早々 の意味と使い方・例文

早々 の意味と読み方

「早々」は口頭でも文章内でも使われる言葉です。文字の成り立ちから、おおよその意味は理解できますが、正確な意味や、使い方についてまでは知らないという人も珍しくありません。

まずは、以下で「早々」の意味と読み方について解説します。

「早々」の意味は早く・急いで

「早々」とは、行動の早さを表す言葉です。他の言葉に言い換えれば「早く・急いで・直ちに」などでしょう。

新規取引先のA社からは、昨日早々にご連絡をいただいております

お忙しい中、早々にお越しいただき誠にありがとうございます

その件については、早々に私の方から先方へご連絡いたします

「早々」は例文のように、人が連絡をしたり、連絡をもらったり、訪れたり、あるいは出向いたりするスピードを表します。「すぐに・こんなに早くに」という思いが「早々」です。

「早々」の読み方はそうそう・はやばや

「早々」は「そうそう」または「はやばや」と読みます。

「早々」は、「はやばや」と読むのが古くからの慣用読みであり、「早く」・「直ちに」・「急いで」といった意味の副詞として、遅くとも江戸時代には定着していました。

また、「早々と」(はやばやと)という使い方も同様です。現代では、一般に「早々と」が使われます。

一方、「早々」を漢語的な音読みで「そうそう」と読む場合もあります。この場合、多くは「早々に」という使い方をし、意味はやはり「早く」・「直ちに」・「急いで」となります。

また、「開始早々に」・「開始早々から」や単に「開始早々」といった用法もあり、この場合は「〜の直後」という意味になります。

手紙の文末の結びで使う「早々・草々」

手紙の文末では「結び」という、締めの言葉が用いられます。その中に「草々(そうそう)」があります。この「草々」は、「前略」という書き出しの言葉と対で使うものです。

しかし、「草々」と「早々(そうそう)」は読みが同じということもあり、近年では手紙の結語として「早々」が使われることも多くなりました

この場合の「早々」は「はやばやと手紙を終えます」という意味であることがほとんどです。そのため「草々」ではない「早々」を使っても間違いではありません。

「前略」に対して「早々」を使っても間違いではありませんが、元々は「草々」です。そのため人によっては違和感を覚えるかもしれません。

早々(はやばや)の例文

金曜日は早々と仕事を切り上げ、教室へ直行するのが常であった。
あなたが早々と席を立ったので、皆さん不思議そうにしてましたよ。
まだ宵の口だというのに、ずいぶん早々と店仕舞いですね。

早々(そうそう)の例文

金曜日は早々に退社し、東京駅の新幹線ホームへ直行する。
娘たちの猛反発に動転した主人は、早々に退散しました。
来月早々に現地を調査しましょう。
入社早々、海外研修のチャンスがやってくるとは、本当にラッキーでした。

「早々」の使い方

以下では、「早々」の使い方を例文と一緒に解説します。

「早々」をお礼やお詫びに使う

「早々」は、お礼の言葉と一緒に使うことができます。「早々にありがとうございます」などとすることで、相手の迅速な対応に感謝する気持ちを表せるためです。

この度はお忙しい中、早々にご返信いただき誠にありがとうございました

早々のご対応に心より感謝申し上げます

この場合の「早々」は「そうそう」です。

また、同じ「早々」をお詫びの際の文章に使うこともあります。

大変申し訳ございませんでした、早々に交換の商品を持参いたします

一刻も早くお詫びに伺いたく存じます、早々に参りますのでご都合の良いお時間を伺えますでしょうか

例文のように、「早々」は使い方次第でお礼にもお詫びにも使えます。人の行動がスピーディーであることを表す言葉なので、上手く使えるようにしておきましょう。

「早々」を目上の使う場合は注意が必要

「その状況になってすぐ」を表す「早々」は自分や自分の身内の行動について使う言葉です。自分が迅速に行動することを、目上の人へ伝える場合は問題なく使えます。

ただし、目上の人がこれから起こす行動について「早々」は使えません。なぜなら、これから行動する相手を急かす意味となってしまうからです。

  • 私は早々に先方へお詫びに行って参ります
    (早々に行くのは自分なので問題ない)
  • 取引先より部長とお会いしたいと連絡がありました、早々にご連絡をお願いします
    (目上の人がこれから起こす行動なので早々は失礼)→早急にご連絡をお願いします
  • 取引先より部長とお会いしたいと連絡がありました、早めのご連絡をお願いできますと幸いです
    (早々を使わず、お願いの形で伝えられているので問題ない)

これは「はやばや」と読むとそのニュアンスを掴みやすいでしょう。目上の人へ「早くしてください」「早いですね」という言い方をしないのと同じで「早々」という言葉も目上の人へは適さない表現です。

基本的に目上の人を急かすという行為は失礼だとされています。目上の人に急いで欲しいのであれば言葉を選んで「急いでほしい」ということを伝える必要があります。

「早々」の言い換え

早急

「早急」には「早く急いで」という意味がありますが、言葉としてやや一方的な印象を持たれやすい言葉です。

目上の人へ使う場合には「早急にお願い申し上げます」など、「早急」の後に続く言葉に気を配る必要があります。

しかし上手く使うことができれば「早急」には「緊急の事態」であることをスマートに伝える効果も期待できます。

同僚や部下に対してであれば「早急にお願いします」「早急に対処を」などと使っても問題ありません。もちろん「早急に対処いたします」などと自分自身の行動について使うこともできます。

迅速

「迅速」という言葉は相手の立場に関わらず使うことができます。

相手が目上の人であっても「迅速にご対応いただきたいと存じます」などとすることで失礼なく使うことができます。

「迅速なご対応をいただき心より感謝申し上げます」などと御礼に使うこともできるでしょう。

「迅速に対応いたします」など自分や自分の身内に対して使うことにも問題はありません。

早速

「早速」には「早い段階で速く」という意味があります。

「その物事が発生して、早い段階で速く行動する」ということです。

「早速」も相手の立場に関わらず使うことができますので、。目上の人へ対しても使うことができます。

「早速のご来店誠にありがとうございます」などと伝えれば、何かをきっかけに相手がすぐに来店してくれたことへの御礼を伝えることができるでしょう。

取り敢えず(とりあえず)

「取り敢えず」という言葉も、意味としては「早々」と同じです。

「取るものも取り敢えず参りました」などとすることで「とても急いで」ということを表します。

一般的に使われている「とりあえず」は「とにかく」「細かいことは置いておいて」などの意味で使われていますが、本来の意味は「何よりも優先して」という意味があります。

注意
主に自分に対して使う言葉で、目上の人へは使えないわけではありませんが、などの意味と混同されやすいので、控えた方が良いでしょう。