目次
「露呈」の意味と読み方
「露呈」とは見せたくないものが明らかになること
「露呈」には「見せたくないものや、隠れていたものを何かの機会に外部の人にさらけ出してしまうこと」という意味があります。
商品の欠陥が発覚したことで、A社は技術の未熟さを露呈することになった
私は会社の人に自分の趣味について知られたくなく、これまで話していなかったが、ひょんなことからすべてが露呈してしまった
彼は自分の語学力について話したがらなかったが、急に来客した外国人の対応をすることになり、ネイティブスピーカーであることが露呈した
「露呈」は、悪いことがバレるというよりも、できれば隠しておきたかったことが、何かの拍子に明らかになる、というニュアンスの言葉です。
「露呈」の読み方は「ろてい」
「露呈」の読み方は「ろてい」です。
「露」には「あらわにする」という意味があります。「情報が露出する」などにも「露」が使われているため、イメージがしやすいかもしれません。
「呈」は、「あらわす」という意味です。「露」は「つゆ」とも読みますが、「露呈」の場合は「ろ」と発音するので、「露呈」で「ろてい」となります。
「露呈」の使い方と例文
以下では、「露呈」の使い方を例文と一緒に解説します。
言っていなかったことが明らかになる場面
その人が「特別な秘密というわけではないけれど、できればかくしておきたい」と思っていることが明らかになった場面で「露呈」が使えます。
自分の出身地が田舎であることは、できれば隠しておきたかったが、取引先の方が同郷だったことから露呈してしまった
秘密にしていたつもりはないが、部長と私が親戚であることが専務によって露呈してしまった
彼は自分の特技がプログラミングであることを誰にも言っていなかったが、業務を効率化しようとして組んだプログラミングでそれが露呈してしまったそうだ
先にも述べたように、「露呈」は必ずしも悪いことが明らかになるとは限りません。周囲の人にとっては、どうしてそれを隠しておきたかったのか、理解ができないことでも、本人にとって「露呈」であることはあります。
「露呈」は目上の人へも使える
「露呈」は名詞であるため、目上の人へ使っても失礼にはなりません。
社長が来客のふりをしてロビーで社員の様子をご覧になっていることは、とっくに露呈してしまっています
佐藤様がゴルフがお上手ということは、今や周知の事実です、すべて露呈しておりますのでご承知おきください
もちろん、「露呈」自体に尊敬表現は含まれていません。そのため、目上の人との会話で「露呈」を使う場合は、その前後の言葉を尊敬語にしなくてはなりません。
「露呈」の言い換えに使える類語と対義語
次に、「露呈」と似た意味を持つ類義語と、反対の意味を持つ対義語について解説します。
類義語は「露顕・露見」
「露顕(ろけん)」とは、秘密や悪事が人に知られることです。同じ読み方で「露見」と書いても意味は変わりません。
彼は出張先で経費を使って遊んでいることが露顕し、降格処分となった
私は過去に、ある収賄事件にかかわっていました、そのことが露顕したため自主退職をすることにしたのです
大物政治家が、自粛期間中に飲み会へ参加したことが露顕し、マスコミは大きく取り上げている
「露顕」は、「露呈」と違って、意図的に隠していたことがバレるという意味があります。そのため、犯罪にかかわることや、背任行為による秘密などが対象になりやすい言葉です。
対義語は「隠匿」
「隠匿(いんとく)」とは、人に見つからないように、こっそりと隠すことです。事が明らかになる「露呈」とは反対の意味を持っています。
彼は犯罪の証拠を隠匿した罪で、警察へ出頭している
商品を購入したいという客がいるのに、私欲のために隠匿した店員には厳しい処分が下ったそうだ
「証拠隠匿」などの言葉は、ニュースなどで聞いたことがある人も多いでしょう。「隠匿」の「隠」は物を隠すという意味、「匿」は人目を避けて隠す、という意味があります。
尚、「隠匿」は物に対してしか使いません。犯人をかくまうなど、人を隠す場合は「蔵匿(そうとく)」という別の言葉を使います。