「優位性」の意味と類語・有意性との違いと例文

「優位性」の意味と有意性との違い

まずは「優位性」の意味と、同じ読みの「有意性」について解説します。

優位性とは「優れている点や性質」

「優位性(ゆういせい)」とは、他と比べて優れている点や、優れている性質のことです。

この製品の優位性は、コストパフォーマンスの良さにあります

今の仕事では、自分の優位性を生かせそうにないから、思い切って転職をしようと考えている

「優位性」の「性」は、物事の性質や傾向・資質を指します。つまり「(他と比べて)優位に立てるだけの資質」が「優位性」です。

有意性とは「物事を行うことが役に立つこと」

「優位性」と同じ読みをする「有意性」とは、その物事を行うことの意義があった、役に立った、という意味です。「優位性」とは根本的に意味が異なります。

今回の会合は、今後の戦略に重要な有意性を含んでいたと思う

町ぐるみで防犯パトロールを行うことは、防犯面での有意性が高いのではないだろうか

「有意性」は、言い換えれば「それをやる甲斐・やった甲斐」です。「有意性」の「意」は意味や意義を指しています。その意味や意義が「有る」で、「有意性」です。

「優位性」の使い方と例文

次に、「優位性」の使い方を例文と一緒に解説します。

「優位性」の言い回し

「優位性」は、物事の「性質」を表すことから、言い回しに幅があります。以下では「優位性」の言い回しの例と、それぞれの意味について解説します。

優位性がある・優位性がない

優位性は「ある・ない」で表すことができます。

このプロモーションは、他社と比べて優位性があると思う=他社のプロモーションに比べて優れていると言える

このプロモーションは、他社と比べて優位性がないと思う=他社のプロモーションに比べて優れているとは言えない

「ある・ない」で「優位性」の有無を表すのは、もっとも多い言い回しでしょう。ただし、「ある・ない」で表すため極端な結論を導きやすくなります。

優位性が高い・優位性が低い

優位性は「高い・低い」でも表せます。

このプロモーションは、他社と比べて優位性が高い=他社のプロモーションよりも優れている可能性が高い

このプロモーションは、他社と比べて優位性が低い=他社のプロモーションよりも優れている可能背が低い

「高い・低い」は「優位性」の程度を表します。優位性が高いほど、他のものと比べて優れている可能性が高くなり、低くなるとその逆です。

優位性を得る・優位性を高める

優位性は「得る・高める」などでも表せます。

まず大切なことは、新商品が優位性を得ることではないでしょうか

まず大切なことは、新商品の優位性を高めることではないでしょうか

「得る・高める」の違いは、もともと優位性がある状態かどうかです。「得る」は、現時点で優位性がなく、これから優位性を備える状態です。「高める」は、すでに優位性があり、その優位性をさらに引き延ばすことをいいます。

優位性を保つ・優位性を確保する

優位性は「保つ・確保する」でも表せます。

今大切なことは、既存商品が優位性を保つことです

今大切なことは、既存商品が優位性を確保することです

「保つ・確保する」は、基本的な意味は同じです。どちらも、すでにあるものを維持することをいいます。この「保つ・確保する」を「優位性」にあてると、「今持っている優位性をこれからも持ち続ける」という意味になります。

優位性を示す・優位性を見せる

優位性は「示す・見せる」でも表せます。

自社が業界最大手になるには、企業としての優位性を示すことです

自社が業界最大手になるには、企業としての優位性を見せることです

「示す・見せる」は、基本的には同じで、相手に認識をさせるという意味です。

微妙な違いは「示す」は、「実際に出して見せる」という要素が入っていることでしょう。そういう意味では、「優位性を示す」は「優位性を形にして、積極的に他社に見せる」という状態です。

「優位性」の類語・対義語

次に「優位性」の言い換えに使える類義語と反対の意味の対義語について解説します。

優位性の類義語は「長所・セールスポイント」

「優位性」と似た意味を持つ言葉は、「長所」「セールスポイント」などです。

この商品の長所は、多彩な機能を搭載しながらも、リーズナブルな価格で購入できることです

この商品のセールスポイントは、多彩な機能を搭載しながらも、リーズナブルな価格で購入できることです

ただし、これらの「長所・セールスポイント」が、他にはない資質、または他よりも確実に優れている点である場合についてのみ「優位性」の類語として使えます。

優位性の反対語は「弱点・ウィークポイント」

「優位性」と反対の意味を持つ言葉は、「弱点・ウィークポイント」などです。

この商品の弱点は、価格が高く、一般消費者には手が届きにくいところだろう

この商品のウィークポイントは、価格が高く、一般消費者には手が届きにくいところだろう

「弱点・ウィークポイント」とは、他に比べて劣っている点や素質のことです。他と比べて優れている点を指す「優位性」の反対語として使うことができます。

ちなみに「ウィークポイント」の「ウィーク」とは「弱み」のことです。「強味」は「ストロングポイント」と言います。

「優位性」の英語表現

最後に「優位性」の英語表現について解説します。

「優位性」は英語で「Superior」「Advantage」

「優位性」は英語の「Superior」「Advantage」で表します。

He believes he is superior to she in every way.(彼は自分が彼女より優位性が高いと信じている)

It seems that out of these telecoms companies, A company has the advantage.(通信事業の中ではA社の優位性が高い)

Superior」に似た「superiority」も優位性を表しますが、「superiority」は絶対的な優位、という意味を持つ単語です。そのため、他と比べて「優れている」という日本語の程度よりも、かなり強い印象となります。