「くれぐれも」の意味と使い方!くれぐれもお気をつけくださいはOK?

「くれぐれも」の意味と漢字

くれぐれもよろしく、くれぐれも気を付けて、など「くれぐれも」という言葉は頻繁に使われています。しかし、考えてみると「くれぐれも」にどのような意味があるのかわからない、という人は多いかもしれません。

以下では「くれぐれも」の意味と漢字について解説します。

「くれぐれも」には2つの意味がある

「くれぐれも」には、厳密に分けると2つの意味があります。

① 気持ちを込めて依頼する意味での「くれぐれも」

この件はくれぐれも内密にお願いします

君はくれぐれも羽目を外さないように、お酒の量には注意しなさい

妻のことを、くれぐれもよろしくお願いいたします

この「くれぐれも」は懇願や忠告の意味を持っています。「くれぐれも」の後に来る言葉について、相手に深くお願いをしたり、強く忠告をしたりする場合です。

例文から「くれぐれも」を外して読んでみると、各文章の印象の強さが変わることがわかります。

② 繰り返して念を入れる意味での「くれぐれも」

息子にはくれぐれもよく言って聞かせます

あなたのためにくれぐれも言っておくけど、もうこんなことは二度としないでね

季節柄、生ものの賞味期限はくれぐれも守るようにしてください

この「くれぐれも」は、何度も繰り返して伝えたい、という気持ちを表します。何度も、繰り返して、という言葉を「くれぐれも」にしている状態です。

この用法での「くれぐれも」を使うことで、その行為を徹底することを約束する、というニュアンスで使われることが多いでしょう。

「くれぐれも」の漢字は「呉呉も」

「くれぐれも」を漢字で書くと「呉呉も」です。ただし、これは当て字であり、特に漢字に意味はありません

そのため、文章内でも「呉呉も」と書く必要は特になく、特段の事情やこだわりがなければ「くれぐれも」とひらがなで書くのが無難でしょう。

「くれぐれも」の使い方と例文

次に、「くれぐれも」の使い方を例文と一緒に解説します。

「くれぐれも」は目上の人へも使える

「くれぐれも」は、目上の人に向けて使っても特に問題はありません。目上のその人について使う「くれぐれも」だけでなく、第三者へ対する「くれぐれも」も、どちらも目上の人へ使えます

「くれぐれも」は依頼や気持ちを強調する言葉です。目上の人に何かを強調することに抵抗を感じる人もいるかもしれません。

しかし、仕事上での依頼や相手を気遣う場面では、あえて強調することで相手を敬ったり、気持ちを伝えたりすることができます。

「くれぐれもお体に気を付けてください」「今後ともくれぐれもよろしくお願いします」などがその代表的な例でしょう。

「くれぐれもお気をつけください」は相手を気遣う言葉

先にも触れましたが「くれぐれもお気をつけください」は、目上の人の健康を気遣う言葉です。

課長、くれぐれも無理しないでください、私にできることなら何でもお手伝いします

皆さん、休暇中はくれぐれもお気をつけてお過ごしください

(文末で)寒さが続いております、くれぐれもご自愛ください

目上の人や、文章内で知人や友人に向けて、半ば強制的に体調を気遣って欲しい、と伝えるのも気遣いのひとつの形です。

この場合の「くれぐれも」には、「あなたに何かあったらとても困る・悲しい、それくらい大切に思っています」というニュアンスが含まれています。

「くれぐれもよろしくお伝えください」で挨拶を依頼する

ビジネスシーンで非常に頻繁に使われているのが「くれぐれもよろしくお伝えください」です。これはビジネスシーンでの決まり文句のようなもので、「相手と関連のある人への挨拶を依頼するフレーズ」として知られています。

それではここで失礼いたします、田中様にどうぞくれぐれもよろしくお伝えください

佐藤部長とはしばらくお会いできておりませんが、どうかくれぐれもよろしくお伝えください

A社の田中さんが、課長にくれぐれもよろしくお伝えください、とのことでした

「くれぐれも」を使わずに「よろしくお伝えください」と言っても意味は通じます。しかし、「くれぐれも」を使った方が「絶対によろしく伝えてくださいね」という、強い気持ちを伝えられます。

それはすなわち、「(挨拶を伝えたい相手に対して)失礼があってはいけないという気持ちの強さ」を表します。

「くれぐれも」の言い換えに使える類語

次に「くれぐれも」と似た意味を持つ類語について解説します。

「ぜひ・ぜひとも」

「ぜひ」や「ぜひとも」は、「くれぐれも」とほぼ同じ意味を持つ言葉です。「ぜひ・ぜひとも」は、相手への積極的な言動を依頼します。

この件はぜひ、御社でもご検討ください

私としては、ぜひともお願いしたいと考えております

「ぜひとも」になると、「ぜひ」よりも依頼したい気持ちが強くなります。口頭や文章内で、相手に対して強く依頼やお願いをしたい場面で「くれぐれも」の言い換えとして使えるでしょう。

「何卒」

「何卒(なにとぞ)」は、ビジネスシーンでよく使われている言葉です。特に「何卒よろしくお願いいたします」などは、決まり文句のように頻繁に使われます。

それでは、今後とも何卒よろしくお願いいたします

先日の件、何卒ご検討ください

例文から「何卒」を取ってみると、後の文章がややそっけなくなることがわかるでしょう。

「何卒」が「くれぐれも」の役割をするため、「何卒」がある方がフレーズ全体に発する人の気持ちが込められるためです。

「くれぐれも」の英語表現

最後に「くれぐれも」の英語表現について解説します。

「くれぐれも」は英語で「make sure」

「くれぐれも」は英語の「make sure」で表せます。「make sure」とは、「確かめる・確認する」という意味のフレーズです。

Please make sure that children will not swallow it by accident.
(お子様が誤って飲み込まないよう、くれぐれもご注意ください。)
Please make sure everything is written correctly.
(くれぐれも書き間違えのないよう、お願いします。)