間違いやすい「起死回生」の意味と使い方・類語と例文・英語

「起死回生」の意味と語源

まずは「起死回生」の意味と語源について解説します。

「起死回生」とは窮地を立て直すこと

「起死回生」は「きしかいせい」と読みます。「起死回生」の意味は「窮地を立て直すこと」です。「窮地(きゅうち)」とは、追い詰められた苦しい立場のことです。ピンチと言い換えることもできます。

この「窮地」を立て直したり、そこから逃れることを「起死回生」と言います。

彼がこの状況から抜け出すには、起死回生の一手が必要だ

あの頃の僕は、八方塞がりでどうにもならないと思い込んでいたけれど、思わぬきっかけで起死回生を図ることができました

自分や他人が窮地に立たされている状態から、復活することを「起死回生」と言いますが、「起死回生」は日常での単なる困りごとには使いません。

人生を左右するような大きな窮地や、もうどうにも尽くす手がないという追い込まれた状況から立ち上がることを「起死回生」と言います。

「起死回生」の語源は「生き返らせる」

「起死回生」の語源は、死んでしまいそうな人を生き返らせる、という様子です。

「起死」とは、死んだ人が起き上がる(生き返る)様子を表し、「回生」とは生き返ることです。つまり「起死回生」とは、生き返る様子を表す言葉を2つ重ねて強調しているのです。

この「起死」と「回生」を重ねることで、何としてでも生き返らせる(復活させる)という意味にしたことが「起死回生」の由来と言われています。

「起死回生」の使い方と例文

次に、「起死回生」の使い方と例文について解説します。

起死回生の一手

まず、「起死回生の一手」とは、復活するための手段のことです。「一手」とは囲碁や将棋で、石や駒を動かすことを指します。自分や他人が置かれた状況から逃れるために、何かの行動に出ることを囲碁や将棋になぞらえて「一手」と表しているのです。

私は自分のためだけでなく、会社のためにも起死回生の一手に出ることを決めた

彼が選んだ起死回生の一手は、見事に復活の第一歩となった

「起死回生の一手」は、ひとつのフレーズとしてよく使われます。

「起死回生の一手」は、今現在窮地に立たされている人が「これが復活のきっかけになるだろう」と信じて行う行為、もしくは過去に窮地に立たされていた人が「今思えばあの行動が復活のきっかけになった」と感じる行為のことを指します。

そのため、その行為が「起死回生の一手」という言葉に相応しいかどうかは、その窮地を脱してからしか判断できません。

起死回生の一発

「起死回生の一手」になぞらえて変換した言葉が「起死回生の一発」です。「起死回生の一発」は、主に野球などスポーツについて使われます。

「起死回生の一手」が古くから使われているフレーズであるのに対して、「起死回生の一発」は近年使われ出した言葉と言えるでしょう。

9回裏の最後のバッター、何とかここで起死回生の一発を出して欲しい

あの試合に勝てたのは、彼が放った起死回生の一発のおかげだよ

「起死回生の一発」も文法的に誤った表現ではありませんし、スポーツ中継などではよく使われる表現です。ビジネスシーンで使うとすれば、「起死回生の一手」よりも、その一手に勢いを持たせたい場面で使われることが多いでしょう。

ただし、ビジネスシーンにおいて「起死回生の一発」を使うと、「起死回生の一手」を誤って認識していると誤解される可能性ががあるため、比較的身近な人との会話に留めた方が賢明です。

起死回生を図る

「起死回生」は「図る(はかる)」という言葉で表現します。「起死回生をする」「起死回生を行う」などとは言いません

彼女は今、起死回生を図ろうと懸命に努力をしている

部長は結局起死回生を図れず、そのまま退職に追いやられた

反対の方向から考えれば、「起死回生」という言葉は「図る」という言葉がなければほぼ使われることがありません。なぜなら「起死回生」の目的は「起死回生からの復活を試みる(図る)ため」だからです。

そう考えると「起死回生」と「図る」は切り離して考えることはできず、おのずと「図る」と一緒に使うことになります。

「起死回生」の言い換えに使える類語

次に、「起死回生」の類語について解説します。

類語は「立て直しを図る」「再建を図る」

「起死回生」の類語として言い換えに使える言葉はたくさんあります。その中でも「起死回生」とニュアンスが近いのは「立て直しを図る」「再建を図る」です。

田中部長は、営業部の立て直しを図るために他社へヒアリングを行っているようだ

A社の再建を図るには、やはりヒット商品が欠かせないだろう

「立て直しを図る」「再建を図る」いずれも、形が崩れてしまいそうなものを元に戻そうとするというイメージで用いられる言葉です。状況や物事を生き返らせる、という意味の「起死回生」の類語として使えます。

「立て直し」「再建」のいずれも、状況や物事の様子を建物になぞらえた表現ですが、建物や建築物についてしか使えないわけではありません。

四字熟語では「捲土重来」「一発逆転」

「起死回生」の類語として使える四字熟語もあります。それは「捲土重来(けんどちょうらい)」「一発逆転」です。

「捲土重来」とは、一度窮地に立たされて失敗した人が驚異の勢いを持って復活する様子を表します。「一発逆転」とは追い詰められた状況を一気に回復させることです。

彼のどん底からの復活はまさに捲土重来、すさまじい勢いだった

我が社を救うためには、何か一発逆転できるような斬新な方法が必要です

「捲土重来」とは、再び土煙が上がる様子を表す四字熟語です。「捲土」とは土煙が上がる様子、「重来」とは再びという意味です。一度倒れた者がもう一度土煙を上げて蘇って来ることを指します。

同じ四字熟語である「起死回生」と「捲土重来」は非常に似た意味を持っています。違いがあるとすればその勢いです。

イメージでは「起死回生」は一歩ずつ復活への道を歩み、「捲土重来」は勢いを持って蘇ってくる、と考えると良いでしょう。

「起死回生」の英語表現

最後に「起死回生」の英語表現について解説します。

「起死回生」は英語で「revival from the dead」「resuscitation」

「起死回生」を英語で表現する場合には「revival from the dead」または「resuscitation」を使います。

「revival」は復活を意味する単語です。昔の曲が蘇って生まれ変わることを「リバイバル」と言いますが、それが「revival」です。「from the dead」は「死から」という意味です。つまり「revival from the dead」とは、死からの復活という意味として使われます。

He revived from death.(彼は死から復活した)

「resuscitation」は、日本語の「起死回生」に近い意味を持つ単語です。「resuscitation」には「蘇生」「蘇る」という意味があり、その意味を「起死回生」の状態に当てはめて使われます。

しかし「resuscitation」は、本来の意味である「蘇生」で使われることが多く、主には医療関係で頻繁に使われる言葉でもあります。