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「末尾」の意味と読み方
日常生活やビジネスシーンなどで「末尾」という言葉を聞いたことがある人は多いでしょう。しかし、「末尾」が数字以外にも使われることを知らない人もいるかもしれません。まずは「末尾」の意味について解説します。
末尾とは数字や文章の最後
「末尾」とは、文章や言葉の最後、数字の最後のことです。読み方は「まつび」です。
①末尾の番号が偶数の方からお呼びいたします
②この文章の末尾はすべて「です・ます」で統一してください
つまり「末尾」とは、言葉や数字の最後、または最後のかたまりのことを指します。
「末尾」の使い方と例文
次に、「末尾」の使い方を例文と一緒にご紹介します。
本の末尾は「奥付(おくづけ)」色紙は「見返し」
本の最後も「末尾」と表すことはできます。しかし、本の最後(著者紹介や出版社情報を掲載されているページ)は、正確には「奥付」と言います。
また、奥付の後に差し込まれている色紙は「見返し(みかえし)」です。
最末尾は最後尾の誤り
「末尾」は、その言葉だけで「最後の言葉や数字」という意味を持っています。その「末尾」に「最」を付けて「最末尾」としても、意味は変りませんし、一般的な言葉として「最末尾」とは言いません。
「最末尾」と似た言葉に「最後尾(さいこうび)」があります。「最後尾」とは、列など人や物が並んでいる状態の、最も最後を表す言葉です。
「末尾」の類義語と対義語
次に「末尾」の言い換えに使える類語と、反対の意味を持つ対義語について解説します。
末尾の類語は「尻」「殿」
「末尾」と似た意味を持つ類語には、「尻」「殿(しんがり)」などがあります。いずれも「最後・終わり」を表す言葉です。
今日のお尻はA社との打ち合わせを兼ねた食事会ですので、直帰します
新入社員入場の殿を務めるのは、東大卒の田中君だ
「尻」は、時間の経過や物事の進捗の最後を、人間の身体に当てはめた表現です。ビジネスシーンでも頻繁に使われる表現で一般的にも認知されています。
「殿」は、主には行列を成した人の列の最後のことです。式典や運動会など、何らかの行事で使われる言葉です。
文末との違いは使われる頻度
文章の最後を示す「文末」も、「末尾」の類語です。「末尾」は文章の最後を表す場合にも使われるので、文章の最後を示す場合には、どちらを使っても問題はありません。
この文の文末を、正しい敬語に書き換えてください
文末のテイストをそろえることで、全体的にまとまりのある文章になると指導をされた
「文末」と「(文章についての)末尾」の違いは、使われる頻度です。先に解説したように、文章の最後のことは「文末」ということがほとんどで、文章について「末尾」ということはあまりありません。
特に意味やこだわりがない場合は、文章の最後は「文末」と表した方が、誤解なく伝わるでしょう。
末尾の対義語は「頭」「露払い」
「末尾」の反対語は「頭」「露払い」です。どちらも「最初・先頭」を意味します。
このチームの社員番号の頭は、すべて5で始まります
新しくできたホールの露払いは、人気ジャーナリストによる勉強会だそうです
「頭(あたま)」は、「末尾」の類語の「尻」と対になっている言葉です。物事を人間の身体になぞらえて、最初を頭、最後を尻、と表します。
「露払い(つゆはらい)」とは、物事の最初、行列の先頭などを表す言葉です。列を作って山道を歩くときに、先頭を歩く人が木の露を払いながら歩いたことが語源と言われています。
「末尾」の英語表現
最後に「末尾」の英語表現について解説します。
末尾は英語で「end」「final」
「末尾」を英語で表現する場合は「end」もしくは「final」を使うと良いでしょう。
Please tell me the final number.(末尾の数字を教えてください)
I added a word of thanks at the end of the letter.(私は手紙の末尾にお礼の言葉を添えた)
英語で「最後・終わり」を表す「end・final」が、日本語の「末尾」にあたります。特に「末尾の番号」を「final number」と表すのは定型句のようなものなので、覚えておくと便利かもしれません。