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致しますと申し上げますの使い分け・例文
「致します」と「申し上げます」は、本来の「します」・「言います」という意味の謙譲表現であると同時に、「御」(お、ご)を冠した言葉を前に置いて、「〜させてもらいます」・「〜して差し上げます」といった謙譲の意味も合わせ持っています。
後者の使い方の場合、前に来る言葉によっては「致します」と「申し上げます」のどちらでも使用することができます。
しかし、「致します」がどのような内容のセンテンスやフレーズに対しても使用できるのに対し、「申し上げます」は、通常、悪い意味を持つセンテンスやフレーズに対しては使用できません。
致します・申し上げますの使い分け例文
「致します」は二重敬語を防ぐために使うことができる
目上の人と話す時に、つい「〜させていただきます」という言葉が多くなる人は多いのではないでしょうか。
「〜させていただきます」という表現が二重敬語だとわかっていても「〜します」と言うのは抵抗があるものです。そんな時に「致す」という言葉を使うとスマートに自分の行為を表すことができます。
たとえば「決まり次第ご連絡させていただきます」というよりも「決まり次第ご連絡致します」とすれば、言いやすいだけでなく、相手にとっても聞き心地の良い語尾にすることができるでしょう。
「〜させていただきます」という表現は二重敬語ではありますが、現代ではさほど悪い表現だとは言われなくなっています。
「申し上げます」は格式を上げたい時に使うことができる
たとえば、相手にお礼やお詫びを伝えたい時に「ありがとうございます」「申し訳ございません」という言葉を使いますが、状況によってはそのような言葉では足りないと感じることがあります。
そんな時に「申し上げます」を使うと、お礼やお詫びの言葉がありきたりにならず、言葉に格式を持たせることができるでしょう。
「この度はご高配に預かり、誠にありがとうございます」という言い方で感謝の気持ちを伝えるよりも「この度はご高配に預かり、心より御礼申し上げます」とした方がお礼の言葉に格式を持たせることができます。
お詫びの場合も同じで「多大なるご迷惑をおかけし、誠に申し訳ございません」よりも「多大なるご迷惑をおかけし、心よりお詫び申し上げます」とした方が、謝罪の気持ちの強さが伝わりやすくなります。
「致します」「申し上げます」を使う相手は目上の人だけではない
「致す」「申す」という言葉は、どちらも正式な敬語表現であり、相手に対して失礼のない言い方です。そのため、目上の方へも十分に使うことができます。
しかし、相手が自分よりも年下の方であったり、役職などが自分よりも下の方である場合にも、これらの言葉は使うことができます。
その場面は主には書面です。手紙やメール、年賀状や挨拶状などでは、相手の年齢や立場に関わらず「致します」「申します」という言葉が使われています。