「楽観的」の意味と対義語・ポジティブとの違いや例文

「楽観的」の意味

まずは「楽観的」の意味について解説します。

楽観的とは「気楽に考える性格」

「楽観的(らっかんてき)」とは、物事を気楽に考える性格の性質のことです。現在・過去・未来の時制にかかわらず、常に物事を気楽に考え、あまり深刻にならない性質を「楽観的」といいます。

彼女は楽観的な性格だから、今回のミスについてもあまり深くは振り返っていないだろう

私は楽観的な性格と言われますが、心の中では自分なりに真剣に考えていることもあります

「楽観的」は、あくまでもその言葉を使う人の主観による想像です。

自分のことを楽観的と思う人は、自分なりの物差しで「楽観的」の度合いを決めて、それに自分が当てはまっていると判断します。

自分以外の人のことを「楽観的」という人も、自分なりの基準で他人を見て「(自分から見れば)あの人は楽観的」と判断するのが通常です。

マイペースやポジティブと楽観的は違う

「楽観的」と混同されやすい言葉が「マイペース」「ポジティブ」などです。しかし、どちらの言葉も「楽観的」とイコールではありません

彼は周りがどんなにバタバタと忙しくしていても、いつも通りの自分のペースで仕事をしている、本当にマイペースな人だ

彼女はどんな苦境に立たされても、そこから学ぶことを探して自分の糧にしていく、ポジティブな人だよ

「マイペース」とは、良くも悪くも自分のペースやリズムを崩さない性質をいいます。「楽観的」には、自分のペースを守るという要素はありません。

「ポジティブ」とは、物事や状況の良し悪しにかかわらず、少しでも良い方向に向かおうと積極的に考え、行動をする性質のことです。

ポジティブは一見、楽観的と似ているようにも思えますが、「楽観的」は自分が考えたり動いたりして状況を好転させるのではなく、今自分が置かれている状況がいつか自然と上手い方向に行くだろう、と根拠なく考えているに過ぎません。

「楽観的」の使い方と例文

次に、「楽観的」の使い方を例文と一緒に解説します。

「楽観的」の言い回し

「楽観的」には複数の言い回しが存在します。以下では、「楽観的」の言い回しとそれぞれの意味について解説します。

楽観的すぎる

「楽観的すぎる」とは、常識的な「楽観的」の程度を超えていることを表す言い方です。

あなたの考えは楽観的すぎます、そのような考えでは事態を良い方向に向かわせることはできませんよ

楽観的に考える

「楽観的に考える」は、物事や現状を自力でどうにかしようとせずに、一度手放してみるという意味で使われることがあります。

あなたはもうやれるだけのことは全部やったのだから、少し楽観的に考えて、事態を見守っても良いのかもしれない

楽観的な人

「楽観的な人」とは、物事や状況を「なんとかなるだろう」と根拠なく考える人のことです。

課長の口癖は「どうにかなる、なんとかなる」ばかり、楽観的な人なのだろうけどもう少し真剣に考えてほしい

楽観的になる

「楽観的になる」とは、今は楽観的でない人が、これから楽観的に変わろうとする様子です。

私は入社してから今まで、何でも深く考えすぎたかもしれない、少し楽観的になることにした

楽観的に生きる

「楽観的に生きる」とは、生き方そのものについて使われます。小さなことを気にせず、気楽に生きていく、という様子が「楽観的に生きる」です。

父は定年退職をし、これからは気楽な毎日を楽しみたいと言っている、楽観的に生きるつもりのようだ

「楽観的」は褒め言葉ではない場合がある

「楽観的」は、物事を気楽に考える性質です。何でも深刻に考えすぎず、ある程度楽観的でいることは悪いことではないでしょう。しかし、「楽観的」という言葉が必ずしも褒め言葉であるとは限りません

「楽観的」を褒め言葉で言っているか、そうではない意味で言っているかは、その人によります。そのため「楽観的」という言葉だけでは、誉められたかどうかはわかりません。

中には「物事を真剣に考えない、気楽すぎる人」というネガティブな意味で「楽観的」という言葉を使っているかもしれないからです。

「楽観的」の類語と対義語

次に「楽観的」の言い換えに使える類義語と、反対の意味を持つ反対語について解説します。

「楽観的」の類義語は「楽天的・能天気」

「楽観的」の類語は「楽天的(らくてんてき)」「能天気(のうてんき)」などです。

新入社員の鈴木君が遅刻したので注意をしたら、明日はきっと大丈夫です、と笑顔で言われたよ、楽天的な人だね

田中君は同期が次々に出世しているのに、特に何も感じていないようだ、能天気とは知っていたがここまでとはね

「楽天的」とは、物事を良い方向に考える性質のことです。特に根拠や理由がなくても、何となく上手くいくだろうと考える性質を指します。

「能天気」とは、のんきで何も深く考えない性質のことです。いつものんびりとしていて、周囲や他人に影響されない様子を表します。

「楽観的」の反対語は「悲観的・現実的」

「楽観的」の対義語は「悲観的・現実的」などです。

彼女はいつも悲観的で、失敗することばかり考えている

彼の仕事は誰がどう見ても上手く進んでいるが、本人はとても現実的で、常に仕事のやり方を見直している

「悲観的」とは、すべてを悪い方向に考えてしまう性質のことです。「ネガティブ思考」と似た性質を指します。「楽観的」は、物事を気楽に考えるため、反対の意味を持つ対義語と言えるでしょう。

「現実的」とは、目の前の現実に重きを置いている考え方です。現実をよくみて、現実に即した行動や言動をとります。やはり「楽観的」のような気楽さはないため、対義語といえます。

「楽観的」の英語表現

最後に「楽観的」の英語表現について解説します。

「楽観的」は英語で「optimistic」

「楽観的」を英語で表す場合は「optimistic」を使います。

She has an optimistic turn of mind.(彼女は楽観的な性格だ)

How can you be so optimistic about the now?(なぜ今の状況を楽観的に考えられるの)

「optimistic」とは「楽観的な」という意味を持つ形容詞です。ちなみに、「悲観的な」は「pessimistic」で表せます。