【間違えやすい】ご承知置きください の意味と使い方・例文

ご承知置きくださいの意味と使い方

「ご承知置き」は、動作性漢語名詞の「承知」で「する」の連用形「し」を省略したものに、「〜している」・「〜しておく」という状態の継続を意味する動詞「置く」の連用形が接続し、さらに尊敬の接頭語「御」を冠した尊敬語です。

承という漢字は訓読みで「承る」(うけたまわる)と読む謙譲語ですから、承知も本来は上位の立場の人から受けた指示を「承諾する」という意味の謙譲語であり、現在でも「承知しました」などの謙譲表現で用いられます。

しかし、江戸時代にはすでに人名になぞらえて「合点承知の助」(がってん承知のすけ)などという謙譲の態度を茶化した江戸っ子言葉が流行し、承知がより身近な言葉になった反面、謙譲語の「承る」の意味は薄らぎ、近代以降は謙譲の意味を持たない単なる「知る」という意味での使用が多くなりました。

昭和の著名作家たちの作品の中にも、「そのことは承知している」のような「知る」の意味での用例が数多く見受けられます。

「ご承知置き」は、そのような「知る」の意味での承知の用例であり、「知っている」・「理解している」や「知っておく」・「理解しておく」という意味で用いられます。

実際の使い方としては、「ご承知置きください」、「ご承知置き願います」という依頼の場合と、「ご承知置きのこと」という既知の物事を指す場合がほとんどです。

なお、「ご承知置き」は相手の承知している状態が継続している場合と今後継続することを意味する場合に使用する言葉です。単に現時点で承知していることに言及し、その状態の継続のニュアンスを含まない場合には、「ご承知」か「ご存じを使用します。

ご承知置きくださいの例文

本年より自治会の担当役員も変更になりますので、どうぞご承知置きください。
警備上の都合から、午後7時にて正面と東西のエントランスを閉じさせていただきます。以後は係の者がご案内して通用口からお帰りいただくことになりますので、どうぞご承知置きください
この度の貴社上場廃止による会員資格の喪失に伴い、会則の付帯条項に基づき、誠に遺憾ながら3月末日をもって退会処分とさせて頂きます。何卒ご承知置き下さいますようお願い申し上げます。
ルミネ横の路地は、駅前ロータリーから商店街への近道として皆様に長年利用されてきましたが、建物の改修工事にともない当分の間通行止めとなりますのでご承知置き願います
昨年10月に東京都より発表があり、住民の皆様にはすでにご承知置きのことと存じますが、区の担当工事区域が正式に決定いたしましたので、工区全体の工事計画と合わせて区担当工区の工事内容をお知らせいたします。
先般、□□各位には郵便にてお知らせし、ご承知置きのことと存じますが、来る□月□日より□□□道の建設工事を開始いたしますので、改めて工事の詳細につきお知らせ申し上げます。
かねてご承知置きの通り、本学では新領域の学問研究の高度化と開かれた大学として社会人教育並びにシニア世代教育のニーズに対応するため、武蔵野市・小金井市エリアへの新校舎建設と新学部開設の許可を関係当局に申請してまいりましたが、このたび諸計画が認可されましたので、その概要をお知らせいたします。
皆さんには、この本の出版記念日などよく忘れずにご承知置きくださり、本当にありがとう。今でもこの本の読者がたくさんいてくださるのは、ひとえに皆さんのお蔭です。心より感謝しております。

「ご承知置き」は目上の人に使える?

「ご」という丁寧語がついていることから、目上の人へも使えそうな言葉ですが、「ご承知置き」という言葉は、目上の人には使わない方が無難です。

「承知をしておいてください」という意味の「ご承知置き」は、目上の人から目下の人への申しつけです。「知っておくように」という言葉を丁寧語に変換して「ご承知置き」としています。

目上の人や取引先などに「このことは知っておいて欲しい」と伝えたいのであれば「お含み置きください」を使いましょう。

「ご承知置き」の「承知」は「知る」「認識する」など「具体的な物事の認知」にを表しています。一方で「お含み置き」は「心に留めておいてください」「気持ちの片隅に置いておいてください」と、感情に対しての要求をする言葉です。

目上の人に「ご承知置きください」と言うことは「しっかりと認識しておくように」と言っていることと同じで失礼です。「お含みおきください」と伝えて「きっと大丈夫だと思いますが、念のため心に留めておいてください」ということを伝えることができます。

「ご承知置きください」と「ご了承ください」の違い

「ご了承ください」

「ご了承ください」というのは「こういうことですから、よろしくお願いします」ということを伝える言葉です。

「こういうことですから」という言い方からもわかるように、基本的には「変更はできないこと」「反対されても覆らないこと」を表します。

「セール品の返品、交換は致しかねますのでご了承ください」というのは「気に入らなかった場合でも返品や交換ができないことはもう決まっていることです、そのことを知っておいてください」という意味です。

少し一方的な印象を受ける言葉であるため、目上の人や取引先などへ使う場合は注意しましょう。「ご了承願います」「ご了承のほど、お願い申し上げます」など後に続く言葉で丁寧な印象を持たせる必要があります。

「ご承知置きください」

「ご承知置きください」は自分よりも目下の人に使う言葉ですが、「今のところこうなっています」「こうなる予定です」という事実だけを表しているため、「一方的な伝達事項」という意味を持ちます。

「ご了承ください」のように「納得してください」「受け入れてください」という要望が含まれていない分、やや冷たい印象が受けることもあるでしょう。

「ご承知置きください」に返す言葉

目上の人から「ご承知置きください」と文書やメールで告げられた場合は、「承知いたしました」「かしこまりました」などと返します。

「○○の件について承知いたしました」などとすれば、より丁寧ですし「何について承知したのか」ということが明確になります。

また、「了解しました」というのは、目上から目下への言葉ですので、相手が目上の人の場合は使いません。