依頼の意味と類語・使い方と例文

「依頼」の意味と使い方

まずは「依頼」の意味と使い方について解説します。

「依頼」とは人に頼むこと

「依頼(いらい)」とは、自分以外の人に何かの事柄を頼むことです。

その人に何かして欲しい場合や、何かを自分の代わりに行って欲しいとき、その人に何かの用事を任せたいと考えた結果、行うのが「依頼」です。

この件は鈴木さんに依頼しようと思います

先日の件は、私が先方からの依頼を受けました

「依」は「よりかかる」という意味、「頼」には「あてにする」という意味があります。相手をあてにしてよりかかることが「依頼」であり、その様子を相手に頼み事をする場面にあてはめるとイメージしやすいでしょう。

「依頼者・依頼人」は頼んできた人

「依頼」を使った言葉に「依頼者(いらいしゃ)」や「依頼人(いらいにん)」があります。

「依頼者」「依頼人」はどちらも「依頼をしてきた人」という意味です。

(文書)先日私が面会した依頼者は、礼儀正しく真面目な印象でした

(口頭)先日私が面会した依頼人は、礼儀正しく真面目な印象でした

基本的には「依頼者」は書き言葉、「依頼人」は話し言葉で使うのが自然です。しかし、実際には口頭の話し言葉でも「依頼者」が使われることはあり、それも間違いではありません。

「依頼心が強い」は人に依存する気持ち

「依頼心(いらいしん)」とは、自分以外の誰かに寄りかかって依存する気持ちのことを指します。

彼は依頼心が強いのか、自分から積極的にやろうという姿勢があまり見えず、いつも誰かに依存している

娘は依頼心が強く、就活もどこか他人事で、親をあてにしてばかりです

この「依頼心」には、ひとつ特徴があります。それは「(依頼心が)強い」という場面でしか使われないことです。「依頼心が弱い」とはほぼ言いません。

「依頼心が弱い」と表現したい場合は「自立している」「責任感がある」など、他の言葉が用いられることが多いでしょう。

ビジネスメールで使える「依頼」の丁寧な敬語

次に、「依頼」の丁寧な敬語表現について解説します。

「依頼する」の敬語は「依頼いたします」

誰かに物事を頼む場面で生じる心境は「依頼する」です。これを敬語にすると「依頼いたします」となります。

「依頼いたします」は今まさに依頼しようとしている状態を表す、謙譲語の現在形・未来形です。

では、この件は営業部の佐藤君に依頼いたします

これからすぐに、先方へ依頼いたします

「依頼」という言葉は変らず、自分が依頼を「する」という部分だけが謙譲語の「いたします」に変っています。

謙譲語は自分の行為をへりくだった言葉にする敬語表現です。目上の人へ向けてや、ビジネスシーンで「します・やります」という言葉のほとんどは「いたします」と置き換えられます。

「依頼した」の敬語は「依頼いたしました」

「依頼する」の過去形(依頼した)は「依頼いたしました」です。

A社との打ち合わせの件は、今朝田中君に依頼いたしました

この件はすでに先方へ依頼いたしましたが、何か問題がございましたでしょうか

「依頼いたしました」は、「依頼いたします」の過去形です。「依頼いたします」と同様に謙譲語を使った表現で、相手に対してへりくだった言葉を使っています。

尚、「依頼させていただきます(いただきました)」など、「~させていただきます」を使うのも現代では目立った間違いではありませんが、本来は「~いたします」が正しい表現です。

「依頼される」の敬語は「依頼なさる」

自分以外の人が誰かに依頼をした場合で、かつその人が自分の目上の人である場合には「依頼なさる」を使います。「依頼なさる」とは「依頼される(その人が誰かに依頼をする)」の尊敬語表現です。

部長が依頼なさる相手は、本当に信頼できる相手なのかこちらでも調べておいた方が良いだろう

社長が先日、部長に依頼なさった件については、私も存じております

「依頼なさる」は現在形・未来形なので、過去形の場合は「依頼なさった」と変化します。

「~される」のままでも敬語として使えないわけではありませんが、正しくは「なさる」の方がより丁寧な敬語として機能します。

「依頼された」の敬語は「(ご)依頼くださった・(ご)依頼なさった」

目上の誰かが目下の誰かに依頼した場合は「(ご)依頼くださった」もしくは「ご依頼なさった」となります。「くださった・なさった」とは、目上の人が行った行為を表す尊敬語表現です。

先日、御社の田中様が私にご依頼くださった件は、滞りなく完了しております

部長が私に依頼くださった、A社への聞き取り調査は本日の予定です

ちなみに、依頼をされた側の状態である「依頼された」は、自分が受けた行為なので特に適する敬語表現はありません。「確かに私は部長からこの件を依頼されました」など、「です・ます」の丁寧語を使うのみです。

「依頼してください」の敬語は「ご依頼ください」

目上の相手に対して「(こちら側に)依頼してください」と言う場合は、「ご依頼ください」を使います。

どうぞ、いつでも私どもにご依頼ください

その件については、必要に応じて弊社の田中へご依頼ください

「ご依頼ください」は、先に解説した「依頼くださった」の現在形・未来形の役割をします。「ご依頼なさった」の現在形・未来形として使えるのは「ご依頼になる」です。

「依頼」の類語と反対語(対義語)

次に、「依頼」の言い換えに使える類語と、反対の意味を持つ対義語について解説します。

「依頼」の類語は「指示」「要請」

「依頼」の類語は「指示」「要請(ようせい)」です。

A社の件については、経理課の田中君に指示を出しています

先日、御社よりご要請をいただいた商品のフィードバックについてご報告いたします

「指示」とは、相手へ指図をすることです。文字の通り、指で指して相手に申し伝える様子をイメージするとわかりやすいでしょう。

「指示」と「依頼」の違いは「相手へ委ねる範囲・内容」です。「指示」は、ある程度限定的で指示を受ける相手の裁量などはあまり必要としません。

「要請」とは、物事の実現のために相手へ願い出ることです。

「要請」と「依頼」の違いは権利の有無です。この場合の「願い出る」とは、へりくだって願うのではなく、対等もしくは目下の者に対して権利を示すイメージが強いためです。

「要請」は言い換えるなら「~してください」、「依頼」は「~してもらえませんか」となります。

「指示」「要請」のどちらも、「依頼」よりは求める姿勢や様子が強いことがポイントです。当然の権利として「指示」や「要請」が行われることが多いでしょう。そのため、「指示」や「要請」の意味合いが強い場合に「強く依頼する」などと言うこともあります。

「依頼」の反対語は「承諾」

「依頼」と反対の意味を持つ対義語は「承諾(しょうだく)」です。

A社からの依頼は、承諾ということでよろしいでしょうか

その件はすでに承諾しているので、今さらできないとは言えない

「承諾」とは、相手からの願いを受け入れることです。「引き受ける」と言い換えることもできます。

尚、ビジネスシーンでは「承諾」を、依頼をした本人に向けて使うことはほぼありません。依頼をした相手へ直接伝える場合には「お引き受けします」など、「引き受ける」を使うのがマナーです。

「依頼」の英語表現

最後に、「依頼」の英語表現について解説します。

「依頼」は英語で「request」「commission」

日本語の「依頼」を英語で伝える場合には「request」または「commission」を使います。

I requested my job for him.(私は彼に私の仕事を依頼した)

I would like to commission a job.(私は仕事を依頼する)

「request」は、「リクエストする」など日本の日常でも耳にする単語です。相手に何かを依頼する、という場面で広く使えます。

「commission」は、主にビジネスシーンで使われる単語です。対価を支払って、相手に依頼をする場面で使われます。