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「弄する」の読み方と意味
「弄する」は読み方が難しく、意味を知らないという人も多い言葉です。まずは、「弄する」の意味と読み方について解説します。
「弄する」の読み方は「ろうする」
「弄する」は「ろうする」と読みます。
「弄」は、音読みで「ロウ」、訓読みでは「もてあそ(ぶ)・いじ(る)・あなど(る)・たわむ(れる)」です。
この「弄」の訓読みが、「弄する」の意味とつながっています。
「弄する」とは時間つぶしに何かをする様子
「弄する」には「そうすることが目的であるかのように、時間つぶしに何かをする」という意味があります。
私たちは暇に任せてお喋りを弄した
彼女が休日を買い物に弄するのは、日頃のストレスのせいかもしれない
テスト前の時間をそんなことに弄していないで、勉強をしなさい
「弄する」は、日常で頻繁に聞く言葉ではないかもしれませんが、意味を知らないと内容の見当をつけることが難しい言葉です。
しかし、実際の会話の中では「時間を弄する」という一つのフレーズで使われることも多いため、併せて覚えておくと良いでしょう。
「弄する」のもう一つの意味
「弄する」には、先に解説した意味とは別の意味もあります。それは「自分の目的を達するためにフェアではない方法を講じる」というものです。
彼は虎視眈々と策を弄していた
私はどうしてもライバルに勝ちたい、という一心でさまざまな作戦を弄していました
一般的に正しいとされるだろう、と予想ができるフェアな方法については「弄する」は使えません。
「弄する」の使い方と例文
「弄する」は先に解説したような意味を持っています。日常の実際の会話で、「弄する」を使う場面を例文と一緒に見てみましょう。
目的なく漫然と時間を消費する様子を非難する時
「弄する」の代表的な例としては、何をするともなく漫然とスマホを使い続けたり、お互いが興味のない会話を延々と続けていたりする場面です。
この「弄する」は意味自体がネガティブなため、何かに積極的な集中をしているようなポジティブな場面では使いません。
あなたはどうして毎日時間を弄するようなことばかりしているのですか
私は自分の寂しさを紛らわすために、毎日ギャンブルに弄する毎日を送っていました
目標達成のためにずるい策を講じる様子を表したい時
先に「弄するのもう一つの意味」として解説したように、「弄する」には「フェアではない作戦を講じる」という意味もあります。
この意味での「弄する」は、意味が限定的であるため「弄する」だけでも使える点がポイントです。
私は彼女を出し抜くために、日々弄している
田中さんは今回の契約を取るために弄してばかりいるが、もっと正攻法で行った方が良いと思う
どちらの「弄する」も、「弄する」の前に「作戦・方法」などを入れることもできますし、その方が会話としては自然な場合も多いでしょう。
「弄する」の言い換えに使える類語
以下では「弄する」と似た意味を持つ類義語について解説します。
もてあそぶ(弄ぶ)
「もてあそぶ(弄ぶ)」は「弄する」と同じ漢字を使う言葉です。「弄」という漢字自体に含まれている意味が具体的であるため、「もてあそぶ」も「弄する」と非常に似た意味で使えます。
私たちは暇をもてあそんでお喋りをした
彼女が休日をもてあそぶのは、日頃のストレスのせいかもしれない
テスト前の時間をもてあそんでいないで、勉強をしなさい
消費する
「消費する」は、日常会話でも頻繁に耳にします。この「弄する」の類語として使う場合の「消費する」は、ネガティブな意味で時間が経過していく、というニュアンスです。
私は自分の時間を消費してでも、彼のために何かをしてあげたかったのです
父は少ない睡眠時間を消費して、私の受験勉強を応援してくれていました
あなたはこれ以上、貴重な時間を消費するべきではないと思います
上段から2つの例文は、時間を消費する理由がポジティブな場合の例文です。3つ目はその理由がネガティブなものにしています。
つまり、この意味での「消費する」は時間を弄した意味や理由についてまでネガティブな意味がある、とは言えません。反対に考えれば、「単に時間を費やす」という意味でも「消費する」は使えます。