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「馬が合う」の意味と由来
人と人の関係について「あの二人は馬が合う」などと表現されるのを聞いたことがある人は多いと思います。しかし「馬」という漢字が入っていることで、その意味や使い方に迷ってしまうかもしれません。
まずは、以下で「馬が合う」の意味と由来について解説します。
「馬が合う」とは気が合うこと
「馬が合う」とは「(その人と)気が合う」という意味です。
彼女と私はどういうわけか、出会った頃から馬が合うとお互いが感じていました
さすが兄弟、馬が合うね
課長は自分と馬が合わないという理由で、プロジェクトリーダーに田中さんを推薦しなかったらしい
仲が良い、または呼吸が合っている、などトータル的に見て「気が合う」と言える関係を「馬が合う」で表します。
「馬が合う」という言葉を使うだけで、その人との関係性が伝わりやすいため知っておくととても便利な言葉です。
「馬が合う」の由来は馬と騎士の相性
人と人との関係性に、なぜ「馬」が当てはめられているのかという点は、「馬が合う」の由来にあります。
元々、「馬が合う」は「騎士と馬の息が合うこと」について使われていました。馬と騎士である人間の呼吸が合うと、馬は順調に走ることができます。
この「馬と騎士の相性の良さ」を表した「馬が合う」を、人に当てはめているのが現代の「馬が合う」です。
「馬が合う」の使い方と例文
次に、「馬が合う」の使い方を例文と一緒に解説します。
「馬が合う人」とは気が合う人
「馬が合う」は、人と人との相性の良さを表します。その場合、「馬が合う人」という言い方をすることがあります。
彼と彼女は本当に息がぴったりです、双方にとって「馬が合う人」なのでしょうね
同じクラスには、馬が合う人が居てほしいなと思っている
仕事でもプライベートでも、馬が合う人がいるといないじゃ大違いだからね
ただし、相手の方が言葉の正しさを気にする人である場合は、元の「馬が合う」を使った方が無難かもしれません。
人以外に「馬が合う」を使う場面
「馬が合う」は人と人の相性の良さについて使う言葉です。しかし、その「馬が合う」を人以外について使うこともあります。
A社とは昔からの付き合いだ、何かと馬が合うんだよ、あの会社とは
今回も外注はB社にお願いしようと思います、やっぱり馬が合うところが安心ですからね
C社との契約内容は魅力的ですが、何となく社風として馬が合いそうにない気がしました
例文のように、「馬が合う」が示す対象を企業や団体にすることは、ビジネスの場では珍しくありません。
もちろん、元々の「馬が合う」の意味から考えれば正しい用法ではないでしょう。しかし、相手が人でなくても「何となく上手くいきそう、感触が良い、これまでも上手くいっている」などの感触を伝えたい場面ではとても便利に使えます。
「馬が合う」の言い換えに使える類語
次に、「馬が合う」と似た意味を持つ、類義語について解説します。
反りが合う(そりがあう)
「反りが合う」も、「馬が合う」と同じように「気が合う」という意味で使われる言葉です。
僕たちは昔からの仲間で、反りが合うんですよ
新入社員同士、反りが合う人が居て本当に良かった
彼女には反りが合う人がなかなかいないようで、いつも一人で居る
「反り」とは、刀のカーブのことです。刀を納める鞘(さや)のカーブと、刀の反りが合わないと上手く収めることができません。この「上手く収まらない」を、人との関係にあてたのが「反りが合わない」です。
阿吽の呼吸(あうんのこきゅう)
「阿吽の呼吸」も、「馬が合う」と同様に、人と気持ちが合うことを表します。
社長と社長秘書の田中さんは、さすが阿吽の呼吸だね、見ていて安心感があるよ
阿吽の呼吸、とまではいかないが、僕と田中君はなかなかうまくやれていると思うんだ
二人は夫婦となって、馬が合う二人から阿吽の呼吸の二人へと進化したね
「阿吽の呼吸」の「阿吽」とは、吐く息と吸う息のことです。つまり「阿吽の呼吸」とは「その人とは、呼吸の吸う・吐くまでぴったり合うような相性」と解釈できるでしょう。