間違えやすい「より・から」の使い分けと例文

より・から の使い分けと例文

動作や状態の起点を示す格助詞「より」・「から」は、どちらも、場所を表す言葉に付いたときはそれが起点の場所であることを意味します。時間を表す言葉に付いたときは起点となる時点であることを意味します。

例えば、「正門前よりスタートします」と「正門前からスタートします」は、どちらも正門前が動作の起点の場所であることを意味し、言葉のニュアンスもまったく異ならないように感じられます。

「より」と「から」の違いは?

歴史的背景から、「より」は硬い文や改まった丁寧な言い回しのときに使われることが多く、「から」と比較すると上品な言葉遣いのように感じられます。

一方、「から」は、日常会話では「より」よりも頻繁に使われます。その点から、「より」はどちらかといえば文章向き、「から」は会話向きと言えるでしょう。ただし、明確な使い分けのルールがある訳ではありません。自分の判断で自由に使い分けできます。

「より」は、すでに奈良時代には動作・状態の起点を示す格助詞として使われており、『古事記』・『万葉集』にその用例が見られます。「から」も『万葉集』に用例があるようですが、動作の起点を示す格助詞として使われ始めたのは平安時代だといわれています。

また、古来漢文の読み下しでは、「自長安至洛陽」を「長安より洛陽に至る」と読むように、「より」を使うことが慣例となっており、「から」と読むことはありません。

【より・からの使い分け例文】

「より」がよく使われる例

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※ 後半の「から」は選択対象を示す格助詞です。
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時下ますますご清祥のことと衷心よりお慶び申し上げます。
日頃より格別なるご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。
これより先は、写真・ビデオの撮影をご遠慮ください。

「から」がよく使われる例

新年度から新館のセキュリティシステムが変更になります。社員の皆様は西側通用口から入館してください。
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ご出産おめでとう。心からお祝い申し上げます。
日頃から色々とお世話になり、とても感謝しています。
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