【例文あり】おかれましてはの意味と使い方

おかれましてはの意味と使い方・例文

「おかれましては」は、敬意を払うべき人名やその他の呼称(企業名・団体名なども含む)を前に置いて、「〜には」という意味になります。

「おかれましては」を漢字で書くときは「於かれましては」ですが、本来の語幹は「置く」であり、それを漢文の「於」(於いてと訓読)に置き換えて、敬語と助詞が二重三重に接続した形になっています。

過剰な敬語表現であり、本来であれば「於かれては」でも良いのですが、「おかれましては」もすでに慣用表現として定着しています。

言葉は理屈ではなく習慣ですので、書簡文やスピーチ原稿において最大限に敬意を込めた文面にしたいときは、遠慮せずに「おかれましては」を使用してください。

【おかれましてはの例文】

相川様に於かれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。
御父君に於かれましては米寿をお迎えの由、誠に大慶至極に存じ上げます。
石川様に於かれましては□□大学学長にご就任の趣、衷心よりお慶び申し上げます。
貴社に於かれましては東証一部への上場を果たされ、祝着至極に存じます。
小川様に於かれましては愈々学業に精励され、物理学者として大成されますよう陰ながらお祈り致しております。

「於かれましては」の使い方

「於かれましては」という言葉は、後に続ける言葉を変えることで様々な場面や内容に使うことができます。

「於かれましては」と使うことで、後の言葉がややありきたりな言葉であっても、非常に丁寧に想いのこもった言葉や文章になります。

手紙の書き出しで使う「於かれましては」

手紙やメールの文頭の挨拶で使う「於かれましては」は、後に「ご清祥」「ご清栄」など相手の繁栄や健康を称える言葉を付け加えて使います。

「皆様に於かれましてはますますご清栄のこととお喜び申し上げます」などとすることで「きっと上手くいっているでしょう」「変わらずお元気でしょう」と、こちらの希望を伝えて、相手を想う気持ちにすることができるのです。

このときに「於かれましては」と一緒に「ますます」という言葉を使うことで「今までもそうでしたが、さらに〜」「一層〜」と、相手を取り巻く状況や環境がこれまでよりも良いものになっているでしょう、と物事が上手く進み続けていることを喜ぶ心情も乗せることができます。

手紙の文末で使う「於かれましては」

「於かれましては」は文頭で使われることが多い言葉ですが、文末の締めとして使うこともできます。

手紙やメールの文末に使われる「ご自愛ください」という、相手の健康を願う言葉に「おかれましては」を使うことで、ありきたりな挨拶ではなく、相手を想って言葉を選んでいる印象を持ってもらいやすくなるでしょう。

「夜は肌寒く感じる日も増えて参りました。季節の変わり目ですのでお風邪など召されませぬよう、皆様方に於かれましてはくれぐれもご自愛ください」などとすることで相手やその周りの方々の健康を気遣う言葉として使うこともできます。

お悔やみで使う「於かれましては」

「於かれましては」という言葉は、おめでたいことや通常のご挨拶以外にも使われます。

たとえば、お悔やみなど掛ける言葉に迷うような場面でも使うことができます。

ご遺族がご逝去された方へのご挨拶やお手紙の中で「○○様におかれましては、御尊父様ご逝去とのこと、さぞお力落としのこととお察しいたします」などとすることで、失礼なく、相手の気持ちに寄りそうことができるでしょう。

お詫びで使う「於かれましては」

相手の気持ちを不快にさせたお詫びの場面でも「於かれましては」を使うことができます。

「○○様に於かれましては、大変ご気分を害されていることと存じます」などとすることで、相手の気持ちを想像し、その気持ちの共感しているということを伝えることができます。

お詫び文の文頭などで使うことで、誠意を持ってお詫び文を書いているという心情を伝えることができます。