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「決まりが悪い」の意味と語源
会話の中で「決まりが悪い」という言葉が使われることがあります。何となくの意味はわかっているつもりでも、いざ自分が使うとなると、意味や使い方に迷ってしまうという人は多いかもしれません。
まず、以下では「決まりが悪い」の意味と語源について解説します。
「決まりが悪い」とはかっこがつかず恥ずかしいこと
「決まりが悪い」とは、「面目が立たない・きちんと整っていない・しまりがつかない・恥ずかしい」という様子を表すフレーズです。
彼は自分が言った冗談が周囲に通じていないことを知り、決まりが悪いような顔をしていた
私は自分が勘違いをしているとは気がつかないまま、田中さんに文句を言い続けてしまい、その後決まりが悪い思いをした
そんなつもりはなかったが、彼女に気を使わせてしまって、私は決まりが悪くなった
例文でわかるように、恥ずかしい思いをしたり、気まずい思いをすることを「決まりが悪い」で表しています。
「決まりがわるい」の語源は「決まらない」
「決まりが悪い」という言葉は、日本で古くから使われています。その語源は「決まらない」です。
「決まる」とは、現代でも「今日の服装決まっているね」などと使うあの「決まる」です。整っている、さまになっている、という意味の「決まる」を「~らない」で打ち消して「決まらない」としたのが、「決まりが悪い」の語源です。
つまり「決まっていない=恥ずかしい」という意味になり、現代で使われている「決まりが悪い」となりました。
「決まりが悪い」の使い方と例文
次に「決まりが悪い」の使い方を例文と一緒に見てみましょう。
恥をかいたことを表す
「決まりが悪い」を、自分や人が恥をかいたことに使う場合です。
私はジャケットの襟からクリーニングのタグが出ていることに気がつかないまま1日を過ごし、そのことを取引先の方に指摘され、とても決まりが悪い思いをしました
彼は私から生活の乱れについて指摘され、何とも言えない決まりの悪い顔をしていたよ
何かしらの恥をかいて、そのことによってとても居心地の悪い思いをした時に「決まりが悪い」が使えます。この場合の「決まりが悪い」は、そのまま「恥ずかしい・恥をかいた」と言い換えられます。
例文のように、恥ずかしい思いをしたその人の様子を相手に伝えたい場合に使うのが、「決まりが悪い」です。
どう振る舞っていいかわからないことを表す
「決まりが悪い」は、その人がどのように振る舞えば良いのかわからず、戸惑う様子にも使えます。
彼は英語が得意と言っていたが、来客のアメリカ人に話しかけれても何も言えず、とても決まりが悪そうだった
私は自分が場違いな恰好で来てしまったことを知り、とても決まりが悪い思いをしました
自分がその場や状況でどう振る舞えば良いかわからない場面、というのはどこか恥ずかしく、いたたまれない気持ちになります。その様子を「決まりが悪い」で表すのが、この場合です。
「決まりが悪い」の言い換えに使える類語
次に「決まりが悪い」と似た意味を持つ類義語について解説します。
「ばつが悪い」
「ばつが悪い」とは、「その場の都合で恥ずかしくなること」です。元々は「場都合が悪い」と言います。
田中君と外を歩いていると、急に彼がばつの悪そうだったのでどうしたのかと思ったら、昔付き合っていた恋人とすれ違ったのだそうだ
日頃から部下に整理整頓を厳しく指導している課長の部屋が、とても散らかっていることがわかったとき、課長はばつが悪い顔をしていた
「気まずい」
「気まずい」とは、「相手と気持ちが合わず、具合が悪い」という意味です。この場合の「具合」とは「体裁が保てない様子」を表しています。
街で偶然昔の友達と会ったのですが、私が相手の名前を他の人と間違えてしまい、気まずい思いをしました
彼女と食事に行き、会計を済ませようとしたら財布を忘れてきたことがわかって、とても気まずい思いをした
「決まりが悪い」に比べると、「恥ずかしい」という気持ちの他に、自分でもどういう感情なのか図りきれない部分も「気まずい」には含まれています。