【間違えやすい】ひとえに・偏に の意味と使い方・例文

ひとえに・偏に の意味と使い方・例文

ひとえに(偏に)は「一重に」であり、「唯一」という意味です。

使い方には二種類あり、ひとつは、専らその状態であることや唯一その理由しかないことを強調する場合です

もうひとつは、ある行為や行動に専念していることを強調する場合で、「ひたすら」・「一途に」といったニュアンスです。

前者の意味ではビジネスレターの中でよく使用されますが、後者の一途に、ひたすら〜するという意味での使用は、時代がかった古風な言い回しに感じられますので、現在ではあまり用いられません。

ひとえに(偏に)の例文

設立以来十有余年にして上場が叶いましたのも、偏に皆様のご指導・ご鞭撻の賜物と厚く御礼を申し上げます。
これも偏に貴社のご愛顧の賜物と衷心より感謝致しております。
今回の受賞は、ひとえに皆様のご支援・ご協力のお蔭でございます。
今後とも変わらぬ御贔屓のほど偏にお願い申し上げます。
失礼の段、偏にお詫び申し上げます。

「偏に(ひとえに)」の使い方

「偏に(ひとえに)」には「ただそれに尽きる」という意味と、「そのことだけをする様子」という意味があります。

たとえば「ここまで来られたのも、偏に妻のおかげです」と言えば、「妻のおかげに尽きる」ということを言っているので「ただそれに尽きる」の意味で使われていることがわかります。

「今回の件は偏に私の力不足が原因でございます」などとすると、同じ意味でお詫びの気持ちを表すこともできるでしょう。

つまり「偏に」という言葉の後に「名詞」が来れば「ただそれに尽きる」という意味となるのです。

一方、「ご無礼を偏にお詫び申し上げます」と言えば、「お詫びということだけをする」という意味ですので、「そのことだけをする様子」という使われ方がされていることがわかります。

また「この度はご成婚誠におめでとうこざいます、偏にお喜び申し上げます」とすれば、「ただただ喜ばしい」という気持ちを表すことができます。

つまり「偏に」の後に「動詞」が来ると「そのことだけをする様子」の意味で「偏に」を使うことができるのです。

このように「偏に」という言葉は単体ではどちらの意味であるかの判断をすることができません。前後の文章や話の流れによって意味を判別することになります。

「偏に」の言い換え

「偏に」には、いくつかの言い換えの言葉があります。

たとえば「ただただ」です。

「ただただ感激いたしております」などとすれば「ただ感激するだけに尽きている」という感激の極みを表現することができます。

わかりやすく考えるには「うれしい、ただそれだけだ」という気持ちが「ただただうれしい」となるのです。

しかし、ここでいう「それだけ」というのは「たったこれだけ」という意味ではなく「それだけで十分満足」という意味での「それだけ」を指していることに注意をしましょう。

この「ただただ」という表現は悲しい気持ちや、怒りなどにも使うことができます。「ただただ腹立たしい」「ただただ悲しい」なども使い方のひとつです。

また、「他でもない」という言い換えも可能です。

たとえば「今回の失態は、他でもない私の責任でございます」などとすることで「自分に責任がある」ということを強く表すことができます。

実際に、その人ひとりだけに責任があるというわけでなくても、責任者として責任を取るべき立場の人が「偏に私の力不足」などとして、自分を責める際に使われる言葉です。

また、「他でもない」という表現は人を称える時にも使われます。「他でもない、○○さんの尽力によってプロジェクトは成功を収めました」などとすることで、○○さん一人を称えることができます。