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「勇猛果敢」の意味と語源
「勇猛果敢」は、日常で頻繁に使われる言葉ではないかもしれません。四字熟語ということもあり、何となくのニュアンスで意味を解釈している人も多いでしょう。
まずは「勇猛果敢」の意味と語源について解説します。
「勇猛果敢」とは迷いのない決断をする様子
「勇猛果敢」の読み方は「ゆうもうかかん」です。
「勇猛果敢」とは、危険や困難を恐れずに、思い切りの良い決断をすることです。
彼は一歩間違えば、自分に疑いがかけられるとわかっていながら、堂々と名乗り出た、勇猛果敢な行動だったと思うよ
私は田中さんのように、勇猛果敢な人間になりたいのです、いつも危険を恐れて迷うばかりの自分に嫌気がさしました
少しの困難でも音を上げてしまううちの息子には、もっと勇猛果敢な大人へと成長してもらいたいと願っています
「勇猛果敢」には、「勇ましい勢いと思い切った決断力」という意味があります。
「勇猛果敢」の語源
「勇猛果敢」の語源は中国の漢書にあると言われています。
「勇猛果敢」が、漢書で使われた時点では、あまり良い意味ではありませんでした。「自分がしたことに疑いを持たず(自分を顧みず)」という様子を「勇猛果敢」と表していたようです。
その「勇猛果敢」が長い年月を経て、現代では先に解説したような意味へと変化しています。そのため、現代では「勇猛果敢」にネガティブなイメージはほとんどなく、良い意味で使われることしかありません。
「勇猛果敢」の使い方と例文
次に、「勇猛果敢」の使い方を例文と一緒に解説します。
勇気のある決断を迷わずにした場面
その人が、迷うことなく勇気のある決断をした場面で「勇猛果敢」が使えます。
課長は、部下のことを思って社長へ強く抗議をした、課長があんなに勇猛果敢な人だとは思っていなかった
田中さんは普段は大人しいが、いざという時には誰よりも勇猛果敢に挑む人なんだよ
私はやっぱり勇猛果敢な人に憧れます、どんな場面でもぶれずにいることが難しいと知っているからです
この場合の「勇猛果敢」は「勇猛果敢な人」「勇猛果敢に挑む人」、など少し変化します。「勇猛果敢」だけでも意味は通りますが(たとえば「彼は勇猛果敢」など)、会話の中では「~な人」とすることが多いでしょう。
自己PRや座右の銘として使う
「勇猛果敢」は、現代の日本ではポジティブな意味として使われています。そのため、自己PRの場や座右の銘としても使われることが多いようです。
私は自分の考えに自信がある時は、たとえ周りに反対をされたとしても勇猛果敢に突き進みたい、と思っています
私の座右の銘は「勇猛果敢」です、亡くなった祖父の教えで困難に負けず、自分の気持ちを強く持つ人間になることを目指しています
自己PRや面接での自己紹介の場などでは、できるだけ短い時間でスマートに自分をアピールしなければなりません。
「勇猛果敢」の言い換えに使える類語
次に「勇猛果敢」と似た意味を持つ類義語について解説します。
猪突猛進(ちょとつもうしん)
「猪突猛進」とは、これだと思ったらそこへ向かって突進するように、一途に向かっていく様子を表す四字熟語です。
彼女はどんな時も猪突猛進、目的に向けてまっしぐらだよ
猪突猛進は、私の長所でも短所でもあります
「猪突猛進」には動物の「猪(いのしし)」という文字が使われています。これは、猪の「まっすぐ走ることしかできない」という習性に倣った言葉だからです。
尚、「猪突猛進」は「勇猛果敢」のように必ずしも良い意味で使われる言葉ではありません。もちろん良い意味でも使われますが、「もっと周りをよく見て行動をしてほしい」など注意をする時にも使われます。
「猪突猛進も良いけれど、もう少し周りと足並みをそろえた方が良いよ」などがその例です。
剛毅果断(ごうきかだん)
「剛毅果断」とは、思い切った行動力と決断力を併せ持っている様子を表す四字熟語です。
田中君は、新入社員ながらなかなか剛毅果断なところがあるようだ、先日の商談での先方からの厳しい指摘にも臆することなくできちんと対応していたよ
父は剛毅果断な人です、どんなことでもその都度思い切って決断していきます
「剛毅」とは、意思が強く不屈であることです。「果断」とは、ためらわずに思い切って事にあたることを意味します。
強い意思を持って、ためらわずに行動したり、発言や決定をする様子が「剛毅果断」です。