当方 の意味と使い方・例文

当方 の意味

当方とは、自分の属している企業・団体・グループなどを指す言葉です。

また、私生活面においても、自分の家族・親族といった血縁・姻戚関係の集団を指して使う場合もありますし、自分自身のことをそう呼ぶ場合もあります。

当方を使った文書の例文

先方にはプロジェクトの目的や実施方法について誤解があったようですが、先日の会合でその誤解も解け、当方の提案を快く受け入れてもらえました。
今に至って先方からまた新たな修正案が提出されました。当方はすでに再三再四にわたる修正案の検討に応じ、十分な譲歩も重ねてまいりましたので、これ以上の建設的な交渉は不可能と判断し、交渉の打ち切りを先方に伝えました。
向こうの言い分は、地上4階・地下1階は建築基準法に則った合法的な設計プランなので譲れないということでした。ただ、当方の主張にも配慮して敷地の公道沿いに広い歩道を設置し、建物周囲に十分な植栽エリアを確保すると区の担当者に対しても約束しましたので、この条件で妥協しました。
会場内に陳列された商品の盗難・紛失・破損等について、当方は一切の責任を負いかねます。出店者各位が各自の責任で被害・事故が起きないようご注意ください。
応募者の個人情報につきましては、別掲の「個人情報取扱規則」に従い、適性に管理いたします。また、不採用となられた応募者の個人情報は、同様に当方にて責任をもって廃棄処分いたします。
当館敷地内で拾得された一般の遺失物は、食品類等を除き原則として1年間保管いたします。拾得から1年以上経過したものにつきましては、当方の責任で処分させていただきます。なお、現金、有価証券類、宝飾品等の遺失物は当方より警察に届け出ます。
件の事業の担当官庁は当省ですが、お問い合わせの事項につきましては内閣府の専管事項ですので、当方ではお答え致しかねます。申し訳ございませんが、内閣府大臣官房政府広報室までお問い合わせください。

当方 の使い方

ビジネスシーンで当方という呼び方を使うのは、会議・打ち合わせなどの際に口頭で使うことは個人の口癖として珍しくないかもしれませんが、書簡、資料、その他の文書上で使うことは、極めて限られた特殊な状況の場合だけではないかと思われます。

考えられるそのようなケースとしては、法律関係のトラブルにおける折衝関係の文書くらいではないでしょうか。

対外的・内部的を問わず、通常、文書上では当方と書かず、弊社・弊店・当社・当店・私どもといった一人称を使います。

ちなみに、当方の反対語は先方です。文書上で先方と記すことはよくあります。

「当方」は自分を含むチームや団体に使用する

例えば、取引先との会話の中で「私どもといたしましては」「弊社は」などと表現するところを「当方」に言い換えて使うことができます。

とても簡単な言葉にすると「私たち」という意味です。

自分ひとりの「個人」を指す場合には「私(わたくし)」を使うのが基本ですが、ビジネスの場においては自分自身の個人のことを「当方」と呼ぶこともありますので、柔軟な受け取り方が必要な言葉でもあります。

「当方」は社内・内部的には使用しない

「当方」という言葉は、「弊社」「私ども」などと同じで、社内・内部的に使うことはなく、社外・対外的な表現です。

例えば、社内において自分の所属している部署やチームのことを伝えたいのであれば「私ども」、自分個人のことについて伝えたいのであれば「私」という言葉を選びましょう。

「当方」「弊社」「当社」「私ども」の使い分け

この4つの言葉は、どれも「私たち」を意味していますが、使い方はそれぞれ微妙に異なりますので、それぞれがどのように使われるのかを確認しておきましょう。

「弊社」

相手に対して、自分が所属する会社をへりくだった言葉で伝えたい時に「弊社(へいしゃ)」を使います。

「弊社」はお客様や、取引先を自社よりも高い位置に置いている、という気持ちを表す言葉で、ビジネスシーンでは頻繁に使われる言葉です。

「当社」

弊社と同じように、お客様や取引先に対して、自社のことを伝える表現です。弊社と違うのは「心情」です。

 

「当社」という文字からも感じることができますが、「この話の中では、自分の会社がメイン」「こちら主導」というニュアンスを出します。

相手の受け取り方によっては、本意ではない心情が伝わってしまいますので、特別な事情が無い限りは「弊社」を使う方が無難です。

「私ども」

弊社・当社・当方と同じで、自分の所属する会社や団体を表現する言葉です。

「手前ども」という表現もありますが、やはり意味は「私ども」と同じです。

「私ども」「手前ども」という言葉は、柔らかい言葉で聞き心地が良いため、エンドユーザーであるお客様などへ向けられることが多いでしょう。

「当方」

最後に当方ですが、弊社・当社・私どもなどのように、心情や聞き心地で選ばれる言葉ではなく、「こちら側」「うちの会社」など意味合いを重視して選択されます。

また、単純に「こちら側」という意味だけでなく、「当方」を使うことによって感じ取ることができる事情などもあります。

取引先などに対して「わかり次第、当方よりご連絡いたします」などと使われる時には、「担当者はまだ決めていませんが、しかるべき者から連絡します」という意味合いを含んでいることもあります。

他にも、エンドユーザーであるお客様などを中心に、自社と他社で連携して業務を進めている場合などに、お客様へ対して「当方にて承ります」などと伝えれば、「自社または連携している他社のどちらかで対応します」ということを含めて伝えることもできます。