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「気が置けない」の意味と語源
友人や親しい人のことを表現するときに、「気が置けない」という言葉を使うことがあります。しかし、この「気が置けない」は誤って解釈していることが大変多い言葉です。
まずは「気が置けない」の正しい意味と、その語源について解説します。
「気が置けない」とは「気を使わない」
まず、「気が置けない」とは「気を使わない」という意味です。「気を使う」という意味ではありません。
彼女は、私にとって何でも話せる本当に気が置けない大切な友人です
私は田中さんから「気が置けない友人」と言われて、とても嬉しかったです
例の文全体を見ると、「気が置けない」の前後には相手をとても好意的に捉える言葉が使われています。
「気が置けない」の語源は「気が置ける」
次に、「気が置けない」がなぜ「気を使わない」という意味になるのかを語源から見てみましょう。
「気が置けない」の語源は「気が置ける(打ち解けられない)」です。日本にはもともと、相手に対しての遠慮が解けない、気を許せない、という意味の「気が置ける」という言葉があります。
「気の置けない」と意味の違いは無い
「気が置けない」と似た言い方に「気の置けない」があります。「気が置けない・気の置けない」はどちらも同じ意味です。
先に解説した語源から考えると、本来は「気が置けない」ですが、「気の置けない」と言っても現代では間違いではありません。
「気が置けない」の使い方と例文
次に、「気が置けない」の具体的な使い方を例文を交えて解説します。
「気が置けない仲間」は気を許した仲間
互いに仲が良く、信頼し合った複数人の集まりを「気が置けない仲間」という言葉で表すことができます。
僕たち3人は大学の同級生です、お互いに何でも打ち明けられる気が置けない仲間だと思っています
私たちは一緒に何度もピンチを乗り越えてきました、今ではただの友達を超えた本当に気が置けない仲間です
「気が置けない仲間」は、「気が置けない同僚・気が置けないチーム・気が置けないメンバー」など、他の表現に置き換えられることもあります。
「気が置けない人」は打ち解けている人
「気が置けない人」とは、その人が自分にとって遠慮が要らず、気持ちを打ち解けさせている人のことです。仲が良い、親友、など他の表現に変えることもできます。
田中君は僕にとって気が置けない人です
私にとって気が置けない人、と言えばやはり同期の佐藤さんかもしれません
単に仲が良い、という以上の安心感や遠慮の要らなさを感じている場面では「気が置けない人」が使われることがあります。
「気が置けない」だけで使うこともできる
先に解説した「気が置けない〇〇」という表現以外に、「気が置けない」だけで使うこともできます。
彼は僕のことなら何でも知ってるんじゃないかな、本当に彼には気が置けないんだ
落ち込んだ私は彼女に甘えてわがままを言ってしまった、彼女には気が置けないんだ
その場の状況などから、誰のことを言っているのかがわかる場合は「気が置けない」だけでその人との関係を表せます。
「気が置けない」の類語と対義語
以下では「気が置けない」の言い換えに使える類義語と、反対の意味を持つ対義語について解説します。
言い換えに使える類語は「気心の知れた・昵懇」
「気が置けない」と同じ意味を持つ言葉に「気心の知れた」「昵懇」などがあります。
「気心の知れた」とは、文字通り「その人の気持ちや心の内がわかる」という意味です。日常生活からビジネスシーン、目上の人との会話まで、どんなシーンでも使えます。
一方「昵懇(じっこん)」とは、主にビジネスシーンや目上の人との会話で使う言葉です。「気心の知れた」に比べると、言葉自体に威厳があり、フォーマルな場でも使いやすいでしょう。
田中君と佐藤君は気心の知れた仲だと聞いているよ
弊社の社長と御社の部長は、大学時代からの昵懇の仲と聞いています
反対語は「油断のならない・気が抜けない」
「気が置けない」と反対の意味である「気を許せない」は「油断のならない・気が抜けない」などで表します。
佐藤課長はあぁ見えてかなりの策士と評判だ、油断のならない人かもしれないな
田中さんはとにかく厳しくて、いつもミスを探されている気がするから気が抜けない