「つくる」の意味と漢字
何かを形にする「つくる」には3つの漢字があります。創る・造る・作る、です。まず以下ではそれぞれの漢字とその意味について解説します。
「創る」は新しいものを生み出す
「創る」は、新しいものを初めてつくり出す場合に使います。「創造する」に当てはまるものは「創る」で表せます。
・彼は時代を象徴するオブジェを創った
・私は理想の学校を創りたい
・日本中の子供たちのために、新しい基金を創ろうと思う
この「創る」の特徴は「物としてはすでに存在するが、つくる人の理想や信念を込めたものとして新たにつくり出すもの」です。
「基金」についても同様で、基金という制度はすでに多く存在しています。しかし、つくる人にとっては「日本中の子供のための基金」は新しいものであるため「創る」を使っています。
「創る(つくる)」は辞書にはない
「創る」を「つくる」と読むことについて、記載していない辞書は複数あります。これは、常用漢字としての「創」の読みに「つくる」がないためです。
社内や取引先とやり取りをする文章であれば「創る」を使っても構いませんが、公的な書類には「作る」もしくは「造る」を使う必要があります。
「造る」は形のある比較的大きな物
「造る」は、船や車・家や会社など形があるもので、比較的大きなものをつくる場合に使います。
・会社を造るには、たくさんの手続きが必要だ
・家造りには専門家の知識と技術が欠かせない
・池を造ったら、野鳥が多く集まるようになった
この「造る」の特徴は「多くの人の手でつくり上げる、大きな物」です。
会社や家、池などは一人でつくることはできず、多くの人の手があって初めてつくり出されます。この「造る」は「造船業」「建造物」など、熟語の中にも含まれているため、人が集まってひとつの大きな物を造るというイメージがつきやすいかもしれません。
「作る」は形のある比較的小さな物
「作る」は、つくる対象が比較的小さく、かつ、形のあるものに使います。
・今日はDIYで椅子を作ることにした
・彼女の誕生日にはケーキを作ろうと思う
・オフィスの隅に、観葉植物を置くスペースを作った
この「作る」がもっとも一般的な「つくる」です。基本的にはすべての「つくる」が、この「作る」で補えます。そのため「作る」が使われていれば、つくる対象が何であっても間違いにはなりません。「作る」の対象となるのは、物だけでなく人や環境、空間などさまざまあります。
「創る・造る・作る」の類語
「創る」の類語
・クリエイト
・生み出す
・彼の創造する建造物は近代的で、どこか懐かしいものが多い
・私は単なる物作りではなく、新しいものをクリエイトしたいのだ
・君が生み出すメロディは、これまで何処ででも聴いたことがないものばかりだ
「造る」の類語
・製造
・ここではたくさんの製品が製造されています
・彼は生産ラインのリーダーです
「作る」の類語
もっとも一般的な「作る」の類語には、以下の言葉があります。
・こしらえる
・生まれる
「作る」は、人の手や知恵を加えて、物や人・環境などさまざまなものを生み出す行為です。そのため類語の幅は広く「作る」と似た意味を持つ言葉は多く存在します。
・これは緻密な設計によって作成された高性能AIロボットです
・彼女のこしらえる料理はどれも非常においしい
・彼の手によって生まれたシステムは、高齢化社会に欠かせないものとなるだろう