目次
「屈辱」の意味と読み方
まずは「屈辱」の意味と読み方について解説します。
「屈辱」とは恥ずかしい思い
「屈辱」とは、辱められる(はずかしめられる)様子です。その人自身が「恥ずかしい」と感じるようなことを「屈辱」と言います。
全社員の前で社長に叱責されたのは、彼にとって屈辱だっただろう
同僚に成績で大きな差をつけられたことは、私にとって大きな屈辱でした
「屈辱」で表す「恥ずかしいこと」は、あくまでもその人にとっての恥ずかしさです。
「屈辱」の読み方は「くつじょく」
「屈辱」の読み方は「くつじょく」です。
「くっはじ」「くっじく」「くつせつ」などはすべて誤りですので、注意しましょう。
「屈辱」の使い方と例文
次に、「屈辱」の使い方を例文を交えて一緒に解説します。
耐えがたい羞恥を表す
「屈辱」は、説明のしようがないような、耐えがたい羞恥を表す場面で使えます。
好意を寄せている女性社員に、上司からきつく叱られているところを見られていた、僕にとって大変な屈辱だ
絶対に合格すると思っていた採用試験に落ちてしまったのは、当時の私にとってかなりの屈辱でした
「屈辱」をそのまま「とても恥ずかしい」と言い換えることもできますが、「屈辱」を使うとより恥ずかしさが伝わりやすくなります。
「屈辱的な」を使って恥ずかしさを表す
「屈辱」は、「屈辱的」という言葉として使われることが多いでしょう。「屈辱的」とは、「屈辱」とほぼ同義です。違いは、「屈辱」が「恥ずかしいという思いそのもの」を表すのに対して、「屈辱的」は「恥ずかしい思いをさせられること」です。
今回の人事で降格させられたことは、部長にとってかなり屈辱的なことだったと思う
私はあの部署で、屈辱的な日々を送って来ました
「屈辱的」は日常会話やビジネスシーンでも頻繁に使われる言葉です。自分や他人が、何か恥ずかしい思いをした状況を「屈辱的」を使って表します。
「屈辱」の言い換えに使える類語
次に、「屈辱」の類語について解説します。
勝負に負けて受けた辱めを晴らす「雪辱」
「雪辱」は「せつじょく」と読みます。「雪辱」とは、以前恥ずかしめを受けた相手を何らかの方法で見返すことです。主には、試合や競争などで、以前負けた相手に勝つことを指します。
その選手は、昨年の優勝者に勝利して雪辱を果たした
彼は前回のプレゼンで同期の田中君に負けた、その雪辱のためならいくらでも努力するつもりのようだ
「雪辱」は普段、(勝負などの)負けについて使われることが多いですが、試合や競技に限ったことでなくても問題ありません。
「雪辱を晴らす」は誤り
「雪辱」を使った言葉に「雪辱を果たす(せつじょくをはたす)」があります。「雪辱を果たす」とは、辱められた相手を見返すという目的を果たした状態のことです。
馬鹿にして辱める「侮辱」
「侮辱」は「ぶじょく」と読みます。「侮辱」とは、バカにして辱めることです。
彼女は私の容姿について侮辱した
私にはそのつもりがなかったが、彼にしてみれば私に侮辱されたと感じたのだろう
「侮辱」と「屈辱」の違いは言葉の主体です。「侮辱」は相手をバカにして辱める側が発する行為ですが、「屈辱」は相手から辱められた人が発する感情です。
また、「侮辱をした方」は「相手を侮辱した」と言えますし、「侮辱をされた側」は「相手から侮辱された」と表せます。
「屈辱」の英語表現
最後に「屈辱」の英語表現について解説します。
「屈辱」は英語で「humiliation」
日本語の「屈辱」を英語で表す場合は「humiliation」を使います。「humiliation」は、「恥をかく」という意味の名詞です。
He felt humiliation.(彼は屈辱を感じた)
She tasted humiliation for the first time.(彼女は初めての屈辱を味わった)
「humiliation」以外にも「disgrace(不名誉)」「shame(恥)」など、他の言葉を使っても「屈辱」の意味を表すことができます。