間違いやすい「並びに(ならびに)」の意味と「及び」との違い

「並びに」の意味

「並びに」には、単語と単語を繋げる役割があります。

「並びに(ならびに)」とは「~と」の意味

「並びに」は、言い換えると「~と」です。同じジャンルのものを2つ挙げる場合に使います

・お客様並びに従業員の全員参加です
・商品並びに備品はすべて当店にて管理いたします
・山田君、並びに鈴木さんが弊社の代表としてA社を訪問することになりました

「並びに」は、基本的には2つの事柄を並立させて話すときに使われます。AとBを並べて「A並びにB」と言うイメージです。「~と」との違いは、言葉の持つニュアンスです。

「~と」は使う場面によってはフランクな印象が強く、フォーマルな場にはそぐわないことがあります。一方で「並びに」はフランクになりにくく、ビジネスシーンはもちろん、フォーマルな場でも使いやすいのがポイントです。

「並びに」に句読点は不要

「並びに」を使って文章を作成するときに、気になるのが「句読点」の位置です。読点(、)が「並びに」の前に来るのか後ろに来るのかがわからないという人は多いかもしれません。

しかし「並びに」には句点(。)も読点(、)も要りません。「~と」であれば後に読点が付くことが多いですが、「並びに」には読点自体が不要です。

「並びに」の使い方とメール例文

「並びに」は使いなれていない人には少し難しく感じる言葉かもしれません。以下では「並びに」の使い方について解説します。

学校行事で使う「先生並びに」

「並びに」を使う場面はたくさんありますが、特に良く使われるのは学校行事です。「先生並びに」「父兄の皆様並びに」などは、誰でも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。

先生並びにクラスメイトの皆さん、3年間大変お世話になりました
先生並びに父兄の皆様は、体育館にお集まりください
先生方並びに体育委員はテントの設営を始めてください

学校行事には、入学式や卒業式、体育祭に文化祭など校外からの人を招く催し物が複数あります。そのような場面では来賓社の手前、ややフォーマルな言葉遣いをすることがあり、その際に「先生並びに」が使われます。

「先生並びに」は、先生方並びに、担任の○○先生並びに、など少し違った形に「並びに」を使うことが多いようです。

他にも「ご来賓の皆様並びに、卒業生並びに、在校生並びに」など、先生以外の人を刺す場合にも「並びに」は使われます。

「並びに」は敬語と一緒に使う

「並びに」はフォーマルな場面で使う言葉なので、敬語と一緒に使います。フランクな言葉、いわゆる「タメ口」と一緒に使うことはありません

・部長並びに専務は、今回のプロジェクトを成功に導いてくださいました
・A社社長○○様、並びに弊社取締役が力を併せてこの問題に取り組んでおります
・新商品のA並びに定番商品のBの両方を今回の展示会に出品することになりました

「並びに」は人だけでなく、物についても使います。物を「並びに」で表す場合の敬語は、話している相手にのみ向けられています。一方、人についての「並びに」と使う敬語は、話中で示されている人と、話している相手のどちらについても向けられます。

「並びに」の言い換えに使える類語との違い

「並びに」には似た意味を持つ言葉が複数あります。以下では「並びに」の言い換えに使える類語と、「並びに」との違いについて解説します。

「及び(および)」の違い

まず「及び」はとは「並べたものに付け加える」という意味です。「並びに」が、同じジャンルの事柄を2つ述べる「~と」の役割をするのに対して、「及び」は異なるジャンルのものを2つ以上述べる、「さらに」「付け加えて」などのニュアンスがあります。

・当日持ってくるものは、筆記用具並びに申込用紙、及び各自の飲み物です
・弊社の製品は、食料並びに飲料及び生活雑貨です
・田中部長及び営業部鈴木の2名がA社へ伺います

「及び」は「並びに」と同じで「~と」の役割をします。違いは「~と」で繋ぐものの種類です。同じジャンルでくくれるものは「並びに」で繋ぎ、違うジャンルのものは「及び」で繋ぐと覚えておくと良いでしょう。

また、「及び」は「並びに」や「・」などで並列させた後に、付け加えて用います。これは「及び」という言葉自体に「付け加えて」という意味があるためです。

特に並列させる情報がない場合は、「並びに」を使わず「及び」だけで文章や言葉を成立させることもできます。

「かつ」との違い

「かつ(且つ)」とは、2つの状態が同時に見られる様子です。

・彼女は非常に驚き、かつ喜んだ
・その車は美しくかつ高性能ともっぱらの噂だ
・部長の性格は、厳格かつ神経質だ

「かつ」はビジネス文書などでも頻繁に使われています。ある2つの状態が同時に起る場面を「かつ」で繋ぐと考えるとわかりやすいかもしれません。

「かつ」を使わずに2つの状態を同時に表すと、文章が冗長になり理解しにくくなってしまいます。「かつ」を使うことで、文章が簡潔でわかりやすいものとなるのです。