間違えやすい「あたかも」の意味と使い方・例文

あたかもの意味

「あたかも」は、よく似ている物事にたとえるときの副詞で、「ちょうど」・「まるで」・「まさに」という意味合いです。

文語調で日常的な文章には向いていませんが、風格のある文章にしたいときには使える言葉です。

また、さらに古風な言い方ですが、あることが別の出来事と同時期または同時刻に起こった場合、「ちょうどそのとき」という意味で「時あたかも〜」という使い方をします。

あたかもの例文

それはあたかも夏の夜の夢のごとし。
岬をまわると風景は一変し、あたかも常夏のリゾートのような白い砂浜がどこまでも続いていた。
客は理髪の椅子につくと、あたかも自分が目撃したかのように、噂に過ぎない事件の話を語り始めた。
あたかも目の前のバショウカジキと格闘しているような老人の語りに、少年はいつしか引き込まれていった。
あたかも郊外型のニュータウンや大型マンションの開発ラッシュがピークを迎え、周辺道路ではタヌキの交通事故が多発していました。
しかし、時あたかも12月8日、新聞紙面は日米開戦一色に塗りつぶされ、その記事が掲載されることはありませんでした。

「あたかも」の使い方

「あたかも」という言葉は一般的には平仮名で書かれています。漢字では「恰も」「宛も」と書きますが、読むことができる人は少なく、手紙やメールでは「あたかも」と書く方が良心的です。

読み方は「あたかも」以外に「あだかも」とも読みますので、「あだかも」と言っても間違いではありません。

この「あたかも」には「ちょうどその時」「ちょうどそれに当たる時」という意味があります。

しかし、現代ではどちらかというと「まるで」「さも」など、その物事を何かに例える意味で使われることが主流です。「あたかも自分が被害者のように」「あたかも契約が進んでいるかのように」などと使うことで、現実とは違う外観を築き上げているさまを表します。

本来の意味である「ちょうどその時」の意味で使うのであれば「私が生まれたのは、時あたかも年号が平成に変わった年でした」など「時」という言葉と組合わせることで成り立ちます。

「あたかも」の言い換え

「ちょうどその時」を表す「あたかも」を言い換えるのであれば「まさに」「ちょうど」「まるで」「折しも」などが良いでしょう。

「時代はまさにリーマンショックの最中でした」

「私は丁度東京にいました」

「折しも桜の開花宣言がされました」

例文のように使えば「ちょうどその時だった」という臨場感を出すことができます。

その物事を何かに例える言い方に使う場合は「まるで」「さも」などが良いでしょう。「まるで映画俳優になったような気分でした」「私は自分がさもお金持ちであるかのように振る舞いました」とすることで「あたかも」と同じ印象を相手に持ってもらうことができるでしょう。

「あたかも」を目上の人に使う

「あたかも」という言葉は、状況を表すための言葉に過ぎませんので、目上の人へも使うことができます。

しかし「ちょうどその時」「まるで」どちらの意味で使うとしても、「あたかも」は少し仰々しい印象を受けます。特に口頭であれば「まさにその時」「まるで」「さも」などに言葉を換えた方が無難です。

また「あたかも」を目上の人へ使う場合は「あたかも」という言葉よりも、その後に来る言葉に注意を払ったほうが良いでしょう。

注意
「時あたかも〜」を使う時には、その頃を思い出した時に相手と同じ感情を共有できるものを選ぶ必要があります。お互いが違う感情を持ってしまうと、「あたかも」を使った意味が感じられなくなってしまうからです。

「あたかも〜のように」と「まるで」などの意味で使う時も同じです。例えるものに対する印象が違えば、受け取り方も異なります。