【間違えやすい】申し上げます の意味と使い方・例文

申し上げます の意味と使い方・例文

「申し上げます」は、本来、「言う」の謙譲表現です。「言う」の謙譲語「申す」に、敬意を添えるための補助動詞「上げる」が付き、さらに丁寧語の「ます」が付くという構造です。

目上の人やお客様など敬意を払うべき人に対して、うやうやしく言葉を伝えるというニュアンスになります。

しかし、「申し上げます」は、やがて、本来の「言う」の謙譲表現とは別に、ひとつの定型句として別の意味も持つようになります。

「御」(お、または、おん)の付いた体言に「申し上げます」が接続して、「〜して差し上げます」とか、「〜させていただきます」という意味合いを持つようになりました。その良い例が、「御礼を申し上げます」と「御礼申し上げます」です。

「御礼(おんれい)を申し上げます」は、「言う」の謙譲表現であり、「お礼を言わせていただきます」という意味になります。

一方、「御礼(おんれい)申し上げます」は、「御礼」の後の助詞「を」が省略されていると見做すこともでき、その場合は同じく「お礼を言わせていただきます」という意味になりますが、「お礼させていただきます」と解釈することも可能です。

ただし、どちらでも意味に大差はありません。

申し上げますの例文

謹啓 春暖の候、貴社愈々ご隆盛の由、衷心よりお慶び申し上げます。
この度は誠に貴重なるお品を頂戴致しまして、厚く御礼申し上げます。
今後とも変わらぬご愛顧を賜りますよう伏してお願い申し上げます。
皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。
メールにて失礼とは存じますが、取り急ぎお知らせ申し上げます。

「申し上げます」の誤った使い方

「申し上げます」という言葉は、とても簡単に訳すと「言います」という意味です。

しかし、最初にもご説明した通り「上げる」という言葉が付いているので「こちらからあなたへ、申すを上げます」というニュアンスで使われます。

それ以外のシーンで「誰かが何かを言う」ということを表したい時は「申し上げる」という言葉を他の言葉に変えなくてはいけません。

自分の身内が「言う」を表す時は「申す」

たとえば、取引先との打ち合わせなどで「うちの佐藤部長は〇〇と言っていた」ということを先方に伝えたい時は「部長の佐藤は〇〇と申しております(おりました)」となります。

これは佐藤部長が話し手である自分に「〇〇」と言っていた、ということを先方に伝える場合です。

一方、佐藤部長がその席に同席をしている状態で「その件については佐藤部長から言います」ということを伝えたい場合は「その件につきましては部長の佐藤より申し上げます」となります。

これは佐藤部長がこれから話すことは、取引先である先方へ「上げる」ものだからです。

自分の身内へ「言っておきます」を表す時は「申し伝える」

先方より「部長の佐藤様へ〇〇とお伝えください」と伝言を依頼された場合は「かしこまりました、佐藤へそのように申し伝えます」となります。

そして、その内容を佐藤部長へ伝える時には「先方からの伝言を申し上げます、〇〇とのことでした」と伝えます。部長は自分からすれば目上の方ですが、身内では無い第三者の前では「上げる」は使いません。

ちなみに、その席にいない先方の方へ何かを伝えて欲しい時は「〇〇様へ××とお申し伝え願えますでしょうか」などとします。

先方が「言う」ということを伝える時は「おっしゃる」

目上の方や取引先の方などへ「気が付いたことは何でも言ってください」と伝えたい時などには「気が付いたことはどのような事でもおっしゃってください」と言います。

「相手が言う」というという動作に対して「申す」は使いません。「申す」はあくまでも、自分や自分の身内について使う言葉です。

ただし、自分の身内の発言であっても、話す相手が身内以外の第三者の場合は「おっしゃる」は使いません。取引先などへ「部長の佐藤がおっしゃっていました」とは言わず、「部署の佐藤が申しておりました」となります。

「申された」という言葉は無い

「申す」という言葉は、相手と自分の上下関係や、その場に居ない人の発言かどうかなどで「申し上げる」「おっしゃる」を使い分けていくことになります。

しかし、そこで混乱して「申された」「申される」という誤った言葉を使っている場合があります。

「申す」は自分、自分の身内の「言う」を表すので「された」「される」という敬語表現と一緒に使うことはできません。

「された」「される」を使う相手なのであれば、その前に付く言葉は「おっしゃる」です。「おっしゃった」「おっしゃる」となります。