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「折り入って」 の意味とは
「折り入って」とは、言葉自体に意味があるものではなく、「折り入って」という言葉を使うこと自体に意味を持つ言葉です。「折り入って」と言えば、暗に「二人きりでこれまでとは別の話をしたい」「一度けじめをつけて相談したいことがある」というニュアンスを相手に伝えることができます。
「折り入る」という言葉自体が現代で使われることは多くありませんが、もともとは「改まる」と似た意味を持っています。ここで言う「改まる」とは、態度や言葉をきちんと整えて、改まった上で話したり会ったりするということを意味します。
「折り入って」の使い方
「折り入って」は、日々頻繁に使う言葉ではありません。自分が何か真剣に考えてることを、相手に相談したり打ち明けたりするときにのみ使います。
「折り入って」は立場にかかわらず使える
「折り入って」という言葉自体には、敬語・謙譲語と言った言葉の種類はありません。そのため「折り入って」を使う相手は、目上でも同僚でも、部下などであっても問題がないということです。
「折り入って」を目上の人に使う場合は、「折り入ってご相談がございます」など、語尾をに謙譲語を持って来ることになります。
「折り入って」を使う内容
「折り入って」という言葉を使う場合の多くは、とても大切な相談事や打ち明け話などです。しかし、自分にとっては重要なことでも、相手にしてみればそれほどでもない、という内容もあるでしょう。
一般的に「折り入って」という言葉を使う内容は、退職・結婚・不幸事の報告などです。これは内容そのものの重要性だけでなく、ビジネスシーンには本来関係の薄い「結婚・不幸事」について、社内の人に相談や報告をする、という状況そのものについて「折り入って」が使われます。
「退職」の場合は、業務にかかわることですので「折り入って」を使っても、相手と重要性の違いが生まれることはほぼありません。
「折り入って」と一緒に使う言葉
お願い
「折り入って」の後に来る言葉の中でも多いのが「お願い」です。「折り入る」という言葉が持っている「けじめをつけて」という意味が、「普段の自分にけじめをつけて、真剣に」という姿勢を表すため、真摯にお願いをする様子に合いやすいためです。
ご相談
「折り入って」の後に「ご相談」を使う場面も多くあります。ビジネスシーンに限らず、私的な用件で年長者に時間を取ってもらう場合にも使います。
お話
「折り入って」の後に「お願い」「ご相談」など、用件がわかる言葉を使わず、「お話」とだけ言うこともあります。
「折り入ってお話がございます」などと使い、話の内容については大っぴらにしないことが多いようです。
そのため、特に内密にする必要がないことを話したい場合には合いません。
「折り入って」を使うときの注意点
「折り入って」は特別なお願いにしか使わない
「折り入って」は、自分だけでなく相手にも「気持ちを改めて聞いて欲しい」というニュアンスも含んでいます。そのため「折り入ってお願い」という場合は、それが特別な内容のお願いであることが前提です。
そのため、日常的なお願いごとや、軽度の面倒をかける程度のお願いであれば「折り入って」は使うべきではありません。
「折り入って」は頻繁に使わない
「折り入って」という言葉は「特別な言葉」であると認識しておきましょう。「特別」の概念は人によって違いますが、一般的には年に何度も「折り入って」を使うことはほとんどないと言えます。
「折り入って」の例文
「折り入って」の言い換えに使える類語
「改めて」
「折り入って」の言い換えとして、もっとも使いやすいのは「改めて」です。「改めて」とは「一度区切りをつけて」「けじめをつけて」という意味です。
「是非とも」
「折り入って」の言い換えに使える「是非(ぜひ)とも」は、「どうしても」「必ず」という意味を持っています。
「折り入って」が「けじめをつけて」という意味で使われることに対して、「是非とも」にはこちらの思い入れの強さが感じられます。
「無理を承知で」
「無理を承知で」とは、言葉通り「無理だと言われることはわかっていますが、それをわかった上でも諦めきれない」という意味の言葉です。