目次
「ぬか喜び」の意味と語源・由来
まずは、「ぬか喜び」の意味について解説します。
「ぬか喜び」とは一瞬の喜び
「ぬか喜び」とは、束の間の喜びのことです。嬉しいことが起こり、喜んだけれども、その直後にその嬉しい出来事が自分の勘違いだった、などすぐに消えてしまう喜びを「ぬか喜び」と言います。
彼は合格したと思って喜んだが、受験番号を見間違えていただけだった、ぬか喜びだった
私はぬか喜びとは知らず、自分が昇進したと思い込んで大喜びしていた、昇進したのは同姓同名の他部署の人だった
「ぬか喜び」の語源・由来は諸説ある
「ぬか喜び」は大変古くから使われている言葉であるため、語源が明確ではありません。
・ぬか(糠)の細かさを、頼りなさになぞらえて「糠のような頼りない喜び」が「ぬか喜び」になった
・「ぬかの抜け殻のように、はかない喜び」から「ぬか喜び」となった
・ことわざの「ぬかに釘」が、ぬかに釘を刺しても一瞬で抜けてしまう様子から「ぬか喜び」となった
どの語源も「糠」の性質や様子を、「ぬか喜び」の語源としています。そのため「ぬかのように、頼りなくはかない一瞬の喜びが語源」と解釈することもできそうです。
「ぬか喜び」の使い方と例文
次に、「ぬか喜び」の使い方を例文と一緒に解説します。
喜びが勘違いとわかった後に使う「ぬか喜び」
何かに喜んだ後に、それが間違いや自分の勘違いによる、誤った喜びだったと気がついたときに「ぬか喜び」を使います。
彼女に話があると呼び出されたので、てっきり告白されると思ったら仕事の相談だった、ぬか喜びだった
家族から宝くじが当たったと連絡を受け、大喜びしていたが、当選金額は1万円だった、ぬか喜びもいいところだった
「ぬか喜び」は、一瞬で終わってしまう喜びのことですが、その喜びが大きいときほど使われる言葉でもあります。
喜びが勘違いなのではないかと予想して使う「ぬか喜び」
まだ、「ぬか喜び」とわかったわけではないけれど、ぬか喜びなのではないかと予想する場面でも「ぬか喜び」を使います。
部長が私を次の課長にする、と言っていたが酒の席での冗談かもしれない、ぬか喜びにならないよう慎重に確認しなければ
彼女は彼の態度から、きっと自分のことが好きなんだろうと喜んでいる、ぬか喜びにならなければ良いが
これから、その喜びがぬか喜びとなるではないか、と予想して懸念する場合にも「ぬか喜び」は使えます。
「ぬか喜び」の言い換えに使える類語
次に、「ぬか喜び」の類語について解説します。
「期待外れ」は期待だけで終わること
「期待外れ」とは、期待したことが実際には起らず、期待だけで終わる様子です。
大口の契約が取れそうで大いに期待したが、結局は期待外れで、契約は他社に持って行かれてしまった
冬のボーナスの増額がされると噂で聞いていたが、受け取ってみてそれが期待外れだったことがわかった
「期待外れ」は「ぬか喜び」と似ています。しかし、期待外れはあくまでも「期待」です。
「小糠祝い」は勘違いでがっかりすること
「小糠祝い(こぬかいわい)」とは、喜んでいたことが勘違いであったとわかりがっかりする様子です。「ぬか喜び」とほぼ同じ意味で使えます。
夫が今度の人事で昇進する、というので家族で喜んでいたが、結局昇進はなくなってしまい小糠祝いに終わってしまった
父の定年祝いをしようと、奮発してプレゼントを買って贈ったが、定年は来年だった、まさに小糠祝いとなった
「ぬか喜び」の英語表現
「ぬか喜び」は英語で「false」
I was excited over a false hope. That’s a shame.(私はぬか喜びをしていた、残念だ)
「false」とは「偽りの」という意味です。その喜びが偽りであった、という言葉を「ぬか喜び」に当てて使うことができます。