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「運びとなりました」の意味と使い方・例文
「運びになりました」という言葉はビジネスシーンでは比較的頻繁に聞かれるます。主には物事の進捗や経緯を発表する場面です。「運びとなりました」には、スマートに物事の動きを説明する働きがあります。
「運びとなりました」の意味は「決定しました」
「運び」とは、物事が滞らずに「進展する」・「進捗する」・「はかどる(捗る)」という意味で、「会議が予定通りに運ぶ(すべて滞りなく運んでいます)」といった使い方をします。
この「運び」に「となりました」が付くと「決定しました」という意味になります。
「運びとなりました」はフォーマルなシーンで使う
「運びとなりました」という言葉は「決定しました」「決まりました」という意味で使います。しかし、それらの意味であればいつでも使って良いというわけでもありません。
たとえば日常的な業務報告などで、上司へ「本日午後より会議の運びとなりました」などとはあまり使いません。「運びとなりました」はある程度フォーマルな、形式を重んじるシーンで使います。イメージとしては規模の大きな会議や、式典などです。
「運びとなりました」には意外性が含まれることも
「運びとなりました」という言葉では、物事の決定や経緯を説明するだけでなく、その内容に意外性も含まれることがあります。予想や予定と異なる進展を見せた場合などに「~の運びとなりました」を使うことで、その結末に驚くニュアンスを含めることもできるということです。
「運びとなりました」は多用しない言葉
「運びとなりました」という言葉には「決定しました」という意味と、状況によって「意外性」も含むということは先にお伝えしました。この「運びとなりました」という言葉の働きから考えるとわかるように、「運びとなりました」は多用する言葉ではありません。
たとえば、重要な決定事項の発表がいくつかあったとすれば、その中でも特に大きな決定や特に印象的な内容に「運びとなりました」を使い、その他の事項については「決定いたしました」「○○することになりました」など、日常的な表現を使います。
「運びとなりました」の言い換えに使える類語
「運びとなりました」という言葉は、日常で頻繁に使う言葉ではありません。そのため、似た役割をする類語を知っておくと便利です。
「~となりました」
もっとも日常的で、相手もそうなることをおおよそ予測していただろう、もしくは、そんなに意外とは思わないだろう、と思われる内容であれば「~となりました」を使います。「~となりました」とは、何かが何らかの変化をした、ということを単純に伝える言葉です。
「本日の会議は明日に変更となりました」「商談は本日の午後となりました」など、ビジネスシーンでは日常的に使われています。
注意すべきは「変化がないことには使わない」ということです。たとえば、もともと今日の午後に行われると決まっている会議が変更なく行われるという報告では「本日の会議は予定通り午後に行われます」です。
これを「本日の会議は予定通り午後に行われることとなりました」とすると、相手は「何か予定通りに行われない可能性があったのか」と考えます。
「~の次第となりました」
「~の次第(しだい)」とは、事の成り行きや経緯を表す言葉です。「これがこうなって、それからこうなった」という経緯を、「~の次第となりました」とすればスマートな表現とすることができます。
「次第」という言葉には「状態が変化する」という意味があり、「~となりました」と同様に、何かが変化したことを表す場合に使います。
「~となりました」よりも「~の次第となりました」の方がやや形式的でビジネス感も増します。しかし、日常的な用件であれば「~となりました」の方が適しています。「~の次第です」は、事件や事故、あるいは長期的な物事の結果などについて使います。
「運びとなりました」の例文
今回の契約は途中で頓挫するかと懸念されましたが、見事合意の運びとなりました。
紆余曲折でしたが、全員が参加できる運びとなり嬉しく思います。
当日は会長もご出席くださる運びとなりました。
この度定年を迎え、退職の運びとなりました。
長年勤めた会社を去ることは大変寂しいと思っていたのですが、ありがたいことに嘱託としてまた出勤できる運びとなりました。
皆様にはご報告が遅くなりましたが、この度結婚の運びとなりました。
さまざまな苦難を強いられた新商品ですが、この度やっと発売の運びとなりました。
もうだめか、と何度も挫折しかけた私ですが、この度東京大学へ入学の運びとなりました。
失敗ばかりの就職活動でしたが、何とか拾っていただける会社に出会い、就職の運びとなりました。