目次
「ないがしろ」の意味と漢字
「ないがしろ」は、人に対しての接し方について使う言葉です。「ないがしろにする」「ないがしろにされる」などの形で用います。
まずは、「ないがしろ」の意味と漢字について解説します。
「ないがしろ」は簡単に言えば雑な扱いをすること
「ないがしろ」とは、わかりやすく言えば「軽んじてはならない人や物を軽んじる様子」です。
彼は、取引先でないがしろな扱いを受けた、と憤慨していた、なんでもアポをとっていたにもかかわらず、受付で15分も待たされたそうだ
私は家の中ではないがしろにされています、妻は私の様子がおかしくても気遣うことすらしません
田中さんは、悪気はないのだろうが、その言動で人をないがしろにしがちだ
「こんな扱いを受けるはずではないのに、雑な扱いを受けた」と感じるような対応を「ないがしろな扱い」などと表します。
また「ないがしろ」は、相手を軽んじて、雑に扱った側にも使えます。「私は彼をないがしろにした」などがその例です。
「ないがしろ」の漢字は「蔑ろ」
「ないがしろ」はひらがなで書くこともできますが、漢字もあります。漢字では「蔑ろ」です。
「蔑」には、「あってもないように扱うこと」という意味があります。「軽蔑」や「蔑む(さげすむ)」と言った言葉にも使われている漢字です。
いずれの意味にも共通しているのは、相手を軽んじるという点でしょう。
「ないがしろ」の使い方と例文
以下では、「ないがしろ」の使い方を例文と一緒に解説します。
「ないがしろにする」は軽んじた扱いを人や物にすること
「ないがしろにする」とは、人や物に対して、雑で軽んじた扱いをすることです。
人をないがしろにすると、自分もいつか人から同じ扱いを受けるよ、気をつけなくちゃね
いつもそうやって人をないがしろにするんですか?
欲しい時はすぐに買うくせに、飽きたからといってないがしろに扱うのはやめなさい
人や物を大切に扱わず、自分の都合や感情を優先して、雑に扱うことを「ないがしろにする」と言います。
「ないがしろになる」は悪気なく軽んじてしまうこと
「ないがしろになる」とは、その人にそのつもりがなかったとしても、結果として相手や物を軽んじたように見える接し方をすることです。
お客様には、定期的に挨拶に行くようにした方が良いよ、時間が空きすぎるとないがしろになってしまうから
人手が足りず、どうしても事務作業がないがしろになってしまうのが問題点だね
個人が自由に仕事をするのは良いことだろうけれど、ある程度の役割が決まっていないと、ないがしろになる仕事が出てくるのではないか
「ないがしろになる」は、このままでは相手や物がないがしろになるだろうと予測できる段階で使えます。
「ないがしろにされる」は軽んじられた不快感を表す
「ないがしろにされる」とは、相手から自分が軽んじられた不快感を表す言葉です。
A社の田中さんが、うちの会社からないがしろにされた、と他社で喋ってしまったようです
ないがしろにされる覚えはないのに、どうして私はこのような扱いを受けるのでしょうか
あなたは私からないがしろにされた、と言うけれど、具体的にはどんな風にないがしろにしたか話してみてよ
「ないがしろ」に「された」が付くと、相手から故意にないがしろな行為を受けたという意味になります。
実際に相手が故意であったかどうかは問題ではなく、ないがしろに扱われたと感じている方が「ないがしろにされた」と言えば、「相手側にはこちらをないがしろにする気持ちがあったのだろう」というニュアンスで伝わりやすくなります。
「ないがしろにできない」は丁寧で大切にすること
「ないがしろにできない」とは、人や物を大切にすることを意味します。
取引先はどこも同じだけれど、B社は特にないがしろにはできないから、よく覚えておいてね
人をないがしろにできない彼女は、いつも気配りに忙しくしているよ
何でもないがしろにできない、というのは良い点もあるけれど、優先順位が付けられていないという面もあるかもしれないよね
自分がその人や物を丁寧に扱おうとしている場合は、「これはないがしろにできない」という言い方ができます。
「ないがしろ」の言い換えに使える類語
以下では、「ないがしろ」と似た意味を持つ類義語について解説します。
おろそか
「おろそか(疎か)」とは、いい加減な様子のことです。
趣味も遊びも大切だけれど、仕事をおろそかにされては困るな
勉強をおろそかにして、来年の受験はどうするつもりなの?
「ないがしろ」と同じように、その対象を雑に扱うことで、結果としていい加減に対処することを「おろそか」で表します。
軽視
「軽視(けいし)」とは、その人や物事を軽く見ることです。
彼は私のことを完全に軽視しています、その証拠にいつも私を顎で使おうとするのです
人を軽視しているから、あなたは挨拶もしないのでしょう
「ないがしろ」と同じように、人や物を軽んじて、雑に見ることを「軽視」と言います。