目次
「雄弁」の意味と読み方
まずは「雄弁」の意味と読み方について解説します。
「雄弁」とは堂々と力強く話す様子
「雄弁」とは、堂々とした様子で、力強く話す様子のことです。
彼が雄弁であることは社内の誰もが知っている、彼がライバルなら今回のプレゼンで田中君が勝つことは難しいかもしれない
雄弁なスピーチは、聴く人の心を動かすだけでなく、強い説得力で相手を虜にしてしまう
雄弁の「雄」とは「強くて勇ましく、優れている」という意味です。「弁」は「ものの言い方・話の仕方」のことです。つまり「雄弁」とは、「人を惹きつけるような力強さを持つ、よどみのない優れた話し方」を指します。
「雄弁」の読み方は「ゆうべん」
「雄弁」の読み方は「ゆうべん」です。
「雄弁」の使い方と例文
次に「雄弁」の使い方を例文と一緒に解説します。
「雄弁を振るう・雄弁に語る」は話し方を表す言い回し
「雄弁」は「振るう・語る」などの言い回しと一緒に使います。
彼女は多くの社員の前で、物おじすることなく雄弁を振るった
私はいつもおとなしい課長が、会議で雄弁に語る姿を見て、驚いたとともに大変頼もしく感じた
「~を振るう」は、「雄弁」以外の「熱弁を振るう」「弁舌を振るう」など、話すことについて使われる言葉です。いずれに場合も、堂々と話す様を「振るう」と表現しています。
「語る」も、話すことについてよく使われる表現です。
「雄弁な人」は話し方を通してその人を表す
「雄弁な人」とは、雄弁に話す人のことです。人の特徴の一つとして「雄弁」を挙げた場合に「雄弁な人」とその人のことを説明することができます。
以前の彼女はあんなに雄弁ではなかった、やはりアメリカ留学で鍛えられて、雄弁な人となったのだろう
雄弁な人の話には確かに引き込まれるけれど、一つひとつの言葉を大切な話すような、じっくりとした話し方も好きだ
「雄弁は銀沈黙は金」は沈黙することの価値
「雄弁は銀、沈黙は金」とは、イギリスの思想家による言葉です。「雄弁でいることは素晴らしいことだけれど、沈黙すべきと心得ていることはさらに大切なことだ」と言っています。
彼は確かに雄弁だが、余計なことを言いすぎるのも事実だ、雄弁は銀沈黙は金とはよく言ったものだな
田中君は先日の会議で、余計なことを言ったばかりに立場が悪くなった、雄弁は銀沈黙は金とはこのことだと思ったよ
「沈黙は金=沈黙すべきと心得る」とは、余計なことを言わずに黙っていた方が良いときもある、という意味です。
「雄弁」の類語と対義語
次に「雄弁」の言い換えに使える類語と、反対の意味を持つ対義語について解説します。
「雄弁」の類義語は「饒舌・立て板に水」
「雄弁」の類語には「饒舌(じょうぜつ)」「立て板に水(たていたにみず)」などがあります。
「饒舌」とは「口数が多い、おしゃべり」という意味です。「話がくどい」というニュアンスも含んでいます。
お酒のせいか、彼女はいつもより饒舌で、自分の家族のことをあれこれと話していた
彼は雄弁というよりは、饒舌ですね、話がくどくておしゃべりという印象です
「立て板に水」とは「よどみのない口調で流暢に話す」という意味です。言葉が途切れず、スラスラと話し続ける印象を表します。
彼女は立て板に水のごとく、自分が発案した企画について説明し始めた
日頃無口な部長も、最近生まれたお孫さんの話になると、まるで立て板に水、別人のように話し始める
「雄弁」の対義語は「訥弁・口下手」
「雄弁」と反対の意味を持つ対義語には「訥弁(とつべん)」「口下手(くちべた)」などがあります。
「訥弁」とは、話し方がなめらかでなく、つかえながら話す様子です。話すことが得意でなく、訥々(途切れ途切れ)に話す様子を「訥弁」といいます。
課長は訥弁な人だが、その分言葉を慎重に選んで話してくれている気がして、僕はとても好きだ
私は訥弁なので、皆さんの前で話すと考えただけでも頭が痛くなります
「口下手」は日常でも頻繁に見聞きする言葉です。「話すことが苦手な様子」を「口下手」といいます。
彼はとても口下手な人ですが、私の両親の前では誠意を持って話してくれていました
取引先の田中さんは、確かに口下手ですが、こちらの質問に精一杯答えようとしてくれます
「雄弁」の英語表現
最後に「雄弁」の英語表現について解説します。
「雄弁」は英語で「eloquently」
「雄弁」を英語で表す場合には、主には「eloquently」を使います。「eloquently」とは「雄弁に」を意味する副詞です。
He expressed his ideas eloquently.(彼は自分の考えを雄弁に語った)
Speech is silver, silence is golden.(雄弁は銀、沈黙は金)
例文の「Speech is silver, silence is golden.」には「eloquently」は含まれていません。これは「雄弁は銀、沈黙は金」をそのまま英語にしているためです。「eloquently」が使われていなくても、決まり文句として「雄弁は銀、沈黙は金」が伝わります。