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お心づくし の意味と使い方・例文
お心づくし(御心尽くし)には2つの意味があります。
①真心や好意のこもっている状態
②人の親切・配慮・尽力などの行為そのもの
いずれも相手からの好意的な配慮を表し、「お心づくし」の言葉自体に相手への感謝の気持ちを込めて使います。
「お心ずくし」は間違い
「お心づくし」を文字にするとき、「お心ずくし」とするのは間違いです。お心づくしとは、「心を尽くす」という状態を表すため、元となるのは「尽くし(つくし)」です。
そのため「お心づくし」と書くのが正しく、平仮名の「ず」は使いません。
「(お)心づくし」は自分の行いには使わない
「お心づくし」または「心づくし」はいずれも相手への感謝の気持ちで使う言葉です。そのため、これらの言葉を自分の言動について使うのは誤りです。
「お心づくし」には「心を尽くす=最高の好意、最高の配慮」という意味が含まれているので、自分の言動について「心づくし」を使うと、自分で自分の言動を褒めていることになります。
「お心づくし」の使い方
「お心づくし」という言葉は少し古風なイメージを持っています。そのため日常で頻繁に使うことはないかもしれません。しかし、頻繁に使われない言葉だからこそ、適切な場面で使うと相手への感謝の気持ちが強く伝わります。
目上の人へのお礼には「お心づくし誠にありがとうございます」
たとえば、目上の人から何か心のこもったおもてなしを受けたときのお礼などにも「お心づくし」が使えます。
「本日はこのようなお心づくしのおもてなしをいただき、誠にありがとうございます」「〇〇様よりいただきました、お心づくしの〇〇は我が家の家宝にいたします」など、相手がしてくれたことや、相手からもらった品物など、どちらにも「お心づくし」という言葉で感謝を伝えることが可能です。
また、目上の人には「お(御)」を付けた「お心づくし」を使います。
目上の人以外には「心づくし」でも良い
相手が自分と同等、もしくは下の立場の人であれば「心づくし」という言い方をすることもできます。
「今日は僕のために心づくしをしてくれてありがとう」「〇〇さんの心づくしがうれしかったです」など、相手との関係によって「心づくし」の後の言葉とバランスを取るようにすると良いでしょう。
「お心づくし」の言い換えに使える類語
「お心づくし」という言葉の雰囲気から、普段のビジネスシーンでは少し使いにくいと感じることがあるかもしれません。以下では「お心づくし」の言い換えに使える類語をご紹介します。
「お心遣い(おこころづかい)」
「お心遣い」とは「相手の配慮に対する感謝」に使える言葉です。「お心遣いに感謝いたします」「お心遣い誠にありがとうございます」などと使います。
相手に感謝する場面では少なからず相手がこちらのために配慮をしてくれていることがほとんどです。「お心遣い」はその中でも「相手が自分のために思いやりの気持ちをもって行動してくれた」と感じたことに使います。
「お気遣い(おきづかい)」
「お気遣い」は日常でも良く耳にする言葉です。意味や使い方は「お心遣い」とほぼ同じで、相手の配慮に対しての感謝を表します。
「お心遣い」との違いは、強いて言うなら「配慮の仕方」です。「お気遣い」は相手がこちらを「心配して、気遣って」した行いについての感謝を表します。
こちらも「お気使い」は誤字ですので、メールや手紙に書くときは注意してください。
「お心入れ(おこころいれ)」
「お心入れ」は「お心づくし」と非常に似た雰囲気を持つ言葉ですが、「お心入れ」は「物」についてしか使いません。
「お心入れの贈り物をいただきありがとうございます」「お心入れの食事をおいしくいただきました」など、相手がこちらを思いやって手配してくれた物についてのお礼を言う場面で使います。
「ご高配(ごこうはい)」
「ご高配」はビジネスシーンでも頻繁に使われる言葉です。「ご高配」には相手からの気遣いや心遣いに感謝するという意味があります。
「平素より格別のご高配を賜り誠にありがとうございます」などは、ビジネスレターでの定型文として知られているでしょう。どちらかと言えば、口頭よりも文章内で使う言葉で、同じ意味を口頭では「日頃よりお引き立てをいただき」などがよく使われます。
何か折り入ってお願いをしたい場合や、節目の手紙、もしくはお祝いの手紙などには「ご高配」が使われることが多いでしょう。