間違えやすい「お見それしました」の意味と使い方・例文

お見それしました の意味と使い方・例文

「お見それしました」の「見それ」は、動詞「見逸れる」の連用形であり、「見忘れる」・「うっかり見落とす」・「見損なう」などの意味です。この単語は、現在、「お見それしました」または「お見それ致しました」という定型句でのみよく用いられています。

「お見それしました」・「お見それ致しました」は、通常、次の二つのシーンで使われます。

一つは、人を見過ごしてしまった場合です。
知人と出会いながら、その人に気づかなかったときや、久しぶりに会った旧知の人が誰だか思い出せなかったようなときです。

もう一つは、人のことを過小評価していた場合です。人の能力や実績が予想外だったようなときに使います。どちらの場合も、「お見それ」したことを謝罪する言葉になります。

また「お見それしました」・「お見それ致しました」という言葉にはすでに謝罪の気持ちが込められていますので、「すみません」・「申し訳ありません」などの言葉をそえなくても謝意は伝わります。

お見それしましたの例文

これは佐々木さん、どうもお見それしました
すみません。あわただしくしていて、ついお見それ致しました
十年ぶりにお会いしたらご立派になられて、お見それしました
上達なさいましたね。お見それ致しました
素晴らしいお料理で、お見それしました

「お見それしました」を目上の人に使う

「お見それしました」という言葉は敬語ですので、言葉自体は目上の人へも使えるのですが、使い方には注意が必要です。

「見過ごしていました」という意味で使われる「お見それしました」は目上の人へもそもまま使うことができるのですが、問題は「過小評価していました」という意味で「お見それしました」を使う時です。

注意
目上の人に対して「あなたのことを過小評価していました」「あなたは私が想像したよりも力があるのですね」と言うのは失礼だと受け取られることがあります。

これは言葉を受け取る人の考え方にもよりますが「相手を評価する」というのは、相手よりも自分が一段上にいなければできず、「目上の人を評価する」ということ自体がマナー違反だという意見もあります。

相手の言葉に対する考え方を把握できていない場合は「お見それしました」と同じ意味を持つ「感服いたしました」または「恐れ入りました」などを使うと安心です。

「お見それしました」の言い換えの言葉

「お見それしました」が持つ二つの意味の内、「人のことを過小評価していた場合」の意味ではいくつかの言い換えができます。

相手が自分よりも立場が下の人であれば「侮っていた(あなどっていた)」「みくびっていた」という言葉を使って、相手への過小評価を詫びることができるでしょう。

または「恐れいった」でも良いですし、シンプルに「驚いた」と伝えても良いでしょう。

「お見それ」には「致しました」が合う

目上の人へ「お見それしました」と伝えたい場合は、そのまま伝えても良いのですが、できれば「お見それ致しました」としましょう。

「致す」には自分の行動をへりくだって伝える謙譲語の働きがあります。「お見それ致しました」と言うことで「あなたのことを見それていました」ということをより丁寧に伝えることができるでしょう。

これは、「見過ごしてしまいました」の意味でも「過小評価していました」の意味でも同様です。

「お見それしておりました」は間違い

「お見それしました」は「お見それ」という言葉だけで「見過ごした」「過小評価した」という意味を含む敬語です。その後に「して」という言葉を付け加える必要はありません。

心情として「見過ごしていました」「過小評価していました」という気持ちから「〜していました」と言いたくなるかもしれませんが、「して」を付けると日本語としておかしな言葉になってしまいます。

「見過ごしてしていました」「過小評価してしていました」と言い換えてみるとわかります。「お見それ」という言葉の語尾はシンプルに「しました」または「致しました」とすることがベストです。