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「律儀」の意味と漢字
まずは「律儀」の意味と漢字について解説します。
律儀とは「自分の信念に忠実な様子」
「律儀(りちぎ)」とは、人の性質を表す言葉です。「真面目で融通が利かないと思われるほど、自分の信念に忠実な性質」を「律義」と言います。
彼は律儀な性格で、たとえ10円であっても立て替えたお金は必ず返してくれます
課長の奥様は毎月「今月もよろしく」と、課員にお菓子を送ってくださる、何度も「気遣いはしないでください」と伝えているのに、とても律儀な方です
「りちぎ」の漢字は「律儀・律義」
「りちぎ」には、2つの漢字があります。「律儀」と「律義」です。一部の国語辞典には「律儀」としか記載がありませんが、「律義」も間違いではありません。
どちらの意味も「りちぎ」という言葉の意味から大きくは外れないことから、「律儀・律義」のどちらも使われています。
「律儀」の使い方と例文
次に「律儀」の使い方を例文と一緒に解説します。
「律儀」は褒め言葉に使われる
「律儀」は、その意味から「人の良いところ・長所」として認識されることがほとんどです。人の性質を説明する場面で「律儀」を使えば、褒め言葉として機能します。
彼の良いところは、律儀に挨拶をしてくれるところです、課員へはもちろん社内ですれ違うすべての人に、いつでも元気な挨拶をしてくれます
彼女はお金や時間にとても律儀だから、同僚や先輩社員からも評判が良い
「律儀すぎる」は過剰な気遣いである可能性
「律儀」は褒め言葉として使われることが多いですが、「律儀すぎる」になると少しニュアンスが変わります。「律儀すぎる」は、「その人の信念によってなされている言動が、少し行き過ぎている」という、ある意味での非難として使われることがあるためです。
彼は律儀すぎて、何かにつけて贈り物をしてくれるが、少々律儀すぎる気がする…こちらも気を使うしほどほどにして欲しい
うちの家内はとてもお金に関してとても律儀だから何かと助かることもあるが、たまに律儀すぎて窮屈に感じることもあるよ
「律儀」の類語と対義語
次に「律儀」の言い換えに使える類語と、反対の意味を持つ対義語について解説します。
律儀の類義語は「真面目・実直」
「律儀」と似た意味を持つ言葉は「真面目」または「実直」などです。「真面目」とは誠実なことで、「実直」は誠実で正直なことを意味します。
田中さんは真面目な人で、誰に対しても丁寧で親切な対応をします
課長はとても実直な方で、私たち部下に対してもごまかしたり、嘘をついたりしない人です
律儀の反対語は「不義理・恩知らず」
「律儀」と反対の意味を持つ言葉は「不義理(ふぎり)」または「恩知らず」などです。「不義理」とは、人としての義理を欠くこと、「恩知らず」は人から受けた恩に報いない人のことをいいます。
部長は懇意にしていた取引先の社長へ不義理をしてしまって、それが契約解除にも関係しているという噂だよ
私は彼が新入社員の頃、かなり面倒を見たのに、今は社内ですれ違っても挨拶もしない、恩知らずな人だ
「律儀」の英語表現
最後に「律儀」の英語表現について解説します。
「律儀」は英語で「honest」「faithful」
「律儀」を英語で表す場合は「honest」または「faithful」を使います。
She is an honest person.(彼女は律儀な人だ)
He is a faithful friend.(彼は律儀な友人だ)
「honest」は「正直」や「誠実・実直」という意味の名詞です。「faithful」は「誠実な・忠実な」という意味で、どちらも「律儀」という意味で使うことができます。