間違いやすい「一期一会」意味と使い方・類語と例文・英語

「一期一会」の意味と読み方

まずは「一期一会」の意味と読み方について解説します。

一期一会とは「一生に一度だけの機会」

「一期一会」とは、人生の中で一度だけ、一生に一度だけの機会、という意味の四字熟語です。

いつも成績最下位だった私が、こんな大チャンスに恵まれるなんて、これは一期一会と言って良いのではないだろうか

あなたとの出会いは一期一会、この縁を大切にしていきたいと思っています

「一期一会」の「一期」とは「人が生まれてから死ぬまで」のことです。「一会」とは「出会い」を意味します。

つまり、「人が生まれてから死ぬまでの間に一度出会う(=一生に一度だけの出会い・機会)」を一期一会と言います。

「初対面の人にしか使わない」は誤り

「一期一会」を「初対面の人にしか使わない」は間違いです。先に解説した通り、「一期一会」は一生の中の一度だけの機会、という意味なので人との出会いも「一期一会」に含まれます。

しかし、人との出会い以外にもチャンスとの出会いや、仕事との巡り合わせなど、一生に一度だけの機会はたくさんあるはずです。「一期一会」を人との出会いにしか使えない、ということはありません

一期一会の読み方は「いちごいちえ」

「一期一会」の読み方は「いちごいちえ」です。「いっきいっかい」「いっきいちえ」など、他の読み方はすべて誤りですので読み間違いに注意してください。

「一期一会」の発音イントネーションは平坦です。最後の「え」だけ少し下がります。

また、四字熟語なので「一期」と「一会」は続けて発音します。「一期・一会」と発音すると聞き待ちがいにつながるため、続けて発音するように意識しましょう。

「一期一会」の使い方と例文

次に、「一期一会」の使い方を例文と一緒に解説します。

「一期一会の精神」はスピーチや名言として使える

「一期一会の精神」は、スピーチや座右の銘、名言などで使われることが多いフレーズです。

入社後は一期一会の精神で、出会う人、出会う仕事を宝として大切にして参ります

皆さんには、ぜひ一期一会の精神でお客様と向き合っていただきたいと思っています

「一期一会の精神」とは、一期一会を大事にする気持ち、一期一会をありがたいと感じる心、など気の持ち方を示しています。

同じ意味で「一期一会の心得」「一期一会を座右の銘に」などのフレーズも、ビジネスシーンではよく使われています。

「一期一会の出会い」とは言わない

「一期一会」には「(生涯に一度)人や機会と出会う」という意味が含まれています。そのため「一期一会の出会い」としてしまうと、表現がだぶってしまうのです。たとえて言うなら「頭痛が痛い」などと同じです。

「こんな貴重な仕事は一期一会」「彼とは一期一会」など、意味がだぶらないように注意して使いましょう。

「一期一会」の類語と反対語(対義語)

次に、「一期一会」の言い換えに使える類語と、反対の意味を持つ対義語について解説します。

類語は「袖振り合うも多生の縁」「千載一遇」「一世一代」

「一期一会」の類語は「袖振り合うも多生の縁」「千載一遇」「一世一代」などです。

彼のことは知らないわけではないし、袖振り合うも多生の縁と言うからこちらで話を通しておいてあげよう

趣味のサークルで、狙って営業をかけていた企業の社長と友達になれるなんて、千載一遇の大チャンスだ

僕は一世一代のプロポーズを彼女にすることに決めた

「袖振り合うも多生の縁(そでふりあうもたしょうのえん)」とは、たとえば袖がふれ合っただけのような出会いも、何かの縁で起ったのだろう、という意味のことわざです。人との出会いにはきっと縁があるものだ、ということを言っています。

「袖触れ合うも多生の縁」とも言いますが、特にどちらも間違いではありません。しかし本来は「袖振り合うも多生の縁」です。また、「多少の縁」ではないことにも注意しましょう。

「千載一遇(せんざいいちぐう)」とは、滅多にない好機のことです。生涯で一度ではないかと思えるような、貴重なチャンスなどを表します。

「一世一代(いっせいちだい)」とは、生涯に一度だけという意味です。「一期一会」と非常に近い意味を持つ四字熟語で、ほぼ同義として使えます。読み方が「いっせいいちだい」ではなく、「いっせいちだい」であることも覚えておきましょう。

「一期一会」の対義語は「縁もゆかりもない」

「一期一会」と反対の意味を持つことわざに「縁(えん)もゆかりもない」があります。

縁もゆかりもない彼に、なぜ私がそこまでしてあげなくてはならないのか

たとえ今、この地に縁やゆかりがなくても、これから大事な場所になるかもしれません

「縁もゆかりもない」とは、その人や場所などに対して何の縁もなく、思い入れなどもない様子を表すことわざです。

自分とその人や場所、物などに現時点で何の繋がりもないことを指します。「赤の他人」「知らない場所」などと同様の意味です。

「一期一会」の英語表現

最後に「一期一会」の英語表現について解説します。

「一期一会」は英語で「Once in a lifetime」

「Once in a lifetime」とは、「一生に一度」という意味の英文です。「Once」は「一度」、「 in a lifetime」は「人生で」を表し、「一期一会」を表現できます。

It was a once in a lifetime experience.(それは一期一会の経験でした)

It is a once in a lifetime opportunity.(これは一期一会の機会です)

他にも「Once in a while」でも、一期一会を表すことができます。この場合の「while」とは、時間や期間を指し「Once in a while」で「一時の時間・期間(=今この時しかない)」というニュアンスを伝えられます。