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「募る」の意味と漢字の読み方
「募る」という言葉は、求人広告や新聞・雑誌などさまざまなところで使われています。しかし、「募る」の本来の意味は別にもあるようです。
まずは「募る」の意味と、漢字の読み方について解説します。
「募る」は感情が抑えきれなくなること
「募る」の1つ目の意味は「何らかの感情や欲求が徐々に強まり、抑えきれないほどの状態に達すること」です。
この意味の「募る」を使った言葉には、以下のようなものがあります。
- 不安が募る
- 不信感がつのる
- 思いが募る
いずれも、「募る」の前の言葉が表す感情が、どんどんと高まって、ついには抑えきれなくなる様子が伝わるフレーズです。
お金や人員を集めることも「募る」
「募る」の2つ目の意味は「何かの目的をとげるために、必要なお金や人員や物資などを広い段階に渡って集めること」です。
この意味の「募る」を使った言葉には、以下のようなものがあります。
- 寄付を募る
- 人員を募る
- 食料を募る
- 資金を募る
いずれも、何かを集めている、という意味で「募る」を使っていることがわかります。
しかし、実際には上記のように寄付や資金、食料など「人」以外のものについても使えます。
「募る」の読み方は「つのる」
「募る」の読み方は「つのる」です。
「募」には、招き集めるという意味があります。「募」は「ボ」とも読みますが「募る」は「ボル」とは読みません。読み間違いに注意しましょう。
「募る」の使い方と例文
次に「募る」の使い方を、例文と一緒に解説します。
「募る」で感情や欲求の高ぶりを表す
まずは、「1つ目の意味である「感情や欲求の高ぶり」を表す場合の「募る」の使い方です。
同期が次々にリストラの対象となり、私の不安は日に日に募りました
社員たちの不満は募っています、何か手を打たなければ複数の退職者が出るでしょう
あの頃の私は彼への思いを募らせていました
何かしらの感情や欲求が、自分やその人の中でどんどん大きくなっていき、次第に抑えきれなくなる様子を「募る」で表します。
この場合の「募る」は良い意味でも、悪い意味でも使えます。
「募る」でお金や人・物を集める様子を表す
次に、2つ目の意味である「お金や人、物を集める様子」を表す場合の、使い方です。
彼は、この事業に必要な資金を募ろうと、毎日奔走しているよ
店舗のオープン1か月前までには、必要な数のスタッフを募らなければならない
その団体は、海外への支援のために、物資を募っているそうだ
この「募る」は、なじみのある「募集」という言葉に置き換えてみると、使い方が合っているかの確認ができます。
「募る」の言い換えに使える類語
以下では、「募る」と似た意味を持つ類義語について解説します。
高まる・押し寄せる
「募る」を、感情や欲求の高ぶりとして使う場合には、「高まる」や「押し寄せる」などが使えます。
私は恐怖心が高まり、足が震え始めてしまった
彼女は毎日ストレスがたまり続け、日々不安が押し寄せるようになったそうだ
例文はどちらもネガティブな内容としましたが、「募る」と同様に「高まる・押し寄せる」もポジティブな感情に使って問題ありません。
募集(ぼしゅう)
先にも少し出てきた「募集」は、主に人を求めている場面で使われる言葉です。「募集」には「一般から募り集める」という意味があります。
うちの会社では、現在中途採用の募集をしている
彼は目下、彼女募集中らしいよ
募集に対しての応募倍率は100倍となりました
お金た物を集める場合は、やはり「募る」を使った方が無難です。
「募る」の英語表現
最後に「募る」の英語表現について解説します。
「募る」は英語で「recruit」
日本語の「募る」は、英語の「recruit」で表せます。
The school is recuruiting new students.(その学校は生徒を募っている)
We are recruit new member of the team.(チームのメンバーを募る)
「recruit」は、日本でも頻繁に使われる「リクルート」です。人を募集したり、集めたりする場面で使われます。
文の時制や、主語によって現在進行形・過去形など、形を変えることに注意しておきましょう。