「かたわら」の意味と使い方・例文

「かたわら」 の意味

「かたわら(傍ら)」には3つの意味があります。

人や物事のそば・わき

1つ目の意味は「人や物事のそば、またはそのわき」というものです。

「私のそばにはネコがいる」→「私の傍らにはネコがいる」
「郵便局のわきにある喫茶店」→「郵便局の傍らにある喫茶店」

「そば(側)」とは、日常の会話でも使われる「~のすぐ近く」という意味です。ニュアンスとしては、自分の手が届くような極めて近い場所を意味します。

「わき(脇)」は、主には建物や物の横、という意味で使われます。

つまり「私の傍らにはネコがいる」という例文は「自分の手が届くほど近い場所にネコがいる」という意味になり、「郵便局の傍らにある喫茶店」とは郵便局の横、もしくはその近くにある喫茶店、という意味です。

端に寄った所

2つ目の意味は「道や場所の端に寄った所」というものです。

「通路の端には消火器が置いてある」→「通路の傍らには消火器が置いてある」
「球場の端にボールボーイが座っている」→「球場の傍らにはボールボーイが座っている」

端に寄った所とは、前方に長く広がる視野や、上下左右に広がる視野の中の端というイメージです。

「通路の傍らには消火器が置いてある」とは、通路の端に置かれた消火器を表し、「球場の傍らにはボールボーイが座っている」とは、広い球場の端に寄った所にボールボーイが座っている状況を表しています。

物事のもう一方

3つ目の意味は「物事のもう一方」というものです。

「彼は仕事をする一方で子育てもしている」→「彼は仕事の傍ら、子育てをしている」
「私は電話を取りながら報告書を書いていた」→「私は電話を取る傍ら、報告書を書いていた」

物事のもう一方とは、言い方を変えれば「~しながら」「~と平行して」という意味です。2つ以上のこと同時に行う様子や、同じ時間や日の間に複数のことをする様子を「傍ら」で表します。

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「かたわら」の使い方と例文

・場所を表す「かたわら」は前の言葉で場所をイメージする

「人や物事のそば・わき」「端に寄った所」この2つのかたわらは、「傍ら」という言葉だけではその場所や位置がイメージできません。いずれも「傍ら」の前にある言葉で、どちらの意味の「傍ら」であるかを判断します。

「デスクの傍らにあるカレンダー」→「デスク」という場所を表す言葉が前にあるため「デスクの端に寄ったところにあるカレンダー」という意味であることがわかります。
彼の傍らに置いてある手帳」→「彼の」という人を表す言葉が前にあるため、「彼の手が届くほど近くに置かれている手帳」という意味であることがわかります。

前の言葉だけで判断できない「傍ら」もある

たとえば「公園の傍らにあるスーパー」と言うと、前の言葉が場所を表す「公園」であるため、「公園の隣か近くにあるスーパー」と解釈できます。

しかしこれが「スーパーの傍らにある公園」だとどうでしょうか。人によっては、やはり「スーパーの隣、ないしは近くに公園があるのだろう」と受け取りますが、「スーパーの敷地内(の端に寄った所)に公園があるのだろう」と受け取る人もいるのです。

つまり、話の内容や話し手の言葉の選び方によっては「人や物事のそば・わき」と「端に寄った所」の解釈が、聞き手に任されることがあります。
ポイント
「人や物事のそば・わき」「端に寄った所」のいずれかの意味で「傍ら」を使う場合は、相手がイメージしやすい言葉と一緒に使う、もしくはよりイメージしやすい別の言葉を使う、など工夫をした方が良いでしょう。

物事のもう一方の意味で使う「かたわら」

「~しながら」の意味で使う「傍ら」は、会話の中や文章、小説などの中など多くの場面で耳にします。「~しながら」と意味は同じですが、「傍ら」の方がやや情緒的または文章的というニュアンスがあります。

「彼女は体の弱い母親の世話をしながら仕事をしています」と言うよりも、「彼女は体の弱い母親の世話をする傍ら、仕事をしています」と言った方がエピソードや物語に向いたニュアンスを出せるためです。

しかし、この意味での「傍ら」は日常会話でも使われます。「育児の傍ら家事もするのは大変なことだ」「部長は接待の傍らで、新しい商談を始めている」など、いずれも「その人が忙しく、大変な様子」を表します。

滑稽な様子を意味する「傍ら痛い」

「傍ら」という言葉を使った慣用句に「傍ら痛い(かたわらいたい)」があります。これは「自分以外の人の言動がばかばかしく、滑稽な様子」を表す言葉です。

「傍ら痛い」は「かたはら痛い」とも言われており、どちらも間違いではありません。

「うちの息子の身勝手な言い分には、腹立たしいのを通り越して傍ら痛いよ」
「先方の出して来た条件があまりに図々しく傍ら痛いというものです」

「傍ら痛い」は、ただ面白くて滑稽なことを指すというよりも、怒りの気持ちと一緒に滑稽さを感じているときに使われます。

そのため、純粋に面白い・楽しいという意味で笑う様子には「傍ら痛い」は使いません。
間違えやすい「しかしながら」の意味と使い方・例文

「かたわら」の類語

そば・わきの意味では「左右・周り」

「傍ら」を「人や物事のそば・わき」という意味で使う場合には、「左右・周り」などが類語となります。もちろん「そば(側)・わき(脇)」を使っても問題ありません

「彼の傍らにはいつも彼女がいる」→「彼の側にはいつも彼女がいる」
「会社の傍らにはコンビニがある」→「会社の周り(左右)にはコンビニがある」
「公園の傍らにはいつも多くの子供がいる」→「公園の周りにはいつも多くの子供がいる」

端に寄った所の意味では「側面・端・横面」

「傍ら」を「前後上下左右の視野や空間の端に寄った所」という意味で使う場合は「側面・端・横面(よこつら)」などが類語となります。

「会場の傍らに飾られた花」→「会場の側面に飾られた花」
「オフィスの傍らに置かれたキャビネット」→「オフィスの端に置かれたキャビネット」
「車の傍らについた傷」→「車の横面についた傷」

物事のもう一方の意味では「ながら・がてら・ついで・旁旁」

「傍ら」を「物事のもう一方」という意味で使う場合は「ながら・がてら・ついで・旁旁(かたがた)」などが類語となります。

「勉強の傍らアルバイトも頑張っている」→「勉強をしながらアルバイトも頑張っている」
「散歩の傍ら郵便局に寄って手紙を出した」→「散歩がてら郵便局によって手紙を出した」
「スーパーへ買い物に行く傍ら銀行へも行った」→「スーパーへ買い物に行ったついでに銀行へも行った」
「新年の挨拶の傍ら食事に誘った」→「新年の挨拶旁旁食事に誘った」

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