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「値千金」の意味と語源・由来
会話の中で「値千金」という言葉を聞いたことがあるという人は多いのではないでしょうか。話の流れから、何となくの意味は想像できても、正確にはわからないかもしれません。
まずは「値千金」の意味と語源について解説します。
「値千金」とは非常に価値が高いこと
「値千金」の読み方は「あたいせんきん」です。「価千金」と、別の漢字で書くこともあります。
この「値千金」とは、非常に価値が高い人の言動や出来事のことです。
あの場面でのセンター前ヒットは、まさに値千金、チームは波に乗ることができた
私が今の夫と出会ったのは、人生においての値千金だと思っています、とても幸せです
今日の商談での彼女の発言は値千金だろう、たった一言で先方に決めさせてしまったのだから
例文のように、ほんの些細な言動や出来事によって、その後の流れや運命が大きく好転することを「値千金」と表現します。
まるで千金を得るかのような、その人にとって大変大きな幸運を得るきっかけとなった出来事も「値千金」として問題ありません。
「値千金」の語源・由来は中国の句
「値千金」の語源・由来は、古い中国の句にあると言われています。
その句は「春宵一刻値千金」というものです。要約すると、「春の夜は短いが、その短い夜に大変大きな価値がある」と言っています。
これは中国の詩人「蘇軾」の漢詩である「七言絶句」の「春夜」の中にある句で、この句をきっかけとして、現代まで「値千金」という言葉が引き継がれたようです。
「値千金」の使い方と例文
次に、「値千金」の使い方を例文と一緒に解説します。
思いがけない成果を「値千金」で表す
人が起こした行動や、発した言葉によって、思いがけない成果を得ることがあります。これを「値千金」で表すことができます。
娘が言ったささいな一言をきっかけに、私は自分がやるべきことに気がついた、あの一言は私にとって値千金だった
田中君が用意してくれていた資料で、先方の気持ちが大きく動いた、まさに値千金のお手柄だったよ
誰かの言動やささいな出来事が、思いもよらぬ大きな成果につながった、ということ自体が「値千金」であるからです。
大きな幸運を「値千金」で表す
まるで降ってわいたかのような、大きな幸運も「値千金」で表すことができます。
僕が彼女と出会えたのは、人生の値千金と言って良いと思います、本当に素敵な人に出会えました
たまたま欠員があったおかげで、私が希望する職種で希望する企業へと入社できたのは、値千金と言える幸運だと思っています
人の意思や力ではどうにもできない幸運が、思わぬ形でやって来た場合も「値千金」を使うことができます。
「値千金」の言い換えに使える類語
次に「値千金」と似た意味を持つ類義語について解説します。
「千金に値」
「値千金」と非常に似た言葉に「千金に値(せんきんにあたい)」があります。「値千金」の文字を入れ替えただけの言葉で、意味は同じです。
たまたま親切にした人が、取引先の会長でそこから商談を進めることができたのだから、人への新設は千金に値する、ということだね
昔渋々取っていた資格のおかげで、こんな好待遇で迎えてもらえるとは、千金に値する資格だった
「値千金」「千金に値」は、人の言動や出来事が大きな結果につながったという場面であれば、どちらを使っても間違いではありません。
どちらを使うかは、その時の会話の様子や、言葉の使いやすさで選んで良いでしょう。
「一発逆転」
「一発逆転」は、日常でもよく耳にする言葉です。何かひとつのことによって、それまで悪かった状況が一気に好転する、という意味を持っています。
彼女の起こしたたった一つの行動で、それまでの流れが大きく変わった、一発逆転とはあのことだ
うちの会社は倒産寸前だったが、社長のひらめきで一発逆転できる画期的な商品が生まれ、難を逃れることができた
「値千金」との違いは、それまでの状況です。「値千金」は、そのきっかけが訪れるまで特に悪い状況である、という要素は必要ありません。
しかし「一発逆転」は、そのきっかけが訪れる前の状況が悪く、このままでは最悪の方向へと進んでしまうだろう、という追い詰められた状況でないと使えません。