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ご指導ご鞭撻のほど の意味
結婚式での挨拶や、式典でのスピーチなどで耳にするフレーズに「ご指導ご鞭撻のほど」があります。
この言葉は使われるシーンから、意味は何となく理解できますが、具体的にどういうことかとまではあまり知られていません。
まずは、以下で「ご指導ご鞭撻のほど」の意味について解説します。
ご指導ご鞭撻のほどとは「指導や激励を」
「ご指導ご鞭撻のほど」とは、「指導や激励」という意味です。このフレーズは、通常「ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願い申し上げます」という形で用います。
目上の人や顧客に対して引き続き変わらないお付き合いを望むときの常套句です。
この場合の「指導」は文字通り「教え導く」という意味で、「鞭撻」とは「鞭を打つ」という意味です。自分や自分の身内の成長のために、相手から呈される苦言や厳しい言葉を「ご指導ご鞭撻のほど」で表します。
堅苦しい言葉遣いを避けたい場合は、「ご指導をよろしくお願いいたします」などがおすすめです。
ご指導ご鞭撻のほどの読み方は「ごしどうごべんたつのほど」
「ご指導ご鞭撻のほど」は、特に「ご鞭撻」の読み方が難しく、何と読むのかわからないという人も多いかもしれません。
ご指導ご鞭撻のほどは「ごしどうごべんたつのほど」と読みます。
間違いやすい読み方としては、「ごしどうごびんたつのほど」「ごしどうごべんたしのほど」などです。読み間違いがないように注意しましょう。
ご指導ご鞭撻の例文
ご指導ご鞭撻のほどの使い方
「ご指導ご鞭撻のほど」は、結婚式のスピーチなどであれば決まり文句として比較的使いやすいでしょう。しかし、日常のビジネスシーンで使うとなると、少し使い方に迷ってしまうかもしれません。
以下では、日常で使う「ご指導ご鞭撻のほど」の使い方について解説します。
「ご指導ご鞭撻のほど」は誰のことについてお願いする言葉か
「ご指導ご鞭撻のほど、お願い申し上げます」という言葉は「自分や自分の身内に対して、厳しく指導をしてほしい」という意味で使われます。
結婚式などで、両親が「まだ若い二人でございますので、皆様方には今後ともご指導ご鞭撻のほどお願い申し上げます」などのセリフが使われますが、これは「自分の身内である二人」への指導を依頼しています。
しかし、同じ自分の身内であっても「自分よりも目上の人に対して」は使いません。
「今後も父が何かとご迷惑をおかけするかと存じますが、何卒よろしくお願い申し上げます」などにとどめます。これは「父」は「自分」よりも年上であるためです。
「ご指導ご鞭撻のほど」は丁寧な言葉と組み合わせる
ご指導ご鞭撻のほど、という言葉は、その後に相手へ向けたお願いやお礼の気持ちを続けて完成します。
主に使われる「ご指導ご鞭撻のほど」の定形フレーズは以下のようなものです。
- ご指導ご鞭撻のほどを賜りますよう
- ご指導ご鞭撻のほどを賜れますと幸いです
- ご指導ご鞭撻のほどいただけますと幸いです
- ご指導ご鞭撻のほど感謝申し上げます
- ご指導ご鞭撻のほどをいただき感謝申し上げます
もちろん、これら以外の言いまわしをすることもできますが、「ご指導ご鞭撻のほど」という、フォーマルな言葉と相性の良い言葉を続けた方が自然なフレーズになります。
「ご指導ご鞭撻のほど」の言い換えに使える類語
「ご指導ご鞭撻のほど」という言葉は、とても厳格な表現であるため、フォーマルな場面には適していますが、相手や状況によっては「少し堅苦しい」と感じることもあります。そこで「ご指導ご鞭撻のほど」に代わる言葉をいくつか知っておくと良いでしょう。
「ご指導ください」「ご指南ください」
自分や自分の身内で自分よりも下の立場である者のことを、相手にお願いしたい場合に使える言葉です。
私は新入社員で知らないことが多く、何かとご迷惑をおかけすると思います、どうかご指導くださいますようお願い申し上げます
娘は社会人になりたてですし、私の教育が行き届いていない部分も多々ございます、ご指南のほどお願い申し上げます
「お導きのほど」
「ご指導」「ご指南」よりも少しフォーマルな印象を出したい時には「お導きのほど」という言葉を使うこともできます。
私はこの業界に暗く、初歩的なことも知らないかもしれません、お手数をおかけしますが、どうかお導きのほどお願いいたします
弊社の田中は何にでも真剣に取り組むという長所がございます、どうか佐藤様にお導きをいただき、使ってやってください
「ぜひお導きのほどお願い申し上げます」とすれば、「自分(または自分の身内)は、至らないところがまだまだたくさんあるので、あなたに導いてほしい」という気持ちを表すことができます。
いずれの言葉も相手にお願いをするだけでなく「自分(または自分の身内)は未熟な人間であるので、迷惑をかけるかもしれない」という謙虚な気持ちも伝えることができます。
そのため「ご指導ご鞭撻のほど」の真意を知らなければ「何を指導するのだろう」という疑問を持ってしまうことになります。
相手との関係が薄い場合や、自分から指導することは無いだろうと思う場合であっても「ご指導ご鞭撻のほど」という言葉をかけられることはありますので、その時は「こちらこそ、何卒よろしくお願いいたします」などと返しましょう。