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「うぬぼれる」の意味と漢字
日頃よく耳にする「うぬぼれる」という言葉は、人の言動から読み取れる、人の感情を意味しています。意味や使い方を理解している、と思っている人が多い言葉の一つでしょう。
まずは、「うぬぼれる」の意味と漢字について解説します。
「うぬぼれる」は優れていると思い込むこと
「うぬぼれる」とは、「実力以上に自分のことを優れていると思い込むこと」です。
彼は自分に仕事の才能がある、と思い込んでうぬぼれている
当時の私は、自分が周囲とは違う、特別な人間だと思い込んで、うぬぼれていました
あのとき、うぬぼれるなよと注意してくれた先生のおかげで、私は自分を省みることができたのです
その人が持っている特性や技術、能力などを、本人が過剰に評価して、自分が周りの人よりも優れている、と思い込みことを「うぬぼれる」と言います。
「うぬぼれる」の漢字は2つある
「うぬぼれる」には2つの漢字があります。それは「自惚れる」と「己惚れる」です。
どちらで書いても「うぬぼれる」と読めるため、どちらが間違いということはありません。しかし、大半は「自惚れる」と書かれているようです。
「自・己」どちらも、自分を表す言葉で、「自分に(己に)惚れる」と書くことからも、その人が自分を過剰に評価していることが伝わります。
「うぬぼれる」の使い方と例文
次に、「うぬぼれる」の使い方を例文と一緒に解説します。
人が自分の才能や実力を過剰評価している場合
まず、「うぬぼれる」の本来の意味である「自分の才能や実力を過剰評価している場合」に使う「うぬぼれる」です。
当時の私は、自分が一番仕事ができる、とうぬぼれていました
彼は自分に絵の才能があるとうぬぼれているようだが、残念なことにそうでもないとの噂だ
この「うぬぼれる」はうぬぼれていた過去を持つ本人や、うぬぼれている人を客観的に見ている周りの人が使います。「うぬぼれる」という言葉自体に良い意味はないため、その人を非難する場面で使われるのが通常です。
人が調子に乗っている場合
「うぬぼれる」は、自分を過剰評価している事だけでなく、過剰評価した結果の言動などにも使われます。
彼は部長に一度褒められただけで、自分には周囲より仕事の才能がある、とうぬぼれるようになった
最近モテている彼女は、自分に合うのはもっと素敵な人だ、などとうぬぼれたことを言い始めた
元々はうぬぼれていなかった人が、何かのきっかけによって自分の優れた部分にこだわるようになり、その結果うぬぼれるようになった、という場合です。
「うぬぼれる」の言い換えに使える類語
次に「うぬぼれる」と似た意味を持つ類義語について解説します。
「調子に乗る」
先の例にも出て来た「調子に乗る」も「うぬぼれる」の言い換えに使える類語です。
受験に成功したからと言って、あまり調子に乗って自慢していると友達を失くすよ
告白が上手くいって恋人ができた彼女は、調子に乗ってのろけ話ばかりをするものだから周囲はうんざりしだしている
やはり、何かのきっかけによってうぬぼれるようになり、その結果調子にのった言動が目立つ様子が見て取れます。
「うぬぼれる」は本来、自分を過剰評価して周囲より優れている、と考えることです。つまり比較対象があって初めて「うぬぼれる」が成立する、ということになります。
「増長する」
「増長する(ぞうちょうする)」とは、「だんだんいい気になって、人を見下した振る舞いがはなはだしくなること」です。
もともとスタンドプレーが目立つ彼が部長に褒められたことで、ますますその姿勢を増長してきている
私は増長する自分のプライドを抑えることができなくなっていました
「増長」は、伸びていく・増えていく、という意味を持つ言葉です。そのため、もともと全くなかった要素については使いません。
「うぬぼれる」との関係は、うぬぼれた後に来るのが「増長」という点でしょう。何かが上手くいき、その人の中に芽生えたうぬぼれの感情が、だんだん大きくなっていく、または元々持っていた人に対しての良くない特性が伸びていく、これが「増長」です。