【目上へ】お手数をおかけしますの意味・使い方と例文

お手数をおかけしますの意味・使い方と例文

「お手数をおかけします」とは、「ご面倒をおかけします」とまったく同じ意味です。

こちらのために何かをしてくれる相手に対して、感謝やお詫びの気持ちを表現する常套句です。

また、例えば取引先や納入業者の人に対しては、相手に期待する行為が当然のことであり、殊更に感謝や謝罪の言葉を述べる必要がない場合でも、社交辞令として書き添えたり口にしたりすることも珍しくありません。

なお「お手数」の読み方には、「おてかず」と「おてすう」の2種類があります。

熟語の漢字を両方とも訓読みしている「おてかず」が本来の読み方であり、囲碁や将棋の指し手の数を意味して用いられたのがその由来と言われています。

一方、「おてすう」は熟語の読み方が変則的な湯桶読(ゆとうよみ)ですが、現代では、手数料という言葉が公にも認められているように、一般に誤った読みとは見なされていません。

いずれにしても文書上で仮名書きすることはないでしょうし、また、会話の中でどちらの読み方をしても問題ありません。

お手数をおかけしますの例文

お手数をお掛けして申し訳ありません。
お手数をお掛けして大変恐縮です。
お手数をおかけしますが、どうぞよろしくお願いします。
この度は、私の個人的なお願いで何かとお手数をお掛けいたしました
またお手数をお掛け致しますが、何卒ご容赦のほどお願い申し上げます。

「お手数をおかけします」は現在・未来に対して使う

「お手数をおかけします」という言い方は、語尾の「します」という言い方から現在形であることが想像されますが、通常は「現在、相手へ既に手数をかけている」という現在だけでなく「これから、相手へ手数をかける予定」という未来に対して使うことができます。

「お手数をおかけします」という言葉で「これから大変ですがどうか手伝ってください」ということを伝えることができるのです。

この「します」という語尾は、お手数の類語である「お手間」「ご面倒」「お手を煩う」などにも共通しており、「〜します」ということで「現在〜未来までについて」という意味を含んでいます。

さらに「お手数をおかけするでしょうが」「お手数をおかけすることと存じますが」と言えば、これも未来についての言葉として使うことができます。

お手数をおかけするでしょうが、何卒よろしくお願い申し上げます」「お手数をおかけすることと存じますが、何卒お力添えのほどよろしくお願いいたします」などと言うことで、あらかじめ今後の面倒についてお詫びと挨拶を伝えておくことができるでしょう。

過去形にするには「〜ました」とします。「お手数をおかけしました」「ご面倒をおかけしました」など、すでに終わっていることについてのお礼を挨拶として使うことができます。

「お手数をおかけします」を目上の人に使う

「お手数をおかけします」「ご面倒をおかけします」という言葉は目上の人へも使うことができます。

目上の人に手間をかけさせてしまう場合に「お手数をおかけして申し訳ございません」「ご面倒をおかけしております」などと伝えることで、「申し訳ないと思っています」という気持ちを伝えつつ「依頼したことについてお願いしたい」というこちらの意思を伝えることもできます。

「お手数をおかけします」「ご面倒をおかけします」に類似する表現で、「お手を煩わせて」という言葉もあります。

「手を煩わせる」という表現には「手伝ってもらって面倒をかける」という意味があるので「お手を煩わせて申し訳ございません」と言うことで「面倒をかけて申し訳ない」という気持ちを伝えることができるでしょう。

「お手数」と「お手間」の違い

「お手数をおかけします」と似た表現で「お手間をおかけします」という言葉もあります。

意味はほぼ同じで「面倒をかけて申し訳ない」という気持ちを表します。

「お手間をおかけします」の「お手間」とは「手間取る」という意味で、「手をかけさせる」ということです。相手に対しては「お手間をおかけして」などと使い、自分に対しては「手間取ってしまった」などと使うことができます。

一方、「お手数をおかけして」の「お手数」という言葉は丁寧語の「お」を取っても、自分に対して使うことはありません。

たとえば、誰かに頼まれたことを完了するまでに、予定より時間をかけてしまった場合には「思ったより手間取ってしまいました」などと「手間」という言葉を使いますが「手数をかけてしまいました」とは言わないということです。