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「たたえる」の意味と漢字
「たたえる」という言葉は、職場やフォーマルな場などでよく使われています。しかし「たたえる」の意味を、何となくのイメージだけで把握している人は多いかもしれません。
まずは「たたえる」の意味と、漢字について解説します。
「たたえる」とは褒めて祝福すること
「たたえる」とは、優れた業績や立派な行為に対し、それを褒める言葉を述べ、その人や物を祝福することです。
社長は私たち総務部の仕事が会社に欠かせないものだ、とたたえてくれた
私たちは、新入社員でありながら営業成績を大幅に上回って達成した佐藤さんをたたえた
その国は、環境保護のための取り組みに積極的な点が世界からたたえられている
「たたえる」の漢字は「称える・讃える」
「たたえる」には、いくつかの漢字があります。その中でも「たたえる」と同じ意味を持つのは「称える」と「讃える」です。どちらも「たたえる」と読みます。
「称える・讃える」の、どちらも間違いではありませんし、用途についても明確には決められていません。
「称」は常用漢字には含まれていますが、「たたえる」という読み方が常用ではありません。「讃」は常用漢字に含まれていません。いずれにしても「常用」としては使えないため、公文書では「たたえる」とひらがなで書くようです。
「湛える」は液体で満たすこと
「たたえる」と読む漢字に「湛える」があります。
これは「液体で容器を満たす」という意味の「たたえる」です。他にも「表情などを通して、ある感情に満ちていることを表す意味」でも「湛える」が使われます。
コップにビールを湛える
彼は自信を湛えていた
「容器や表情」という「何かしらの器」が、何かで満たされていることを「湛える」と書くということです。
「たたえる」の使い方と例文
次に、「たたえる」の使い方を例文と一緒に解説します。
功績をたたえる
「功績をたたえる」とは、その人の過去の実績や、社会や会社に貢献した出来事についてたたえるという意味です。
すべての課員が課長のこれまでの功績をたたえた
私は彼の功績をたたえて、精一杯の拍手をした
「たたえる」は「功績」や「実績・実力」などと一緒に使われることが多い言葉です。
「称える・讃える」ではない「たたえる」
先に解説した「湛える」を使う言葉も多くあります。
- 喜色を湛える(喜色とはうれしそうな顔つきのこと)
- 笑みを湛える
- 美しさを湛える
これらは、湛えるのが持つ意味の1つである、「表情などを通して、ある感情に満ちていることを表す意味」に該当します。
表情や外観に、自信や喜びがあふれている様子を「湛える」で表しています。
「たたえる」の言い換えに使える類語
次に「たたえる」と似た意味を持つ類義語について解説します。
賞賛する
「賞賛(しょうさん)する」とは、褒めたたえることです。
その場にいた誰もが、彼の行いを賞賛した
私は彼の出した結果を、心から賞賛した
「賞賛」は「たたえる」とほぼ、同じ意味です。ただ「たたえる=褒めて祝福する」であるのに対し、「賞賛=褒めてたたえる(褒めて祝福する)」であるため、「賞賛」の方がさらに祝福の度合いが大きいことになります。
褒めたたえる
「褒めたたえる」とは、褒めた上にその行いや結果をたたえることを意味します。
社長は、業績回復に貢献した田中部長を褒めたたえた
彼は会長から褒めたたえられたことに驚きながらも、とても喜んでいたようだ
「たたえる」とほぼ同じ意味を持ちますが、「褒めたたえる」の方がやや大げさな印象が強いかもしれません。その人を褒めながら、少し大げさかと思いながらも、その人の功績や結果に周囲がとても喜んでいる様子を表します。
「たたえる」の英語表現
最後に「たたえる」の英語表現について解説します。
「たたえる」は英語で「praise」です。
I praise her decision.(私は彼女の決断をたたえる)
I honor her decision.(彼女の決断はたたえられた)
「praise」とは、日本語の「たたえる」を意味する言葉です。「honor」も同様に「たたえる」という意味で使われますが、どちらかと言えば「褒められる・栄誉を与えられる」という意味に近いかもしれません。