい言葉遣いを避けたいときは、「ご指導をよろしくお願いいたします」とすれば良いでしょう。
ご指導ご鞭撻の例文
このたびの社員研修は、今までにない新しい試みでありましたので試行錯誤の連続でしたが、一人の不合格者もなく終了することができました。これもひとえに講師各位のご指導ご鞭撻の賜物と、心から御礼申し上げます。
これは間違い!
「ご指導ご鞭撻のほど」は誰のことについてお願いする言葉か
「ご指導ご鞭撻のほど、お願い申し上げます」という言葉は「自分や自分の身内に対して、厳しく指導をしてほしい」という意味で使われます。
結婚式などで、両親が「まだ若い二人でございますので、皆様方には今後ともご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます」などのセリフが使われますが、これは「自分の身内である二人」への指導を依頼しています。
しかし、同じ自分の身内であっても「自分よりも目上の人に対して」は使いません。
「今後も父が何かとご迷惑をおかけするかと存じますが、何卒よろしくお願い申し上げます」などにとどめます。これは「父」は「自分」よりも年上であるためです。
「ご指導ご鞭撻のほど」の類語・別の言い方・言い換え
「ご指導ご鞭撻のほど」という言葉は、とても厳格な表現であるため、フォーマルな場面には適していますが、相手や状況によっては「少し堅苦しい」と感じることもあります。そこで「ご指導ご鞭撻のほど」に代わる言葉をいくつか知っておくと良いでしょう。
「ご指導ください」「ご指南ください」
自分や自分の身内で自分よりも下の立場である者のことを、相手にお願いしたい場合に使える言葉です。
「お導きのほど」
「ご指導」「ご指南」よりも少しフォーマルな印象を出したい時には「お導きのほど」という言葉を使うこともできます。
「ぜひお導きのほどお願い申し上げます」とすれば、「自分(または自分の身内)は、至らないところがまだまだたくさんあるので、あなたに導いてほしい」という気持ちを表すことができます。
いずれの言葉も相手にお願いをするだけでなく「自分(または自分の身内)は未熟な人間であるので、迷惑をかけるかもしれない」という謙虚な気持ちも伝えることができます。
そのため「ご指導ご鞭撻のほど」の真意を知らなければ「何を指導するのだろう」という疑問を持ってしまうことになります。
相手との関係が薄い場合や、自分から指導することは無いだろうと思う場合であっても「ご指導ご鞭撻のほど」という言葉をかけられることはありますので、その時は「こちらこそ、何卒よろしくお願いいたします」などと返しましょう。