職務経歴書とは
職務経歴書とは、これまで自分がどんな仕事でどんな役割をしてきたのか、ということを伝えるための書類です。主には務めた勤務先や、勤務した企業についての情報、就いた役職や実際に行った業務内容、成果や評価などについて記載します。
つまり「私はこういう経験があり、こういうスキルを持っているため、採用に値します」と、相手先企業へ自分をアピールするための書類です。
個人の基本情報を書かないのが履歴書との違い
履歴書には個人の基本情報を記載します。ここで言う個人の基本情報とは、住所や電話番号、学歴やおおまかな職歴、保有資格や志望動機のことです。
職務経歴書の書き方
履歴書に比べて職務経歴書は書きなれていない人が多く、いざ書くとなると戸惑うことが多いようです。
以下では、一般的な職務経歴書の項目ごとに書き方について解説します。
経歴要約(職務要約)
まず「経歴要約」とは、おおまかな自分の職歴を簡潔にまとめたものです。目安とする文字数は150字~170字ほどでしょう。行にして3~4行ほどです。
大学卒業とともに食品メーカー〇〇株式会社へ入社いたしました。入社後は営業部へ配属され、約20社の既存顧客を担当しながら新規開拓にも取り組みました。近年では達成者が全体の20%ほどしかいない高い契約目標を3期連続で達成いたしております。新入社員の教育も担い、入社から目標達成までの最短記録を持つ優秀な社員も育成いたしました。
・さっと読んだだけでおおよそ何をして来たのかが理解できる
・相手が「この人をもっと知りたい」と思うような、魅力的な功績などが含まれている
・詳細については後に記載するので、簡潔であることを意識する
勤務先企業
「勤務先企業」とは、言葉通りこれまで勤めた勤務先の企業名です。
正確には、企業名だけでなくその企業の資本額や社員数、在籍期間や事業内容なども記載します。また、自分が採用されていた雇用形態についても記載が必要です。
株式会社〇〇商事
在籍期間:2010年~2021年(4月退職予定)
資本金:〇〇万円
従業員数:〇名
売上高:〇〇万円
事業内容:加工食品の製造・販売
雇用形態:正社員
・事業内容は、自分の業務内容ではなく「その企業の事業内容」
・資本金や従業員数は公式HPやパンフレット等で確認が可能
・文章よりも箇条書きの方が読みやすく理解がしやすい
職務経歴
「職務経歴」は職務経歴書のメインとなる部分です。
自分がどんな仕事をどのようにしてきたのかを書きます。職務経歴は「勤めた企業ごと」に書くため、転職をしている場合は複数書くことになります。
2010年4月~2015年8月
職種:電気メーカー
事業内容:電子機器部品の製造・販売
担当業務:生産ラインの設計・チェック/新人育成
業務実績:業務効率化を目的とした業務マニュアルの作成・改定/新入社員の育成(新人3年以内離職率50%低下)/生産ラインのコスト削減(前年より30%削減を達成)
・退職理由は記載しなくて良い
・具体的にどのような実績を出したのか、数字などを用いると伝わりやすい
・文章よりも箇条書きの方が読みやすく理解がしやすい
・専門用語を使用せず、誰が読んでも理解できることを意識する
自己PR
「自己PR」は言葉通りの意味と解釈して問題ありません。ただし、職務経歴書に基づいた自己PRであることは大切です。
たとえば、転職をする人が学生時代の経験を元にした自己PRをする、などはちぐはぐな印象を受けやすくなります。
自己PRの欄まで読み進めた相手が、納得しやすいような、これまでの職歴に絡めた自己PRを意識しましょう。
私は前職で「諦めずに考え続けることの大切さ」を身に着けました。コストの削減や、新入社員の離職率を低下させるための施策は、すでにいくつも実施されていました。これ以上できることはないという環境の中で「本当に今がベストの状態であるのか」と疑問を持ち続けたことで、さらなるコスト削減や離職率の低下につなげることができました。
誰もが当たり前だと思い込んでいた「予備部品の購入」は、週に1回の簡易的な設備点検により実は不要であることが判明しました。新人の離職を防ぐための面談は、その形式が新人にプレッシャーを与えていることがわかり形式を変えることができました。
これからも「仕方ない」とすぐに諦めてしまうのではなく、まだ試したことがない行動に思わぬ正解があるかもしれない、という前向きな精神で仕事に取り組みたいと思います。
・最初に「何を言いたいのか」という結論を書くと書き進めやすく、相手も理解しやすい
・可能な範囲で具体的な行動について記載する
・自己PRの内容を今後どのように活かしていきたいのかを書いて締める