間違えやすい「時節柄」の意味と使い方・例文

「時節柄」 の意味と読み方

「時節柄」は「じせつがら」と読みます。「時節柄」には主に2つの意味があります。

「今の季節・時季」

1つ目は、今の「季節」「時季」という意味です。手紙の文末などで「時節柄、お風邪など召されませぬようご自愛ください」などと使われる場合の「時節柄」です。

主には季節による暑さや寒さについて使いますが、卒業や入学、桜の開花、年末年始など季節ならではの行事と結び付けて使われることもあります。

「時節柄、花見にでもと思うのですがなかなか腰が上がりません。ぜひ今度ご一緒しましょう」などとすることで、手紙を受け取った相手も「桜の季節だからだな」と、相手の意思を理解することができます。

「時代・今の世の中・時世」

2つ目の「時節柄」は、時代」「世の中」「時世という意味で使われます。主には世間で話題になっていることや、ニュースになっていることと結び付けて使います。こちらの「時節柄」は文章だけでなく口頭で使われることも多いことが特徴です。

「時節柄、個人情報の管理には特に注意してください」などとすれば、「今の世の中は個人情報の管理に敏感だから、特に注意して管理してください」という意味になります。

「時節柄」の使い方

「時節柄」という言葉は、先に解説したどちらの意味で使うかによって使い方が異なります。

「今の季節・時季」での時節柄の使い方

今の季節や時季を指す「時節柄」には、「今の季節だからこそ」「今は〇〇の季節ですから」という意味があります。

この場合の「時節柄」は、手紙の決まり文句のようなもので、「時節柄ご自愛ください」などどんな季節であるか、どんなことについて言っているか、は敢えて明確にしなくても、相手に意図が伝わりやすいことが特徴です。

特に使い方に決まりはありませんが、どんな人でも「時節柄」の後に来る言葉を読んで、理解ができ納得するだろうと考えられることを続けるようにしましょう。

たとえば、自分は夏の暑さが嫌いだという人が「時節柄、嫌な毎日が続きます」と書いても、相手もそうだとは限らず、理解ができないことが想像できます。「時節柄、暑さにはお気をつけください」であれば、相手が夏が好きでも嫌いでも理解してもらえる文章になります。

「時代・今の世の中・時世」での時節柄の使い方

こちらの意味での「時節柄」は、事前に話していたことが「時節柄」と繋がっていることがほとんどです。

先の個人情報の例でも、それまで「今は個人情報の扱いに特に注意しないといけない世の中だ」という話をしていた場合でないと、「時節柄」が何を指しているのか理解ができません。

そのため、反対にそれまで話していたこととは違うことを「時節柄」と繋げたい場合は、改めてその話をした後でなければ、思うように「時節柄」が機能しなくなりますので注意しましょう。

「時節柄」を使った例文

【 時節柄の例文 ① 「季節・時季」の意味での例文 】

・市場で見つけた旬の食材をお贈りします。時節柄、お早めにお召し上がりください。
・時間があったので神保町の古書店街をまわりましたが、時節柄か学生の姿は少なく、渋い年配の人とサラリーマンばかりが目立ちました。
・今頃の菅平は、時節柄、大学生のスポーツ合宿がやたらと多く、冬よりもむしろ活気があります。
・電車やバスに乗ると、時節柄、咳をしている人が多いですから、社内でもマスクをしている人が増えました。
・時節柄、お風邪など召されませんようお気をつけくださいませ。

【 時節柄の例文 ② 「時代・世の中・時世」の意味での例文 】

・時節柄、入国審査がきびしくなりましたので、長時間待たされるのは覚悟してください。
・国内旅行の売上げが例年になく増えています。これも時節柄でしょうか、日本人も外国人のお客様も、治安が良くて安全な日本での旅行を選ばれているようです。
・この界隈は昔から犯罪が少なく、静かな落ち着いた町なのですが、時節柄とは言え、ホームセキュリティの契約をしている家が相当増えているようです。
・世界経済混迷の時節柄、ドルやユーロを売って円を買う動きが加速しています。
・この団地も、時節柄、高齢者世帯が大半を占めていますが、リノベーションをしましたら若い入居者が増えてまいりました。

「時節柄」の言い換えに使える類語

「時節柄」という言葉と似た意味を持つ言葉はいくつかあります。その中でも、特に使いやすい類語をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

「~の折」

「~の折(おり)」は、「季節・時季」の意味を持つ「時節柄」の言い換えに使うことができます。

口頭でも文章でも使われる言葉で、「寒さの折、くれぐれもご自愛ください」などと、文末や言葉の最後などで使うことができます。

また、「~の折」は「時節柄」と違って、会話や文章の最初に使うこともできます。「師走の折、お集りいただき大変恐縮でございます。さて本日は~」などとすれば「師走(12月)の忙しいときに集まっていただき恐縮しています」という意味となります。

「~の候」

「~の候(こう)」も、「季節・時季」の意味を持つ「時節柄」の言い換えに使うことができます。「候」とは「気候」をイメージして使うと良いです。「新緑の候いかがお過ごしでしょうか」などとして使います。

この「~の候」は、手紙の文頭にしか使いません。口頭や文末では使わないことを覚えておきましょう。

また「~の候」はある程度、直前に来る言葉が決まっています。「候」は主に「時候の挨拶」と呼ばれるもので使うためです。「早春の候」「師走の候」など、その月に合った時候の挨拶として使います。