「喪中」の期間と範囲・忌中との違いや年賀状について

「喪中」の意味と範囲や期間

まずは「喪中」の意味と、喪中の範囲や期間について解説します。

「喪中」とは故人のために身を慎む期間

「喪中(もちゅう)」とは、人が亡くなった後の一定の期間のことです。この「喪中」には、亡くなった故人に思いを寄せて、残された人々が自分の身を慎んで過ごします。

「身を慎む」とは、主にはお祝い事を控えて、派手な行事を行わずに過ごすことです。「喪中」の期間中は、亡くなった故人のことを考えて、おめでたいことから距離を取るのが一般的といわれています。

「喪中」の期間は1年間

「喪中」は、一般的には「故人が亡くなってから1年間」と言われています。しかし、この「1年間」にはさまざまな考え方があるようです。

たとえば、故人が12月に亡くなった場合は、翌年の12月で喪中が終わります。この喪中が終わることを「喪が明ける」といいます。しかし、故人が1月以降に亡くなった場合は、その年の12月31日までを喪とする考え方が多いようです。つまり、亡くなってから正確に1年が過ぎなくても、その亡くなった年が終われば喪が明ける、とするところが多いと言われています。

しかし、これも地域によりますが、8月以降など年の半分以上を過ぎてから亡くなった場合は、翌年の亡くなった月までを喪中とすることもあります。

「喪中」の期間についての考え方は、地域の風習や家庭の考え方などに左右されることが多いのかもしれません。

「忌中」とは四十九日が終わるまでの期間

「喪中」と似た言葉に「忌中(きちゅう)」があります。「忌中」とは、人が亡くなって四十九日が終わるまでの期間のことです。

「喪中」と同じように、故人を偲んで身を慎む期間ですが、「忌中」はまだ亡くなって日が浅い時であるため、「喪中」よりもさらにひっそりと過ごすことが求められています。

「喪中」の範囲は「2等親以内」が一般的

人が亡くなって、「喪中」に該当するのは主には親族です。中でも「2等親以内」が喪中に該当すると言われています。

「2等親」とは、亡くなった人を「本人」としたときに、本人の「親・子・孫・配偶者・兄弟・姉妹・兄弟の配偶者・姉妹の配偶者」を指します。

2親等を考えたときに、迷いやすいのが「いとこは2親等に含まれるのか」という点です。結論から言えば「いとこ」は2親等ではなく、4親等にあたります。そのため、いとこは「喪中」の対象にはならない、という考え方が一般的です。

 

 

 

喪中にやってはいけないこと

「喪中」には、お祝い事やおめでたいことから距離を取る、と先にお伝えしました。以下では、具体的に「喪中でやってはいけないこと」について解説します。

正月飾りや神社への初詣は控える地域が多い

まず、年末年始の正月飾りや、神社への初詣は「喪中」には行わないのが一般的です。「喪中」というと「お正月を祝わない」ということはよく知られていますが、初詣については迷いやすいかもしれません。

これも地域の風習などにもよりますが、一般的には神社への初詣もお祝い事のひとつ、と考えられており、避ける方が無難と言われています。

年賀状は出さず事前に喪中はがきを送る

新年を祝う「年賀状」は、「喪中」には出さないのが通常です。その年が喪中となったら、年賀状を出す予定だった人へ「喪中はがき」を送るのがマナーと言われています。

「喪中はがき」とは、「不幸事があったため年賀状が出せない」という旨を相手に知らせるはがきのことです。

また、「喪中」であっても「年賀状を受け取ること」には問題ありません。そのため、喪中はがきに「新年のご挨拶はできないけれど、年賀状を送ってもらうことには問題ないし、ありがたく受取りたい」という旨を添える人が多いようです。

結婚式への参列は控えるのがマナー

「喪中」に、結婚式の招待を受けた場合は辞退するのが一般的と言われています。

喪中であっても、友人や同僚の結婚を祝いたい、という人は多いですが、「喪中」は人の死によって身が汚れている、と考えられる傾向があり、お祝い事に水を差さないためにも辞退をするべき、という考える方が多いようです。

結婚式への参加の返事をしてから、身内に不幸があって喪中となってしまった、という場合は招待をしてくれた相手へその旨を伝えて辞退をし、後日改めてお祝いを渡す、などが一般的なマナーと考えられています。

旅行は控えるという人が多い

旅行は、特にお祝い事ではないため、「喪中」であっても問題なく行えます。しかし、実際には喪中の旅行を避ける人は多いようです。

これは人の気持ちの問題によるもので、「何となく気が進まずキャンセルをする」「旅行中に何か良くないことが起こるのではないか、と気になる」などの理由が多いと言われています。

お中元・お歳暮は行って問題ない

日頃お世話になっている上司や親類への「お中元・お歳暮」は、「喪中」であっても問題なく行えると言われています。「お中元・お歳暮」は、特にお祝いの意味を含んでおらず、あくまでも「日頃の感謝の気持ちを伝える手段」であるためです。

もちろん、喪中だからといって特に選んではいけない物などもありません。お中元・お歳暮については、「喪中」と切り離して考えると良いでしょう。